九州新幹線「つばめ」800系はローレル賞、グッドデザイン賞

ドーンデザイン研究所が担当
九州新幹線「つばめ」800系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
新幹線800系電車は、JR九州の新幹線「つばめ」用の車両として、2004年(平成16年)にデビューした。

JR西日本の「ひかりレールスター」をベースに設計されており、外装及びインテリアデザインは水戸岡鋭治ドーンデザイン研究所が担当した。2005年(平成17年)に鉄道友の会ローレル賞グッドデザイン商品を受賞した。
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九州新幹線「つばめ」800系
2008年7月29日 鹿児島中央駅 写真:ままぱふぅ
車両のサイズは700系と同じだが、先頭車両の形状は700系で特徴的だったかものはし状とは異なる。どことなくモスラを連想させる。だが、空力特性に遜色はないという。
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九州新幹線「つばめ」800系
2008年7月29日 鹿児島中央駅 写真:こぱふぅ
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九州新幹線「つばめ」800系
2016年3月17日 博多駅 写真:こぱふぅ
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九州新幹線「つばめ」800系
2008年7月29日 鹿児島中央駅 写真:こぱふぅ
戦前・戦後を通じて国鉄を代表する特急列車の愛称「つばめ」を受け継ぐ自負からか、大きく平仮名で「つばめ」と記されている。これなら乗り換え時に間違えることもない。
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九州新幹線「つばめ」800系
2008年7月29日 鹿児島中央駅 写真:ままぱふぅ
設計最高速度は700系と同じ285km/hだが、営業最高速度については500系や700系より若干遅い260km/hで設定されている。
九州新幹線「つばめ」800系
2008年7月29日 鹿児島中央駅 写真:ままぱふぅ
九州新幹線には鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)と長崎ルート(博多~長崎)の2つが計画されており、800系が往復するのは、2004年(平成16年)3月に開業した鹿児島ルートの一部(新八代~鹿児島)である。最短で34分で結ぶ。
この区間は7割がトンネルで高低差も激しいため、登坂能力を重視した800系が開発された。
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九州新幹線「つばめ」800系
座席は2+2で、JR西日本同様、広くて座りやすい。
6両編成392人の定員であるが、指定席はガラガラだった。
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九州新幹線「つばめ」800系
他のJR九州の車両と同様、内装には木材がふんだんに使われている。
天然素材をふんだんに用いているものの、1両当たりの製造コストは、じつは他の新幹線と変わらないという。若干傷のある材料を大量に仕入れることで、むしろコストを低くできるのだ。
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九州新幹線「つばめ」800系
座席には西陣織のモケット(つたと草を絡めたもの)、ブラインドには木材を利用し、証明も暖色系のものを採用。高級な和のテイストを醸し出している。
もちろん木材には不燃処理が施されている。

デザインを担当した水戸岡鋭治は、「私は心地いいレストラン、心地いいリゾートホテルという意識で車両をデザインしている」という。大人が本気で最高のものを提供することで、子どもたちもものを大切にし、「そうやってマナーやホスピタリティを学ぶ」とも言っている。(週間東洋経済 2009年(平成21年)7月4日号)
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九州新幹線「つばめ」800系
デッキの壁面は柿渋色、ドアには古代漆を使い、ダウンライトのみで落ち着いた雰囲気を演出している。ただ、これが本当に暗い。ストロボを焚かないと写らないほど暗い。
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九州新幹線「つばめ」800系
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九州新幹線「つばめ」800系
行き先案内は「博多」となっているが、もちろん、新八代駅で特急「リレーつばめ」に乗り換えなければいけない。乗り換え時にはホームの対面で、同じ号車番号が相対するように「リレーつばめ」が待機していてくれる。
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終点-九州新幹線「つばめ」800系
九州新幹線鹿児島ルートは、2011年(平成23年)3月12日に全線開業した。前日に東日本大震災があり、派手な開業セレモニーは控えられた。
N700系の登坂能力を強化した新型車両によって新大阪から鹿児島中央への直通運転が行われている。所要時間は約4時間。
この新型車両が導入される同時にレールスターが廃止された。
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全線開業から5年

2016年(平成28年)3月12日、九州新幹線の全線開業から5年を迎え、すべての駅で記念イベントが行われた。2004年(平成16年)の部分開業からの利用者は8476万人、全線開業からの利用者は6千万人を突破したとみられている。
利用者は毎年増え、2016年度は1300万人を超える見込み。乗車率は5割弱。博多―熊本間は通勤や出張といったビジネス利用が堅調だ。
九州新幹線「つばめ」800系関連

参考書籍

表紙 電車のデザイン
著者 水戸岡鋭治
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2009年12月
価格 1,078円(税込)
ISBN 9784121503367
新幹線800系つばめや787系リレーつばめ、883系ソニック、885系かもめから「たま電車」まで。話題の車両デザインを手がけ、数々の賞を受賞した水戸岡鋭治の人と仕事を一冊で紹介する。
 

参考サイト

(この項おわり)
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