金剛峯寺は高野山真言宗の総本山

2014年8月13日 撮影
主殿 - 高野山 金剛峯寺
主殿
高野山は、周囲を1,000m級の山々に囲まれた標高約800mの平坦地に117の寺院が密集し、町の全人口約3300人のうち僧侶が3割強を占める宗教都市である。その総本山として高野山 金剛峯寺(和歌山県伊都郡高野町高野山132)がある。
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2004年(平成16年)7月、ユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録された。

写真の主殿は、1593年(天正21年)、豊臣秀吉が亡母の菩提寺として建立したもので、豊臣秀次が自刃した場所でもある。
東西54m、南北63mあり、檜の皮を何枚も重ねた檜皮葺 (ひわだぶき) の大屋根の上には天水桶が置かれており、火災が発生したときに火の粉が飛んで屋根が燃えあがらないように桶の水をまいて湿らし、少しでも類焼を食い止める役割を果たす。
鐘楼 - 高野山 金剛峯寺
鐘楼
門をくぐって右手にある鐘楼は、1864年(元治元年)に再建されたものと考えられている。
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こうやくん - 高野山 奥之院
こうやくん
鐘楼の近くで、こうやくんが記念撮影に応じていた。

こうやくんは2009年(平成21年)3月21日生まれ。高野山開創1200年(正治2年)記念大法要のマスコットキャラクターだ。
2014年(平成26年)8月、高野町観光・広報大使に任命され、高野町に住民登録している。
こうやくん - 高野山 奥之院の大きな写真大きな写真
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蟠龍庭 - 高野山 金剛峯寺
蟠龍庭
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蟠龍庭 (ばんりゅうてい) は、広さ2340m2を誇る国内最大の石庭である。
京都の白川砂を敷きつめ、 弘法大師誕生の地である四国から集めた霊石140個を配置し、雌雄の龍が雲海の中で向き合っている様を表わしている。

高野山の歴史

816年(弘仁7年)、弘法大師空海は嵯峨天皇から高野山を賜り、弟子達に命じて伽藍の建立に取りかかった。
しかし、交通が不便な山中で工事ははかどらず、空海の在世中に完成した建物はわずかだったと考えられている。空海の他界後、弟子であり実の甥でもあった真然が約20年をかけて根本大塔などの伽藍を整備した。
994年(正暦5年)には落雷による火災によってほとんどの建物を失い、ほとんどの僧が山を下り、寺は荒廃した。

1016年(長和4年)、定誉 (じょうよ) が高野山の再興に乗り出す。
1023年(治安3年)には藤原道長が参詣し、その後、白河上皇、鳥羽上皇などが相次いで参詣。高野山は厳正の浄土としての信仰を集めて栄え、平安末期の騒乱期には高野山で貴族や武士が出家することが増えた。

戦国時代、高野山は自衛のために武力を蓄えたため、比叡山を焼き討ちした織田信長と対立するようになっていった。しかし、信長が本能寺の変で倒れたことにより、直接攻められることはなかった。
豊臣秀吉とは妥協の道を探り、徳川家は高野山を菩提所と定めたことで、有力者が高野山に寄進するようになった。

開創1200年

2014年(平成26年)11月15日、第413世座主 (ざす) に就任した中西啓寶 (けいほう) 大僧正(80)=高野町、釈迦文院住職=の入山式が行われた。中西座主は「お参りしてよかったと思っていただけるよう、おもてなしの心で務めたい」とあいさつした。
任期は4年間で管長も兼ねる。

2015年(平成27年)2月22日、高野山真言宗の最高位の僧職である、総本山金剛峯寺第516世寺務検校執行法印 (じむけんぎょうしぎょうほういん) に、高野山金剛三昧 (さんまい) 院長老で東南院住職の久利康彰 (こうしょう) 大僧正(75)が就任した。任期は1年。法印は弘法大師の名代とされ、任期中は山内にとどまり、4月2日から始まる高野山開創1200年(正治2年)記念大法会などで導師を務める。

2015年(平成27年)4月2日、高野山開創1200年(正治2年)の大法会 (だいほうえ) が始まった。5月21日までの50日間、高野山真言宗の信者らのほか、他宗派の僧らも大勢参加して祝賀の儀式を営む。

外国人観光客にも人気

2004念に世界遺産登録されると、それまで年間1万人前後で推移していた外国人宿泊客数が2007年(平成19年)に初めて3万人を超え、2013年(平成25年)には5万人の大台に乗った。英語が通じる宿坊も10カ所に増えた。

山深い地の寺院で寝食し僧侶と同じ体験ができる高野山は、近代化された京都や奈良では味わえない魅力と映るのだろう。フランスやアメリカなど欧米からの来訪者が目立つといい、2014年(平成26年)末には米ナショナルジオグラフィックの旅行誌で「来年訪れるべき世界の名所20選」に国内で唯一選ばれた。
金剛峯寺 関連

参考サイト

交通アクセス

【鉄道+バス】
  • 南海鋼索線「高野山駅」下車、バスで約15分
【自動車】
  • 橋本市から国道370号線で九度山方面へ。九度山から花坂交差点(三叉路)を国道480号線(西高野街道)に向かうと高野山へ。橋本市からの所要時間は約1時間。駐車場あり。
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目的地:金剛峯寺

近隣の情報

(この項おわり)
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