青函トンネルの体験坑道へ

2018年8月27日 撮影
体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
津軽半島の最北端に突き出た龍飛崎 (たっぴざき) にある青函トンネル記念館(青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜99)では、青函トンネルの掘削作業に使われていた坑道に入ることができる。
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三厩駅
三厩駅
JR津軽線・三厩駅 (みんまやえき) に到着した。駅舎は、1958年(昭和33年)10月の開業当時のものだ。
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三厩駅
三厩駅
青森駅から55.8km、18駅ある津軽線の終点である。
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三厩駅
三厩駅
2017年度の1日平均乗車人員は、わずか22人。
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外ヶ浜町営バス
外ヶ浜町営バス
三厩駅から外ヶ浜町営バスに乗り、青函トンネル記念館へ向かう。
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青函トンネル記念館
青函トンネル記念館
青函トンネル記念館(青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜99番地)は、道の駅みんまやにある。1988年(昭和63年)3月11日開業した。
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青函トンネル記念館
青函トンネル記念館
1954年(昭和29年)9月26日、青函連絡船の洞爺丸が台風15号により沈没し、1,155人もの死者・行方不明者が出た日本海難史上最悪の事故が発生する。これを契機に青函トンネル建設計画が本格化し、1961年(昭和36年)3月23日に建設開始。1964年(昭和39年)5月に北海道側斜坑の掘削を開始。工期は10年を見込んでいた。1966年(昭和41年)3月には本州側斜坑の掘削を開始。
青函トンネルは、地質調査や技術試験のための先進導坑、本坑を掘るための作業坑、そして列車が走行する本坑の3つのトンネルが並行して掘られていった。
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アジテータカー - 青函トンネル記念館
アジテータカー
アジテータカーは、台車に円筒形のミキシングドラムユニットを取り付けたコンクリート運搬機械で、生コンクリートの品質を損なうことなく打設現場まで輸送することができる。ドラム容量は3~6m3のものが多く使われた。
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斜坑人車 - 青函トンネル記念館
斜坑人車
斜坑人車は人員輸送用として使われた車両で、1両に24~28人が乗ることができ、4~5両で運行した。日本を代表する建設会社が総出で青函トンネル掘った。総工費は約7455億円。
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青函トンネル竜飛斜坑線 - 青函トンネル記念館
青函トンネル竜飛斜坑線
青函トンネル竜飛斜坑線の入口。
青函トンネル竜飛斜坑線 - 青函トンネル記念館
青函トンネル竜飛斜坑線
青函トンネル竜飛斜坑線は、青函トンネル記念館が運営しているケーブルカーで、全長は778メートル。定員40名の車両が1両で運行しており、すれ違いはない。
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青函トンネル竜飛斜坑線 - 青函トンネル記念館
青函トンネル竜飛斜坑線
元々は青函トンネル工事における作業員や物資の輸送のために建設され、竜飛定点(2013年11月10日で休止した竜飛海底駅)に通じている。

地上にある青函トンネル記念館駅側には、風圧防止と、列車無人走行による事故防止のため、通風門がある。通風門開場中は、駅構内に入ることはできない。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
斜度が14度ある斜坑を下り、10分弱で、海面下140メートルにある竜飛定点(旧・竜飛海底駅;2013年(平成25年)11月廃止)に到着する。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
体験坑道は、実際に作業坑として使われた一角に展示エリアを設け、掘削に使われた機械や器機を展示しており、当時の現場の雰囲気を再現している。見学時間は25分ほど。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
トンネル建設のために使用した鋼材の総量は16万8千トンに及び、これは東京タワーを42基建設できる量である。
青函トンネルは海底下約100メートルに掘られたが、硬軟入り混ざった複雑な地層と活断層に囲まれ、掘削には最新技術が惜しみなく投じられた。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
トンネル掘削は湧水との戦いだった。1969年(昭和44年)2月には本州側で毎分11トンの異常出水が発生。1976年(昭和51年)5月には北海道側で毎分85トンという異常出水に見舞われ、トンネル工事は最大の危機を迎える。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
削岩機――圧縮空気の力で先端に付いているノミによって岩盤に衝撃を与え、ダイナマイトを装填する穴を掘る機械である。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
掘削した直後にコンクリートを岩盤に吹付けて崩壊を防止する吹付コンクリートの様子。止水だけでなく地盤補強に効果があり、圧縮強度が高いセメントミルク+水ガラスが用いられた。こうした技術により湧水対策が進んだ。
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体験坑道 - 青函トンネル記念館
体験坑道
青函トンネルに関わった労働者は延べ1370万人と、当時の東北6県の全人口の約1.4倍にも達した。一方で、殉職者は計34名、負傷者は1,424名を数えた。
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青函トンネル殉職者慰霊碑
青函トンネル殉職者慰霊碑
龍飛崎に34名の殉職者のための青函トンネル殉職者慰霊碑が建立された。
青函トンネル殉職者慰霊碑の大きな写真大きな写真
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本坑貫通石 - 青函トンネル記念館
本坑貫通石
1983年(昭和58年)5月26日に、マグニチュード7.7の日本海中部地震が発生し、トンネル内のトロッコが大きく揺れた。建設中のトンネルを総点検したところ、一部で湧水が増加していたが、トンネルの躯体には異常はなかった。
1985年(昭和60年)3月10日に、本坑が全貫通した。そのときの貫通石が展示されている。
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青函隧道境界点 - 青函トンネル記念館
青函隧道境界点
1988年(昭和63年)3月13日の事務次官会議において自治体境界を定め、公海下部分のうち、約4.7kmを青森県東津軽郡三厩村、約5kmを北海道松前郡福島町に編入することとなり、3月24日に告示された。そのときのプレートである。
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青函トンネル記念館
青函トンネル記念館
青函トンネル記念館の展示ホールには、先進ボーリング技術や地盤注入技術、 吹き付けコンクリート技術など多くの技術と工事方法が紹介されている。
2階のギャラリーには、青函トンネルの歴史や構造、実際に使用された機器など、青函トンネルに関する様々な資料を展示しており、ドキュメンタリー映像を流しているシアターがある。
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モグメロ - 青函トンネル記念館
モグメロ
記念館のキャラクター「モグメロ」。

完成した青函トンネルは全長53.85kmで、開通時は世界一の長さを持つ交通機関用トンネルだった(2022年8月現在、世界第4位)。
最初から新幹線規格で建設されたが、線路は三線軌条となっており、1988年(昭和63年)3月13日の供用開始時には狭軌の列車が運行を開始した。
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モグリン - 青函トンネル記念館
モグリン
記念館のキャラクター「モグリン」。

2016年(平成28年)3月26日に北海道新幹線が開業し、三線軌条を利用して新幹線が通行するようになる。貨物列車も引きつづき利用していたため、トンネル内ですれ違い時に発生する風圧の関係で、最高速度は140km/hに制限された。2019年(平成31年)3月、最高速度度を160km/hに引き上げた。
青函トンネル内にはソフトバンクとKDDIが光ファイバーケーブルを敷設しており、北海道と本州を結ぶ電信・電話の重要な管路となっている。
また、2019年(平成31年)3月には30万kW分の送電を行える送電線の運用がはじまり、従来の海底ケーブルでのルートと合わせて、本州と北海道の間で90万kW相当の電力の送電が可能となった。
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交通アクセス

【鉄道+バス】
  • 三厩駅から外ヶ浜町循環バス龍飛行き乗車(所要時間27分)、青函トンネル記念館下車
【自動車】
  • 東北自動車道「青森I.C.」から国道7号で津軽方面へ進み、新城大橋を渡り国道280号へ左折。津軽海峡、龍飛崎で案内板に従い現地へ。青森I.C.から約80km
青函トンネル 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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