
体験坑道
津軽半島の最北端に突き出た龍飛崎にある青函トンネル記念館(青森県東津軽郡外ヶ浜町三厩龍浜99)では、青函トンネルの掘削作業に使われていた坑道に入ることができる。
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三厩駅
JR津軽線・三厩駅に到着した。駅舎は、1958年(昭和33年)10月の開業当時のものだ。

三厩駅
2017年度の1日平均乗車人員は、わずか22人。

青函トンネル記念館

青函トンネル記念館
1954年(昭和29年)9月26日、青函連絡船の洞爺丸が台風15号により沈没し、1,155人もの死者・行方不明者が出た日本海難史上最悪の事故が発生する。これを契機に青函トンネル建設計画が本格化し、1961年(昭和36年)3月23日に建設開始。1964年(昭和39年)5月に北海道側斜坑の掘削を開始。工期は10年を見込んでいた。1966年(昭和41年)3月には本州側斜坑の掘削を開始。
青函トンネルは、地質調査や技術試験のための先進導坑、本坑を掘るための作業坑、そして列車が走行する本坑の3つのトンネルが並行して掘られていった。
青函トンネルは、地質調査や技術試験のための先進導坑、本坑を掘るための作業坑、そして列車が走行する本坑の3つのトンネルが並行して掘られていった。

アジテータカー
アジテータカーは、台車に円筒形のミキシングドラムユニットを取り付けたコンクリート運搬機械で、生コンクリートの品質を損なうことなく打設現場まで輸送することができる。ドラム容量は3~6m3のものが多く使われた。

斜坑人車
斜坑人車は人員輸送用として使われた車両で、1両に24~28人が乗ることができ、4~5両で運行した。日本を代表する建設会社が総出で青函トンネル掘った。総工費は約7455億円。

青函トンネル竜飛斜坑線
青函トンネル竜飛斜坑線の入口。

青函トンネル竜飛斜坑線
青函トンネル竜飛斜坑線は、青函トンネル記念館が運営しているケーブルカーで、全長は778メートル。定員40名の車両が1両で運行しており、すれ違いはない。

青函トンネル竜飛斜坑線

体験坑道

体験坑道
体験坑道は、実際に作業坑として使われた一角に展示エリアを設け、掘削に使われた機械や器機を展示しており、当時の現場の雰囲気を再現している。見学時間は25分ほど。

体験坑道

体験坑道
トンネル掘削は湧水との戦いだった。1969年(昭和44年)2月には本州側で毎分11トンの異常出水が発生。1976年(昭和51年)5月には北海道側で毎分85トンという異常出水に見舞われ、トンネル工事は最大の危機を迎える。

体験坑道
削岩機――圧縮空気の力で先端に付いているノミによって岩盤に衝撃を与え、ダイナマイトを装填する穴を掘る機械である。

体験坑道
掘削した直後にコンクリートを岩盤に吹付けて崩壊を防止する吹付コンクリートの様子。止水だけでなく地盤補強に効果があり、圧縮強度が高いセメントミルク+水ガラスが用いられた。こうした技術により湧水対策が進んだ。

体験坑道
青函トンネルに関わった労働者は延べ1370万人と、当時の東北6県の全人口の約1.4倍にも達した。一方で、殉職者は計34名、負傷者は1,424名を数えた。

本坑貫通石

青函隧道境界点
1988年(昭和63年)3月13日の事務次官会議において自治体境界を定め、公海下部分のうち、約4.7kmを青森県東津軽郡三厩村、約5kmを北海道松前郡福島町に編入することとなり、3月24日に告示された。そのときのプレートである。

青函トンネル記念館
青函トンネル記念館の展示ホールには、先進ボーリング技術や地盤注入技術、 吹き付けコンクリート技術など多くの技術と工事方法が紹介されている。
2階のギャラリーには、青函トンネルの歴史や構造、実際に使用された機器など、青函トンネルに関する様々な資料を展示しており、ドキュメンタリー映像を流しているシアターがある。
2階のギャラリーには、青函トンネルの歴史や構造、実際に使用された機器など、青函トンネルに関する様々な資料を展示しており、ドキュメンタリー映像を流しているシアターがある。

モグメロ
記念館のキャラクター「モグメロ」。

完成した青函トンネルは全長53.85kmで、開通時は世界一の長さを持つ交通機関用トンネルだった(2022年8月現在、世界第4位)。
最初から新幹線規格で建設されたが、線路は三線軌条となっており、1988年(昭和63年)3月13日の供用開始時には狭軌の列車が運行を開始した。

完成した青函トンネルは全長53.85kmで、開通時は世界一の長さを持つ交通機関用トンネルだった(2022年8月現在、世界第4位)。
最初から新幹線規格で建設されたが、線路は三線軌条となっており、1988年(昭和63年)3月13日の供用開始時には狭軌の列車が運行を開始した。

モグリン
記念館のキャラクター「モグリン」。

2016年(平成28年)3月26日に北海道新幹線が開業し、三線軌条を利用して新幹線が通行するようになる。貨物列車も引きつづき利用していたため、トンネル内ですれ違い時に発生する風圧の関係で、最高速度は140km/hに制限された。2019年(平成31年)3月、最高速度度を160km/hに引き上げた。
青函トンネル内にはソフトバンクとKDDIが光ファイバーケーブルを敷設しており、北海道と本州を結ぶ電信・電話の重要な管路となっている。
また、2019年(平成31年)3月には30万kW分の送電を行える送電線の運用がはじまり、従来の海底ケーブルでのルートと合わせて、本州と北海道の間で90万kW相当の電力の送電が可能となった。

2016年(平成28年)3月26日に北海道新幹線が開業し、三線軌条を利用して新幹線が通行するようになる。貨物列車も引きつづき利用していたため、トンネル内ですれ違い時に発生する風圧の関係で、最高速度は140km/hに制限された。2019年(平成31年)3月、最高速度度を160km/hに引き上げた。
青函トンネル内にはソフトバンクとKDDIが光ファイバーケーブルを敷設しており、北海道と本州を結ぶ電信・電話の重要な管路となっている。
また、2019年(平成31年)3月には30万kW分の送電を行える送電線の運用がはじまり、従来の海底ケーブルでのルートと合わせて、本州と北海道の間で90万kW相当の電力の送電が可能となった。
交通アクセス
【鉄道+バス】
- 三厩駅から外ヶ浜町循環バス龍飛行き乗車(所要時間27分)、青函トンネル記念館下車
- 東北自動車道「青森I.C.」から国道7号で津軽方面へ進み、新城大橋を渡り国道280号へ左折。津軽海峡、龍飛崎で案内板に従い現地へ。青森I.C.から約80km
参考サイト
- 龍飛埼灯台
- 世界最長の鉄道トンネル:大成建設
- 青函トンネル:川元建設
近隣の情報
- 青函トンネルの体験坑道へ:ぱふぅ家のホームページ
- 竜飛海底駅は青函トンネルの駅:ぱふぅ家のホームページ
- 龍飛崎には全国唯一の階段国道がある:ぱふぅ家のホームページ
- 津軽二股駅と奥津軽いまべつ駅:ぱふぅ家のホームページ
- 「森の案内人」が始動青森の眺望山自然休養林で(2018年5月28日)
- 「乳神さま」信仰、男子禁制の「おっぱい祭り」(2017年11月12日)
- 熱気たっぷり 津軽三味線「仁太坊祭り」(2016年9月14日)
(この項おわり)