白川郷(岐阜県大野郡白川村荻町)は、合掌造りと田んぼから成る独特の景観をなす集落で、1976年(昭和51年)に重要伝統的建造物群保存地区として選定され、1995年(平成7年)には白川郷・五箇山の合掌造り集落としてユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録された。
大きな写真
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2016年(平成28年)10月から運用が始まった真新しい白川郷バスターミナルに到着。ここから歩いてすぐの所に、展望台行きのシャトルバス(ワゴン車)が発着しており、それに乗る。片道200円。
絵葉書でよく見る構図である。
1~2月の積雪期にはライトアップされる。
1~2月の積雪期にはライトアップされる。
この日は猛暑で、散水した水が虹を作っていた。
白川郷の萩町地区では、いまも人々が暮らしている。
白川村の全人口は1600人。これに対して、毎年150万人の観光客が訪れる。ざっと1000倍の人数だ。世界遺産になったことを受け、外国人観光客も目立つ。
合掌造りの家屋にはエアコンの室外機が見える一方、広大な田んぼや池を管理する苦労が偲ばれる。
白川村の全人口は1600人。これに対して、毎年150万人の観光客が訪れる。ざっと1000倍の人数だ。世界遺産になったことを受け、外国人観光客も目立つ。
合掌造りの家屋にはエアコンの室外機が見える一方、広大な田んぼや池を管理する苦労が偲ばれる。
入場有料。
主屋は3階建て。畳、ふすま、廊下を隔てて外の景色が見える、懐かしい構図だ。
1階の囲炉裏が発する熱や煙は、家全体に対する防虫や防湿の効果があった。
主屋は3階建て。畳、ふすま、廊下を隔てて外の景色が見える、懐かしい構図だ。
1階の囲炉裏が発する熱や煙は、家全体に対する防虫や防湿の効果があった。
和田家は1573年(元亀4年)から続く名家で、江戸時代には庄屋を務め、苗字帯刀を許された。1985年(昭和60年)、中曽根康弘総理(当時)から従六位に除せられている。当主は代々、彌右衛門を名乗る。
かつては養蚕を行っており、いまも生きているカイコに桑の葉を練ったものを与えている様子を観光展示している。
養蚕は2階、3階で営んでいた。繭が入る木枠などが展示されている。
往時には20人以上の人が住んでいたという。
また、床下では蚕の糞を原料に黒色火薬の酸化剤となる硝石(硝酸カリウム)を発酵生成していた。生き物を余すところいただくところ、いかにも日本人らしい。
また、床下では蚕の糞を原料に黒色火薬の酸化剤となる硝石(硝酸カリウム)を発酵生成していた。生き物を余すところいただくところ、いかにも日本人らしい。
3階には巨大な梁が見える。合掌造りは、30~40年に一度、葺き替えを行うという。一度の葺き替えで、数千万円かかる。世界文化遺産に登録されているおかげで、国庫補助があるという。
あちらこちらに田んぼが広がる。
合掌造りの屋根は、45~60度の勾配がある。豪雪地帯で雪下ろしが大変なので、雪が自重で滑り落ちるように考えられたものだ。また、雨も多く、水はけを良くする効果もある。
最近の茅葺屋根は、ススキやカリヤスの2つを使っている。カリヤスの方が寿命は長いのだが、入手が難しくなっており、替わりにススキを使っているそうだ。
最近の茅葺屋根は、ススキやカリヤスの2つを使っている。カリヤスの方が寿命は長いのだが、入手が難しくなっており、替わりにススキを使っているそうだ。
田んぼに欠かせない案山子。よほど珍しいのか、多くの外国人がシャッターを切っていた。
夏の白川郷は彩度が高い。
山や田んぼは緑色、青い空と白い雲、ひまわりの鮮やかな黄色、そして合掌造りの歳月を重ねた木の色。
山や田んぼは緑色、青い空と白い雲、ひまわりの鮮やかな黄色、そして合掌造りの歳月を重ねた木の色。
白川郷のあちらこちらに目立たない形をした消火栓があるほか、360度回転する放水銃を設置している。放水銃は、景観を損なうことのないよう収納箱の屋根を合掌造り風にしている。
59基ある放水銃は、600トンの貯水槽から、高低差80メートルの水圧を利用し、30メートルあまりの高さにまで放水できる。
59基ある放水銃は、600トンの貯水槽から、高低差80メートルの水圧を利用し、30メートルあまりの高さにまで放水できる。
放水銃は、合掌造りの家1軒につき1基設置されている。景観を損なうことのないよう、写真のように、収納箱の屋根を合掌造り風にしてある。
消火よりも、周辺家屋からの類火を防ぐ効果を想定しているという。
消火よりも、周辺家屋からの類火を防ぐ効果を想定しているという。
御神木。
白川郷の観光は、岐阜県がトップセールスを行い、白川村が観光資源を整備・確保するという役割分担ができている。バスターミナルには、日本と英語はもちろん、韓国語、中国語(簡体・繁体)、フランス語、ドイツ語、スペイン語、そしてタイ語のガイドまで揃っている。
ただ古い景観を売りにしているだけでなく、集落内のあちらこちらに、飲食店や土産物、民宿が点在しており、気が向いたときに立ち寄ることができる。かき氷やアイスコーヒーもある。欧米の観光地に似ている。
白川郷展望台
眼下に白川郷を見下ろし、晴れた日には立山連峰も望むことができるウッドデッキは、飛騨地方で集められた間伐材を利用した。床材や手すりは水に強いスギを用い、土台や楔には腐りにくいクリを使用している。
インスタ映えを狙った天空ブランコは、白川郷の雪で根元が曲がっているスギ材を4本の支柱としている。ブランコは7メートルの高さにもなり、安全ベルトを着用して乗ろう。
交通アクセス
【バス】
- 高山駅(高山濃飛バスセンター4番乗り場)から約50分
- 金沢駅(金沢駅東口2番乗り場)から約1時間15分
- 高岡駅(高岡駅前7番乗り場)から約2時間10分
- 名古屋駅から約2時間50分
近隣の情報
- 白川郷は合掌造りと田んぼとかき氷:ぱふぅ家のホームページ
- 冬の白川郷:ぱふぅ家のホームページ
- 越中五箇山菅沼集落・相倉集落は世界遺産:ぱふぅ家のホームページ
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(この項おわり)