中正紀念堂は蒋介石の追悼施設

中正紀念堂 （ちゅうせいきねんどう） （台北市中正区）は、中華民国初代総統・蒋介石 （しょう かいせき） の追悼施設で、故宮博物院や台北101と並ぶ台湾の三大観光名所の1つとなっている。中正は、蒋介石の本名。入場無料。
本堂の面積は約15,000m²で、建物の高さは70メートルもある。

中華思想や儒教を反映した造りとなっていて、特徴的な八角形の屋根は、儒教の基本理念である「忠、孝、仁、愛、信、義、和、平」の八徳を表している。また、「人」という字がいくつも重なっているようにも見え、これは天と人が調和すると何事もうまくいく「天人合一」という中華思想を表している。

内部には高さ6.3メートルもある蒋介石のブロンズ像が、帰ることの許されなかった故郷・中国を向いて鎮座している。
座像の上部には、蒋介石の基本政治理念であった「倫理、民主、科学」が、そして像の土台には蒋介石の遺言がそれぞれ刻まれている。

正門「自由広場門」は高さ30メートルある。外観は白亜の壁に青い瓦屋根で、アーチ形の入り口が5基並んでいる。夜にはライトアップされる。

中正紀念堂を正面に見て左手にあるのが国家戯劇院で、1985年（昭和60年）に落成。王宮として、伝統的な中国様式の外観と、舞台や音響、照明などの最新設備を備えた台湾随一のアートシアターである。

館内のオープンカフェやレストラン、書店などは事由に利用することができる。
平日の13時からと15時からの2回、60分間のガイドツアーが開催されている。日本語ガイドは要予約。

中正紀念堂を正面に見て左手にあるのが国家音楽庁（国家音楽ホール）で、1985年（昭和60年）に落成。皇后宮として、とても贅沢な造りとなっている。国家交響楽団が専属の楽団として利用している。

4階建てのコンサートホールには、幅約14メートル、奥行き約3メートル、4,172本ものパイプが備わったアジア最大のパイプオルガンが設置されている。2,000以上の観客席は、最高の状態で音楽を楽しんでもらうため、座席の下には一つ一つ空気孔が開いている。

中正紀念堂は総面積25万m²と、東京ドーム5個以上の広さを誇る。
日本統治時代には軍用地だった場所で、蒋介石の死去の翌年、1976年（昭和51年）10月に起工式が催され、1980年（昭和55年）3月に完成した。

最寄駅は、台北捷運 （たいぺいしょううん） （地下鉄）の中正紀念堂駅。1998年（平成10年）に開業した。
地面と地下駅空間の間に厚さ60cmの防爆板が設置されており、空襲や爆弾による地下駅空間の破壊を防ぐようになっている。

淡水信義線淡水方面行と松山新店線松山方面行ホームが地下2階、淡水信義線象山方面行と松山新店線新店方面行ホームが地下3階にある。

【鉄道】

• 地下鉄MRT淡水信義線・松山新店線「中正紀念堂駅」下車、5番出口。