万字線・夕張鉄道線・幌内線廃線跡地をゆく

2023年9月23日 撮影

目次

万字線跡

朝日駅 - 万字線跡
朝日駅・万字線鉄道公園
夕張炭田の万字炭鉱 (まんじたんこう) から石炭を積み出すために、1914年(大正3年)に室蘭本線の志文駅を起点とし、万字炭山までの23.8kmを結ぶ万字軽便線 (まんじけいびんせん) が開業した。1922年(大正11年)に万字線に改称した。沿線の開発が進み、多くの炭鉱が誕生した。
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朝日駅 - 万字線跡
朝日駅・万字線鉄道公園
しかし、太平洋戦争後は石炭から石油へエネルギー源が変わり、炭鉱が次々と閉鎖になった。1984年(昭和59年)4月1日に全線廃止となり、バス運行に転換した。
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朝日駅 - 万字線跡
朝日駅・万字線鉄道公園
1919年(大正8年)に北海道採炭会社幌内炭礦(後の朝日炭砿)が開坑したことにともない開業した朝日駅は、万字線の廃止とともに消滅したが、1999年(平成11年)に万字線鉄道公園(北海道岩見沢市朝日町176)として整備された。
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朝日駅 - 万字線跡
朝日駅・万字線鉄道公園
公園内にはB20形蒸気機関車の1号機が静態展示されている。

運輸通信省(のちの国鉄)が、太平洋戦争末期の1944年(昭和19年)から1947年にかけて15両を製造した産業用蒸気機関車で、徹底した資材節約と工数削減化により装飾が一切排除された戦時規格車である。
運行時重量は約20トン、全長約7メートルと、国鉄正式機最小の蒸気機関車である。現代の4トン・トラックより短いくらいである。
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朝日駅 - 万字線跡
朝日駅・万字線鉄道公園
設計を極端に簡素化した例として、ブレーキが蒸気式と手ブレーキのみだったことが挙げられる。通常の空気ブレーキであれば、貨車や客車にもブレーキがかけることができるのだが、蒸気ブレーキでは自分自身にか作用しない。このため本線運用は不可能で、最初から入換用途以外は考えられていなかった。
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朝日駅 - 万字線跡
朝日駅・万字線鉄道公園
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万字炭鉱ホッパー跡
万字炭鉱ホッパー跡
かつての炭鉱のズリ山やその周辺を利用して総面積21ヘクタールの広大な敷地に様々な種類の樹木が植えた万字炭山森林公園(岩見沢市栗沢町万字西原町3番地)の中に、旧北炭万字炭鉱の選炭場跡(ホッパー)が埋もれている。
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万字駅(現・万字仲町簡易郵便局) - 万字線跡
万字駅(現・万字仲町簡易郵便局)
1985年(昭和60年)4月の万字線配線とともに廃止となった万字駅の駅舎は、現在、万字仲町簡易郵便局の局舎として再利用されている。
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万字駅(現・万字仲町簡易郵便局) - 万字線跡
万字駅(現・万字仲町簡易郵便局)
旧駅舎からホームへの階段やホームも残存している。
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万字駅(現・万字仲町簡易郵便局) - 万字線跡
万字駅(現・万字仲町簡易郵便局)
駅舎のそばには、美流渡駅跡設置と同じ形状の駅名標をかたどった「万字駅 跡碑」の看板が建立された。
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上志文駅 - 万字線跡
上志文駅
上志文駅 (かみしぶんえき) (北海道岩見沢市上志文町)は、1914年(大正3年)11月に開業し、1985年(昭和60年)4月の万字線廃線とともに廃止になった。
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上志文駅 - 万字線跡
上志文駅
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上志文駅 - 万字線跡
上志文駅
駅舎の前には「国鉄万字線 上志文駅跡」と花崗岩に刻まれた石碑が建立された。
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夕張鉄道線跡

栗山公園 - 夕張鉄道線跡
栗山公園
栗山公園(北海道夕張郡栗山町桜丘2丁目38−16)は、かつて北炭夕張炭鉱の事業用資材や石炭を運搬する目的で敷設された夕張鉄道線の栗山駅があった場所を公園にした。
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1D加熱テンダー機関車第21号 - 夕張鉄道線跡
1D加熱テンダー機関車第21号
1908年(明治41年)10月に、鹿ノ谷 - 若鍋(のちの若菜辺)間で運行開始し、1930年(昭和5年)に野幌 - 新夕張(のちの夕張本町)間の全線53.2km、19駅が開通した。
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1D加熱テンダー機関車第21号 - 夕張鉄道線跡
1D加熱テンダー機関車第21号
1D加熱テンダー機関車第21号が静態展示されている。
鉄道員が1913年(大正2年)から製造開始した9600形蒸気機関車の同型機で、1941年(昭和16年)9月に製造された9600形の最終製造車でもある。

全長16.563メートル、全幅2.616メートル、全高3.885メートル。機関車重量は55.75トン、炭水車重量は15.24トンとなっている。
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1D加熱テンダー機関車第21号 - 夕張鉄道線跡
1D加熱テンダー機関車第21号
栗山駅は、1893年(明治26年)7月に北海道炭礦鉄道(のちの室蘭本線)の駅として開業した。この室蘭本線との接続駅として、夕張鉄道線の栗山駅が1926年(大正15年)10月に開業した。

夕張鉄道には多くの北炭専用鉄道が接続しており、石炭の輸送のほか、炭鉱労働者や家族を輸送した。また、石炭輸送だけでなく旅客サービスにも力を入れ、1952年(昭和27年)に気動車を導入し、スピードアップがはかられた。
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1D加熱テンダー機関車第21号 - 夕張鉄道線跡
1D加熱テンダー機関車第21号
石炭・旅客ともに1960年代初頭に輸送のピークを迎え、その後のモータリゼーションの波に洗われ、輸送量は減少していく。1972年(昭和47年)には新夕張炭砿が閉山し、残る北炭平和砿も1975年(昭和50年)3月末に閉山したため、全線を廃止した。
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幌内線跡

萱野駅 - 万字線跡
萱野駅
幌内線 (ほろないせん) は、1882年(明治15年)に官営幌内鉄道により開業した道内で最も古い鉄道路線の一部で、1906年(明治39年)に国有化され幌内線となった。1987年(昭和62年)7月13日に全線廃止となった。
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萱野駅 - 万字線跡
萱野駅
萱野駅 (かやのえき) は1913年(大正2年)9月に開業し、幌内線の全線廃止に伴い廃駅となった。地元町内会が修繕して、近隣の理髪店が管理を請け負う形でライダーハウスとして営業を続けている。
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大地のテラスと711系赤い電車

711系赤い電車 - 夕張鉄道線跡
711系赤い電車
ファームレストラン「大地のテラス」(北海道岩見沢市栗沢町上幌2203番地)の東側の畑には、徹底した耐寒耐雪機能を考慮して開発された日本初の量産交流近郊形電車、711系電車が静態展示されている。1968年(昭和43年)にデビュー、2015年(平成27年)3月に引退。
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711系赤い電車 - 夕張鉄道線跡
711系赤い電車
展示されているのは、千歳空港駅(現・南千歳駅)開業および千歳線・室蘭本線室蘭電化用として1980年(昭和55年)9月に製造された第3次量産車だ。
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711系赤い電車 - 夕張鉄道線跡
711系赤い電車
711系は、その塗装から、「赤電」「赤電車」として親しまれてきた。
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711系赤い電車 - 夕張鉄道線跡
711系赤い電車
保存場所には「あぐり駅」と名付けられているが、実際にあった駅名ではなく、大地のテラスが農業を意味する英語 "agriculture" から命名したという。
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朝日駅付近の地図

万字線 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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