睡眠と健康 2020年版

2020年6月9日 作成

睡眠不足は体重を増やす

夜食のイラスト
カロリー制限中に5.5時間睡眠をとると、8.5時間睡眠をとった時よりも脂肪の減少量が小さくなるだけでなく、筋肉を含む脂肪以外の体積の減少が大きくなることが分かっている。

睡眠不足は、食欲を亢進させるグレリンというホルモンの分泌を増やす一方、食欲を抑制するレピチンを減少させる。
睡眠不足はインスリンの反応を悪くする。その結果、糖が取り込まれにくくなり、必要以上の量の食事をとるようになる。
これらの影響への対策としては、運動が有用だとされている。運動はグレリンの量を減少させ、インスリンの反応を改善する。

睡眠不足が死をもたらすメカニズム

睡眠不足
2020年(令和2年)6月、米ハーバード大学医学部の研究チームは、睡眠不足が腸内で活性酸素種を増加させ、これが死をもたらすとする研究論文を発表した。
黄色ショウジョウバエを使った実験で、不眠状態が10日以上続くと死亡率が急激に上昇し、通常ならば40日間の寿命を持つキイロショウジョウバエが20日で100%死ぬということがわかった。このとき、腸内にのみ活性酸素種が蓄積されていた。マウスを使って追加実験を行ったところ、不眠状態で小腸と大腸では活性酸素種が蓄積していた。
また、キイロショウジョウバエに抗酸化化合物を投与し活性酸素種を減らすことで、寿命が延びることもわかった。

参考サイト

(この項おわり)
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