メンタルヘルス 2026年版

2026年07月21日 作成

夏の猛暑と若者の自殺リスク増加の関連

夏の強い日差しの中を歩く若者
アメリカの研究チームが、気温の上昇と若者の自殺の関係を調べました。1980年(昭和55年)から2004年までの、5歳から24歳の自殺者数と気温のデータを比べたところ、月の平均気温が1度上がるごとに、自殺の割合が0.75%増えることが分かりました。特に夏の期間だけで見ると、気温が1度上がるごとに自殺の割合は2.68%も増えていました。中でも15歳から24歳の若者は影響を受けやすく、全米で毎月12人ほど自殺者が増える計算になるということです。
気温上昇の影響は男女で差があり、女性は5.20%、男性は2.37%増えるという結果でした。地域差も大きく、太平洋岸では0.73%増加にとどまる一方、ニューイングランド地方では7.72%も増加していました。研究チームは、気温データが郡単位のため、一人ひとりの冷房利用の状況までは分からないと述べています。今後は、体温を測る機器を身につけ、気分や自殺念慮を日々記録してもらう研究が必要だとしています。気候変動が進む中、冷房の普及やまちづくり、精神保健の政策づくりが重要になりそうです。

仕事外の長時間インターネット利用と抑うつ症状の関連

夜、部屋でスマートフォンの画面を見つめる疲れた様子の会社員
富山大学の研究グループが、地方公務員3403人を対象に、インターネットの利用時間と気分の落ち込み(抑うつ症状)との関係を調べました。仕事以外で平日に4時間以上インターネットを利用する人は、2時間未満の人に比べて、抑うつ症状がある割合が高いことが分かりました。オッズ比は男性で1.83倍、女性で2.31倍でした。一方、仕事中にパソコンやスマートフォンを使う時間は、抑うつ症状とは関連していませんでした。研究成果は、国際誌「JMA Journal」に2026年(令和8年)7月10日付けで掲載されました。
今回の調査は一時点の状況を比べたものなので、長時間のインターネット利用がメンタルヘルスの不調を招くのか、逆にメンタルヘルスの不調が長時間のインターネット利用につながるのかは分かっていません。研究グループは、今後さらに詳しく調べる必要があるとしながらも、長時間インターネットを利用する人は自分の心の状態に気を配ることが大切だとしています。

広がる「AI疲れ・AIうつ」、正体は判断疲れ

大量の判断に追われ疲れた表情でモニターに向かうITエンジニア
生成AIの普及にともない、IT現場では「AI疲れ」「AIうつ」という言葉が聞かれるようになりました。作業は速くなっているはずなのに、なぜか疲弊する。ITmediaの久松剛さんによれば、その原因をAIの利用そのものではなく、判断の回数が急増したことに見ています。従来は1つの機能を作るのに数日かかり、その間は一つのテーマに集中していればよいものでした。ところがAIによって実装が短時間で片付くようになると、同じ時間内に扱うテーマの数が一気に増え、明確な正解のない判断を次々と迫られるようになったといいます。
また、コードを書く過程そのものを楽しんできたエンジニアほど、AIに実装を任せることで「過程の喜び」を失い、仕事が楽しくなくなったと感じやすい傾向があるといいます。一方、成果を早く届けられることに喜びを感じる人にとって、AIはむしろ追い風です。記事では、AIに判断の主導権をすべて委ねるのではなく思考を拡張する道具として使うこと、そして喜びの置き場所を過程から結果へと意識的に組み替えることが、疲れをうつに進行させないために大切だとまとめています。

参考サイト

(この項おわり)
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