西暦935年 - 紀貫之『土佐日記』

最初の仮名日記
紀貫之
935年(承平5年)、紀貫之 (きのつらゆき) が『土佐日記』を著す。

紀貫之は、930年(延長8年)から934年にかけて、土佐国に国司として赴任していた。任期を終えて京へ帰る途中に起きた出来事を、虚構を交えて紀行文風に綴った日記である。書き手を女性に見立て、ほとんどを仮名で綴っている。

この時代の世界

825 875 925 975 1025 900 900 900 1000 1000 1000 935 紀貫之『土佐日記』 866 945 紀貫之 939 承平天慶の乱 893 941 藤原純友 903 940 平将門 880 949 藤原忠平 915 989 平貞盛 923 952 朱雀天皇 901 菅原道真、太宰府へ左遷 867 931 宇多天皇 875 935 平国香 885 930 醍醐天皇 895 940 藤原玄明 929 990 藤原兼家 979 宋による中国統一 927 976 趙匡胤 921 959 紫栄 922 992 趙普 939 997 太宗 907 唐が滅ぶ 882 954 馮道 877 943 王建→太祖 870 934 アブー・アブドゥッラー 909 ファーティマ朝が成立 962 神聖ローマ帝国のはじまり 912 973 オットー1世 937 964 ヨハネス12世 940 996 ユーグ・カペー Tooltip

参考書籍

表紙 土佐日記(全)
著者 紀 貫之/西山 秀人
出版社 KADOKAWA
サイズ 文庫
発売日 2007年08月25日頃
価格 660円(税込)
ISBN 9784043574209
平安時代の大歌人紀貫之が侍女になりすまし、帰京の旅をかな文字で綴った紀行文学の名作。国司の任期を終えて京へと戻る船旅は長く苦しい日々の連続であった。土佐の人々に温かく見送られ出発したものの、天候不順で船はなかなか進まない。おまけに楫取はくせ者。海賊にも狙われる。また折にふれ、土佐で亡くした娘を想い悲嘆にくれる。鬱々としながらも歌を詠み合い、ひたすら都を目指す一行の姿が生き生きとよみがえる。 はじめに  女の私も書いてみる──男もすなる日記といふものを  船旅なのに馬のはなむけ?  国司の館で送別会  帰らぬ人を偲びつつ──大津出立  詩と歌のセッション  押鮎にキッス!──浦戸から大湊へ  お返しも楽じゃない  池の若菜に「いとをかし」  「白波」はNGワード!  水の中の月  海を渡るこころ──大湊から奈半へ  千代の友だち──宇多の松原  夜更けの舟唄  飛んで都へ──奈半から室津へ  月下のゆあみ──室津にて  はや二十五日  空を漕ぐ船  波の雪 波の花  ムーンライト  黒白のコントラスト──室津出立  海賊が追って来る?──阿波国にて  ちふりの神様  波路はるかに  子の日に海松──土佐の泊にて  海賊を振り切って──阿波から和泉へ  ついつい愚痴を──和泉の灘出立  不満爆発!  忘れ貝に託して  三十一文字の号令──和泉より住吉へ  波のトラウマ  神の御心のままに──住吉明神  淡路のおばあちゃん復活──難波から淀川へ  あやしき歌をひねり出す  物々交換の損得  声の寒さが身にしみる──渚の院にて  尽きせぬ思い  船よ さようなら──山崎  風景だけが変わらない──桂川  荒れたる宿 荒れたる心──帰京 解説──ブログとしての『土佐日記』 付録  和歌・歌謡初句索引 コラム目次  貫之はなぜ土佐に下ったか  紀貫之の家集  甲斐歌とは  白馬の節会  在原業平と『伊勢物語』  屏風絵と屏風歌〈その一〉  誹諧歌とは  貫之と兼輔〈その一〉  歌合とは  貫之と兼輔〈その二〉  「子の日」とは  屏風絵と屏風歌〈その二〉  平安時代の『万葉集』〈その一〉  平安時代の『万葉集』〈その二〉  古典はいかにして伝えられたか  古今的歌風とは
 
表紙 すらすら読める土佐日記
著者 林 望
出版社 講談社
サイズ 単行本
発売日 2005年06月11日頃
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784062125093
「男もすなる日記(にき)といふものを、女もしてみむ、とて、するなり」。紀貫之が仕掛けたこの「…も…も」に、すべての秘密が隠されているーー。総ルビつき原文、著者オリジナル現代語訳付き。面白うてやがて哀しきは『土佐日記』。ユーモア、ギャグ、ジョーク、くすぐり、もじり、洒落、言葉遊び……、そして亡き子を偲ぶシミジミとした情調。リンボウ先生の読み解きで知る、目からうろこの1冊。
 
(この項おわり)
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