セキュリティソフト「Norton 360」は多機能

2007年10月 購入
Norton360 バージョン 21
Norton 360コンピュータ・ウイルスから迷惑メールスパイウェアフィッシング詐欺まで、さまざまなセキュリティ対策を講じてくれるとともに、ディスクの最適化や不要になったファイルの削除、ファイルのバックアップなどのメンテナンスも行ってくれるソフトである。Norton Internet Security にPCメンテナンス機能が付いたソフトと考えてもらえばいいだろう。
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バージョン 21 の特徴

知らぬ間に、バージョン21にアップデートされていた。
本バージョンでWindows 8.1への対応が行われた。
ただ、Windows XP(SP3)での常駐量は90Mバイトと、全バージョンに比べて大幅に肥大化した。もうすぐサポート終了するOSへの配慮は無いということか。
パネルも白地になり、視認性が低下した。

Norton 360 マルチデバイスの特徴

Norton360 バージョン 20.2
2012年(平成24年)9月、1ライセンスにつき、最大3台までのデバイスを保護可能な統合型のセキュリティソフト「Norton 360 マルチデバイス」が登場した。
旧バージョンからは無償アップデート・サービスが利用でき、いままでのライセンスはそのまま継続して利用できる。
ダウンロードして、2、3分でインストールが完了する。いままでの設定はそのまま受け継がれる。
Windows XP(SP3)での常駐量は14Mバイト程度で、バージョン6.0に比べてCPUへの負荷はさらに低下している。
マルチデバイスでは、次の3製品を任意に組み合わせて利用することができる。
  1. Windows向け Norton 360 プレミアエディション
  2. Mac向け Norton Internet Security Mac版
  3. Android向け Norton Mobile Security for Android


Norton Management を使い、他のデバイスや家族の機器のセキュリティを一元的に管理できる。
バージョン番号は20.2となっている。

バージョン 6.0 の特徴

Norton360 バージョン 6.0
2012年(平成24年)2月、バージョン6.0の販売がはじまった。
旧バージョンからは無償アップデート・サービスが利用でき、いままでのライセンスはそのまま継続して利用できる。
ダウンロードして、2、3分でインストールが完了する。これは速い。いままでの設定はそのまま受け継がれる。
Windows XP(SP3)での常駐量は20Mバイト程度で、バージョン5.0に比べるとCPUへの負荷はさらに低下している。
最新バージョンでは、ノートンアカウントを利用して複数のPCのセキュリティ状態をWebベースの画面から管理できる「Norton Management」や、Webサービスで利用するIDとパスワードをクラウド上で管理し、ほかのPCでも共有できる「ID Safe in the Cloud」など、先行発売されている Norton Internet Security 2012 の機能を搭載している。

また、インターネット接続回線に応じて実行内容を変更できる「Network Meter」が追加された。外出先など3G回線で接続しているときには重たい処理をしないように調整でき、便利だ。
バックアップ機能はエンジンの改良により、高速化と使い勝手の向上を図っている。

ユーザーインターフェースはシンプルになったものの、なにしろ機能が豊富なアプリケーションなので、すべての機能を使いこなすには慣れが必要だ。
また、ライセンス1つにつき3台までのPCにインストール可能で2Gバイトのバックアップ用オンラインストレージ(プレミアム版は25Gバイト)が付属するが、スマートフォンやタブレット用の同社セキュリティ製品のライセンスもまとめて1つになったパッケージがあると助かる。
なお、バージョン6.0はWindows 8 開発者向けプレビュー版での動作には問題なく、正規版への対応も準備していくとしている。

バージョン 5.0 の特徴

Norton360 バージョン 5.0
バージョン 5.0は、「Norton Internet Security 2011」に搭載されているセキュリティ機能をすべて統合し、ユーザーがダウンロードするファイルやウェブサイトの安全性を評価する最新版の「レピュテーション技術」をサポートするのが特徴だ。
Internet ExplorerやFirefox、Google Chromeなどのブラウザーのほか、メッセンジャーソフトやメールソフトなど、ダウンロード機能を持つソフト経由でダウンロードするファイルの安全性を評価し、最新のマルウェアを検出できるという。
さらに、プログラムの振る舞いをもとにマルウェアを検出する「SONAR 3」、システムリソースを過剰に使用しているプログラムを特定する「システム インサイト2.0」などを搭載している。

セキュリティ以外の機能としては、個人情報保護、自動バックアップ、PCチューンナップの機能を搭載。ユーザーインターフェイスも刷新し、管理画面下部に表示する世界地図において、世界各地でどのような脅威が発生しているかを確認できるようにした。

バージョン 4.0 の特徴

Norton360 バージョン 4.0
バージョン4.0は、Norton Internet Security 2010(NIS2010)で実装されたレピュテーション技術が搭載された。数千万のノートンユーザー(ノートンコミュニティウォッチ)から収集した膨大なデータベースを背景に、プログラムやファイルの安全性を統計的に評価するもので、定義ファイルの更新では間に合わないような新しい脅威にも迅速に対応できるという。同時に、検索エンジンの結果に表示されたWebサイトの安全評価を行う「Norton Safe Web」も強化された。
PCへの負荷は、さらに軽くなった。
CPUの使用状態に応じてプログラムを段階的に起動する起動マネージャが強化され、PCの起動速度を高速化できるほか、スキャン時間やメモリ使用量もより抑えられている。
バージョン3.0のときは、おそらくウイルスチェックをしているのだろうが、アイドル時に冷却ファンが激しく回転することがあった。バージョン4.0では、それも無くなった。

標準で2Gバイトのオンラインストレージが付いてくる。
Webからのアクセスも可能になり、Nortonユーザーでない家族や友人とのファイル交換の場としても利用できる。

バージョン 3.0 の特徴

Norton360 バージョン 3.0
2009年(平成21年)3月6日、バージョン3.0のダウンロード販売がはじまった(店頭販売は3月19日から)。

バージョン3.0は、Norton Internet Security 2009 (NIS2009)の特徴を受け継いでおり、約1分程度のインストール時間や約10Mバイトというメモリ使用量など、PCに負担をかけない実行環境を実現した。
新機能 Norton Safe Web は、Yahoo!やGoogleなどの検索結果に、Webサイトの安全性を「安全(緑色)」「注意(黄色)」「警戒(赤色)」の3段階で知らせる。
新機能 Norton Insighet は、統計的に信頼できると判断したファイルはスキャン対象から外すことで、スキャン時間を短縮する。また、きわめて短い間隔でパターンファイルのアップデートを行う Pulse Update 機能が追加された。

ファイルバックアップ機能では、ネットブックでの使用を考慮してUSBメモリへの保存に対応した。

バージョン 2.0 の特徴

2008年(平成20年)3月にバージョン2.0の販売が始まった。
新バージョンでは、安全でないワイヤレスネットワークに接続した時にアラートを表示するようになった。公衆無線LANはリスクが高いので(「公衆無線LANサービスは安全か?」参照)、この機能は心強い。
また、パスワードなどの個人情報を保存する機能や、携帯音楽プレーヤーで保存する楽曲データなどのバックアップ機能が追加された。

バージョン 1.0 の特徴

Norton360
メインメニューは、PCメンテナンス機能がある分、Norton Internet Security より増えているが、基本的には初心者向きで見やすい。危険があるときのアドバイスが表示され、ワンクリックで解決できる。インストール時に、必要と感じられる対策機能がすべてONになるので、初心者にもお勧めできる。
メインメニューの [タスクと設定] タブをクリックすることで、細かい設定画面に遷移する。
ただし、Norton Internet Security から乗り換えの場合、Internet Security は自動的にアンインストールされ、その設定値も引き継がれないので注意が必要だ。また、Norton SystemWorks も自動的にアンインストールされる。
Norton 360 ではルートキット検出機能が追加された。
かつては Norton シリーズにも機能が搭載されていた時期がある。根が深い問題である。

Norton SystemWorks 2005 で実装されていたレジストリ最適化や「ゴミ箱」機能を愛用していたのだが、Norton 360 にはそうした機能はない。

バックアップ機能については、ローカルドライブの他、登録ユーザーに提供される2GBのネットストレージにバックアップすることもできる。作業中のテキスト・ファイルなど、小さい容量ながら頻繁にバックアップしておく必要があるものについては、いつでもどこでもバックアップできるネットストレージは便利である。

“買い”のポイント=いままでの実績

一般的に、複数メーカーのセキュリティ対策ソフトやPCメンテナンス・ソフトをインストールすると不具合が発生し、最悪の場合、ディスクがクラッシュする。これらのソフトを使う場合は同一メーカーにするのが定石だが、私の場合、10年以上、Symantec製品のお世話になっている。

今年も Norton Internet Security のライセンス期限が近づいてきた。大切なファイルも増えてきたので定期バックアップも必要だと考え、試しに Norton 360 を使ってみることにした。バックアップもセキュリティ対策の一種というわけだ。楽天ダウンロードからダウンロード購入した。

昔と違って Norton シリーズは軽くなった

Norton Internet Security には様々な評判がある。その中で悪いものの代表が、動作の“重さ”である。2007年(平成19年)版や Norton 360 バージョン1.0まではこの現象が続いていたが、バージョン2.0で大幅に改善された。後述するようにAtomを搭載したネットブックでも利用しているが、動作がもたつくことはほとんどない。

以前は他のアプリの暴走によって Norton 360 が影響を受けることもしばしばで、最悪の場合、CPUパワーを使い切ってしまうこともあった。しかし、暴走してもセキュリティ対策は正常に動作しているという安心感があり、他社ソフトに乗り換えずに使い続けている。

ライセンス:3台のPCで利用できる

このシリーズを使っていて悩ましいのが更新料の問題である。他社では無料化の動きも出ているが、Symantec製品では年間数千円の出費を覚悟しなければならない。
一方で、ウイルス・パターンを更新するには、それなりのコストがかかっているのだから、無料のビジネスモデルには無理がある。ユーザー数が増えなくなった時点で破綻するのではないだろうか。
Norton 360 では、家庭で使っている3台のPCまで同一価格で使えるようになった。ライセンス料の考え方については、少し前進があったものとみている。

2009年(平成21年)1月現在、こぱふぅが使うミニノートPC「SOTEC C101B4」と、パパぱふぅが使うノートPC「Let's note CF-Y7D」で利用しているが、とくに問題は起きていない。

しかし、Norton Internet Security からの乗り換えで、同じアカウントで登録しているにもかかわらず、2週間あった残存ライセンス期間を引き継ぐことができなかった。Symantecによると、同一シリーズでないと引き継ぎはできないということである。この点については、今後、改善検討していただきたい。

参考サイト

(この項おわり)
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