『ホーキング 宇宙の始まりと終わり? 私たちの未来』

スティーヴン・ウィリアム・ホーキング=著
表紙 ホーキング 宇宙の始まりと終わり? 私たちの未来
著者 スティーヴン・ウィリアム・ホーキング/向井国昭
出版社 青志社
サイズ 単行本
発売日 2008年10月
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784903853376
どうして三つの空間次元と一つの時間次元だけが平坦になり、ほかの次元はきつくねじ曲がったままなのでしょうか? 考えられる答えの一つに、人間原理があります。(172ページ)

概要

宇宙のイラスト
車椅子の天才物理学者、ホーキング博士が講義風の形式で著した宇宙論の本。全部で7つの章からなり、後半が一般相対性理論と量子力学をめぐる最新のトピックスだ。
熱力学の第二法則に基づき、未来を予言できるコンピュータを作ることができない理由も明らかにする(154ページ)。詐欺商法に引っかからないためには、こうした科学的見方が大切だ。
ただ、意外だったのは、いわゆる「人間原理」に触れられていることだ。
超ひも理論で、なぜ4次元(空間+時間)以外の次元がコンパクトな状態のままかというというに対し、「二次元空間ではわれわれのような複雑な生命体を発達させるには、不十分だったのでしょう」(172ページ)と「人間原理」を持ち出している。
人間の原理は、ある意味、最強の原理である。われわれ人間が理解できるのはたかだか4次元なので、この世界は4次元になっている。10次元の別宇宙の中では10次元を理解できる生物誕生しているであろう――これが人間原理である。
(2009年8月10日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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