東京タワーと蝋人形館、トリックアート・ギャラリー

1999年9月24日・2020年11月19日 撮影
東京タワー
2020年11月19日 撮影
東京タワー(東京都港区芝公園4-2-8)は、エッフェル塔(フランス・パリ)を模した赤色(正確にはインターナショナルオレンジという)と白色を交互に塗装した高さ333メートルの電波塔である。
長らく自立式鉄塔として世界一の高さを誇っていたが、2010年(平成22年)3月、東京スカイツリーに追い越された。

東京タワーはほぼ5年に一度、1年かけてペンキを塗り直す。職人が、刷毛(はけ)・ローラー・ペンキ缶を携え、ぺたぺたと叩き付けるように塗っていく。
周囲を汚さないようにとの配慮から、スプレーは使わないし、古いペンキの掻き落としも行わない。建築当初から同じ成分のペンキを使って重ね塗りをしている。
東京タワーの大きな写真大きな写真
(1604×2560 ピクセル, 2474 Kbyte)
展望台から - 東京タワー
1999年9月24日 撮影
塗装面積は94,000m2で、使用するペンキの量は33,000リットル。容量18リットルの一斗缶にして約1,833缶分。これを縦に積み上げていくと約640メートル、東京タワーの約2倍もの高さになる。
1回に塗るペンキの厚みは約1mmなので、東京タワーの鉄骨は徐々に太ってきている。
展望台から - 東京タワー
1999年9月24日 撮影
カメラのズームを目一杯アップにしたら、ゆりかもめが見えた。距離は1kmほど。これなら展望台の双眼鏡を使う必要もないかもしれない。

トリックアート・ギャラリー

トリックアート・ギャラリー
1999年9月24日 撮影
東京タワーに包まれるように4階建ての東京タワービルが建っており、展望台への入退場口が設けられているほか、蝋人形館(3階)やトリックアート・ギャラリー(4階)がある。
トリックアートは、油性ペンキ5色のみを速乾性の溶剤を使って平筆1本で、遠近法や陰影法に加えて光の屈折や反射を計算して描かれたもの。ここも写真撮影OKで、写真に撮った方がトリックが強調されるように気がする。
写真は、触ると音と光が出るオブジェ。こぱふぅは、えらく気に入った様子。

蝋人形館

蝋人形館は、1970年(昭和45年)に、日本で最初に開設されたアジアで最大の蝋人形館である。蝋人形は、わざわざロンドンから輸入している。ハリウッド・スターや世界の指導者、おとぎ話の主人公たちに加え、中世の拷問や怪奇映画の主役たちもいるので、子どもには刺激が強いかもしれない。写真撮影OKである。
東京タワーは建築時に芝増上寺の墓地を一部取り壊して作ったため、墓を取り壊された霊による怪奇現象が起きるという噂があった。この噂話をしながら蝋人形館に入ると、よりいっそう楽しめるであろう。

残念ながら、2013年(平成25年)9月に閉館した。

東京タワー水族館

東京タワー水族館
1999年9月24日 撮影
東京タワー水族館(1階)は、観賞魚のみを生息地域別に集めた世界唯一の水族館である。飼育生物数は、900種5万点に及ぶ。単純に種類だけを比較すると、葛西臨海水族園(東京)や海遊館(大阪)を上回る。
だが水族館という割には、個々の水槽に値札が付いており、そこにいる魚を売っていたりする。
じつは東京タワー内に情報産業会社を構えていた田部雄三さんが、1978年(昭和53年)4月、自宅で買っていた熱帯魚を移して観賞魚の専門館としてオープンしたもの。採算を度外視し珍しい魚を集め、マニアに販売していたという。
目の前で魚の観賞ができるため、魚の自然美をよく観察できる。幼児教育やデートスポットとして大勢に利用されている。魚や草、器具をはじめ、参考図書、ビデオなど格安で販売している。
販売相手は常連客中心だったが、最近は売上が芳しくなく、残念ながら販売は2010年(平成22年)9月6日をもっていったん販売終了するとのこと。

東京タワービルにも入るなら、セット券がお得。交通は、JR浜松町駅からバス。徒歩でも行ける。 ぱふぅ家は、渋谷駅からバスで行った。はとバスツアーで行くという手もある。

歴史

東京タワー
1999年9月24日 撮影
東京タワーの正式名称は「日本電波塔」という。建築構造学者・内藤多仲(1886~1970)と日建設計株式会社が共同で設計した。
地上333メートルという高さは、エッフェル塔の324メートルより9メートル高く、自立式鉄塔としては、50年を経た現在でも世界最高を誇る。重さは約4,000トンで、約7,000トンのエッフェル塔よりも大幅に軽い。朝鮮戦争で使用されスクラップになった戦車の一部が塔の鉄に使われている。
1958年(昭和33年)10月14日に完工、12月7日から公開を開始した。12月23日に完工式が行われ、正式な営業を開始した。
1989年(昭和64年)、来場者数が1億人を超えた。

2008年(平成20年)12月23日、開業50周年を迎えた。
2009年(平成21年)5月8日、20年ぶりに公式ロゴを変更した。新しいロゴは、地球環境への貢献や自然との共存をイメージしているという。

現在は、世界的に著名な照明デザイナー石井素子氏により、日没から深夜0時までの間、美しくライトアップされる。ライトの色は季節によって異なり、夏は白色、春・秋・冬はオレンジ色である。
地上120メートルと125メートルの高さに大展望台が、地上225メートルの高さに特別展望台がある。この日は雨交じりの天気だったのだが、特別展望台からは東京が一望できた。天気が良ければ、富士山や房総半島も見えるだろう。東京タワーは、テレビ・ラジオなどの各種放送電波を送信しているほか、大地震時のJRの列車停止信号を発信するアンテナ、公害調査のための風向風速計、温度計なども取り付けられている。

2013年(平成25年)5月、電波塔としての役割を東京スカイツリーと交代した。
2018年(平成30年)1月25日、来場者数が1億8千万人を突破した。改修中の特別展望台は、3月3日、トップデッキと名を改めて再オープンする。
コロナ禍の影響で来場者数が減少したが、2024年(令和6年)9月3日に1億9千万人を超えた。

交通アクセス

【鉄道】
  • 都営地下鉄大江戸線「赤羽橋駅」赤羽橋口から徒歩5分
  • 東京メトロ日比谷線「神谷町駅」1番出口から徒歩7分
  • 都営地下鉄・三田線「御成門駅」A1出口から徒歩6分
  • 都営地下鉄・浅草線「大門駅」A6出口から徒歩10分
  • JR「浜松町駅」北口から徒歩15分
東京タワー 関連

近隣の情報

参考サイト

参考書籍

表紙 平成の東京 12の貌
著者 文藝春秋編
出版社 文藝春秋
サイズ 新書
発売日 2019年01月18日頃
価格 1,078円(税込)
ISBN 9784166612031
平成31年は、天皇陛下が退位して皇太子が新天皇に即位し、5月からは新しい元号になります。また、翌年には2回目の東京五輪が開催されます。一回目の東京五輪は昭和39年に開催され、それを契機に昭和後半の日本は高度経済成長の波に乗り、経済大国の道を突き進みました。しかし、平成に入ると、バブルが崩壊し、政治や社会の様々な歪みが顕著となってきました。この間、日本の首都・東京はどのように変貌を遂げたのか。 本書は、月刊『文藝春秋』で連載した「50年後の『ずばり東京』」から、主に東京に住む人々の暮らしや意識の変遷を描いた12本の記事を選んで収録しました。毎回違うノンフィクション作家が自身で取材するテーマや街を選び、リレー形式で執筆したもので、昭和と平成という二つの時代を筆者が行き来するルポルタージュです。 〈本書の内容〉 ゴジラとタワーマンション 高山文彦 保育園反対を叫ぶ人たち 森健 虐待と向き合う児相の葛藤 稲泉連 東大を女子が敬遠する理由 松本博文 「ラジオ深夜便」のある生活 樽谷哲也 エリートが集う「リトル・インド」佐々木実 はとバスは進化し続ける 小林百合子 八丈島の漁師と青梅の猟師 服部文祥 いまどき女子は神社を目指す 野村進 新3K職場を支えるフィリピン人 西所正道 将棋の聖地に通う男たちの青春 北野新太 貨物専用「JR隅田川駅」のいま 長田昭二
 
表紙 東京スカイツリーと東京タワー――鬼門の塔と裏鬼門の塔
著者 細野透
出版社 建築資料研究社
サイズ 単行本
発売日 2011年10月
価格 1,760円(税込)
ISBN 9784863581197
千年前に予言されていた、新タワーの「幸運」とは?二つの電波塔の、隠された正体とは?平将門、太田道潅、徳川家康、西郷隆盛、丹下健三…二つのタワー、そして皇居。江戸・東京の鬼門に潜む『点と線』が、浮かび上がる。
 
表紙 東京タワー50年 戦後日本人の“熱き思い”を
著者 鮫島敦/日本電波塔株式会社
出版社 日経BPM(日本経済新聞出版本部)
サイズ 文庫
発売日 2008年12月
価格 990円(税込)
ISBN 9784532194734
創設者・前田久吉の巨大電波塔計画、鳶職たちが命をかけた世紀の大工事、起死回生のライトアップー。50周年を迎える東京タワー、その裏方たちの物語を開業当時からの貴重な写真・資料とともに伝えるノンフィクション。
 
表紙 東京タワー99の謎
著者 東京電波塔研究会
出版社 二見書房
サイズ 文庫
発売日 2006年08月
価格 660円(税込)
ISBN 9784576061177
最初の予定は380mだった?/戦車の鉄でできている?/東京タワーが怪獣を倒した!?/上野公園も建築候補地だった/名前は「昭和塔」の可能性もあった/画期的な耐震構造のヒミツ/展望台で結婚式を挙げた唯一のカップルは?/電波塔以外の意外な役割は?…意外かつ面白いネタを満載した本邦初の東京タワー本。
 
表紙 東京タワーは曲がっていなかった
著者 豊島光夫
出版社 文芸社
サイズ 単行本
発売日 2005年03月
価格 1,540円(税込)
ISBN 9784835587219
建築って、実はトリビアの宝庫だった。読んでビックリ、ヘェ〜っと納得、建築おもしろ話を大公開。東京都建築局、東急建設、東京工大講師を歴任した著者による建築マル秘読本。
 
表紙 コミック版 プロジェクトX挑戦者たち―東京タワー恋人たちの戦い
著者 日本放送協会
出版社 宙出版
サイズ 全集・双書
発売日 2003年02月
価格 1,100円(税込)
ISBN 9784872878592
地上333メートル!未知の現場へ!この仕事に“命”を懸けろ!史上最大のテレビ塔建設が始まった。目もくらむ高さ、立ち塞がる突風、戦う壮絶な日々。そして-難工事の影に、完成を待つ女達がいた。巨大鉄塔に懸けた二つの恋。
 
(この項おわり)
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