出羽三山神社で生まれ変わる

2023年3月6日 撮影
五重塔 - 出羽三山神社
五重塔
出羽三山神社(山形県鶴岡市羽黒町手向字手向7)は、羽黒山 (はぐろさん) (標高414メートル)の山頂に鎮座する。

写真の五重塔は、参道・一の坂登り口の杉並木の中にある。東北地方では最古の塔といわれ、平将門の創建と伝えられる。現在の等は約600年前に再建されたもので、高さ29メートルの三間五層柿葺素木造で、1966年(昭和41年)に国宝に指定された。
近くに、樹齢1,000年、樹の周囲10メートルの巨大な爺杉 (じじすぎ) がある。
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五重塔 - 出羽三山神社
五重塔
出羽三山とは、山形県の中央にそびえる羽黒山(標高414メートル)、月山 (がっさん) (標高1,984メートル)、湯殿山 (ゆどのさん) (標高1,504メートル)の総称だ。
約1,400年前に、崇峻天皇の御子の蜂子皇子 (はちこのおうじ) が、父を暗殺した蘇我馬子から逃れて出家し、カラスに導かれて羽黒山にたどり着き、修行の末に開山したと伝えられている。

わが国では古来より山は人々を助ける力があるという山岳信仰が伝わり、飛鳥時代に輸入された仏教と組み合わさり、日本独特の修験道が誕生した。
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五重塔 - 出羽三山神社
五重塔
同じ頃、熊野三山(和歌山県)、英彦山(福岡県・大分県)が開かれ、熊野三山、英彦山、出羽三山は「日本三大修験道」となった。
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 - 出羽三山神社
出羽三山とその周辺は、日本遺産に指定されている。

羽黒山は現世の幸せを祈る山(現在)、月山は死後の安楽と往生を祈る山(過去)、湯殿山は生まれかわりを祈る山(未来)とされ、江戸時代には庶民の間で現在・過去・未来を巡る「生まれかわりの旅」として広がった。
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山頂鳥居 - 出羽三山神社
山頂鳥居
参道の石段の尽きるところ朱色の鳥居がある。
もともと青銅の鳥居があったが、太平洋戦争の際に供出され、その跡地に地元の児童生徒の寄付によって建立された。
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授与所・祈祷所 - 出羽三山神社
授与所・祈祷所
鳥居の手前の坂は十五童坂と呼び、坂の左に一山の貫主の住んだ執行寺跡、右に本社のかぎを取り扱った鍮取 (かいどり) 役という一生不犯の清僧修験の住んだ能林院があった。
正面に御札などの授与所・祈祷所が、左には宿坊の斎館がある。
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授与所・祈祷所 - 出羽三山神社
もとは華蔵院といい、1697年(元禄10年)に再建された正穏院、智憲院と共に三先達寺院の一つで、羽黒山執行別当に次ぐ宿老の住した寺であったが、明治の神仏分離の際に神社の斎館として残った。
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随神門 - 出羽三山神社
随神門
江戸時代には山内に30余坊あったが全て取り壊され、往時の山伏達の住した遺構として今に残る唯一の建物である。2005年(平成17年)に鶴岡市の文化財に指定された。
石の鳥居をくぐると、朱色の随神門が見えてくる。
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参道 - 出羽三山神社
参道
雪に隠れて見えないが、右脇には天拝石という御神石と、末社の天地金神社がある。

随神門の先は出羽三山の神域となる。敷き詰められた2446段の石畳の階段の周囲には、樹齢350年から500年を越す老杉が建ち並び、神々しい雰囲気に――。
この石段は、羽黒山中興の祖、50代別当天宥 (てんゆう) が江戸時代の1648年(正保4年)から13年の歳月をかけて敷設したもので、かつて観音菩薩を祀った由緒から石段には33個の彫り物が刻まれている。すべてを探せば大願が成就するとも言われている。
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祓川神社と岩戸分神社 - 出羽三山神社
祓川神社と岩戸分神社
随神門を過ぎて降っていくと、祓川 (はらいがわ) のせせらぎが聞こえてくる。
その名の通り、羽黒山へ登るために身を清めた川で、まだ山頂まで車道がなかった時代、参拝者はみな衣服を脱いでこの川に身を浸し、清らかになって山頂までの生まれ変わりの道を歩んだという。

禊ぎをする場所には、天宥が、堰を築造して約8km離れた水呑沢からの水を落とした須賀の滝(不動の滝)がある。
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祓川神社と岩戸分神社 - 出羽三山神社
祓川神社と岩戸分神社
須賀の滝に向かって左に岩戸分神社が、右に祓川神社が鎮座している。2つの社の間には、奉納された不動尊像と梵天が祀られている。
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交通アクセス

【バス】
  • 鶴岡市から庄内交通バス「羽黒山頂行き」で約50分、終点下車
出羽三山神社 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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