
863年(貞観5年)5月20日、京都の神泉苑で御霊会が修された。この世に未練を残して死を迎えた者の御霊による祟りを防ぐための、鎮魂のための儀礼である。早良親王、伊予親王、藤原吉子、藤原広嗣(または仲成)、橘逸勢、文室宮田麻呂の六柱の御霊が祀られた。
862年(貞観4年)から感染症が流行し皇族・貴族が多数死去し、864年(貞観6年)には清和天皇の元服を控えていたことから、仏教経典の読経とともに、歌舞音曲や民衆参加の踊りなども行われた。
この日は神泉苑の四門が開けられ、民衆が自由に出入りすることを許された。これは、政治不信や社会への不安から目を逸らさせる効果を狙ったものと考えられている。
この日は神泉苑の四門が開けられ、民衆が自由に出入りすることを許された。これは、政治不信や社会への不安から目を逸らさせる効果を狙ったものと考えられている。
参考書籍
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謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年 | ||
著者 | 榎村寛之 | ||
出版社 | 中央公論新社 | ||
サイズ | 新書 | ||
発売日 | 2023年12月20日頃 | ||
価格 | 1,100円(税込) | ||
ISBN | 9784121027832 |
この時代の世界
(この項おわり)