西暦887年 - 仁和地震

藤原基経が初の関白に
南海トラフの震源域
887年(仁和3年)8月22日16時頃、五畿七道諸国にわたる大地震が発生し、仁和地震 (にんなじしん) と呼ばれる。東海・東南海・南海の3カ所が連動した南海トラフ地震と考えられており、マグニチュードは8.0~8.5。京都では多くの建物が倒壊し圧死者多数。大阪湾には津波押し寄せ、甚大な被害を出した。
869年(貞観11年)に三陸沖の海底を震源域とする巨大地震・貞観地震 (じょうがんじしん) (マグニチュード8.3以上)が、878年(元慶2年)には千葉県沖で直下型地震の相模・武蔵地震(マグニチュード7.4)が起きている。

866年(貞観8年)の応天門の変 (おうてんもんのへん) の後に官位を従三位、中納言となり第56代・清和天皇 (せいわてんのう) の信任があつかった藤原基経 (ふじわらのもとつね) は、876年(貞観18年)に父・清和天皇から譲位された第57代・陽成天皇 (ようぜいてんのう) が9歳と幼かったことから、摂政に就く。
だが、清和上皇の崩御の後、陽成天皇との関係が悪化。884年(元慶8年)に陽成の乳兄弟であった源益 (みなもとのまさる) が殿上で殴殺される事件が起き、15歳の陽成に嫌疑がかけられ、そのまま退位させられてしまう。第58代・光孝天皇 (こうこうてんのう) が55歳で即位。太政大臣の藤原基経は、太政官から上ってきた事項を天皇に奏上する機務奏宣 (きむそうせん) の権限を与えられ、事実上の関白となった。
光孝天皇は、仁和地震の直後に崩御する。第59代・宇多天皇 (うだてんのう) は即位すると、正式に関白を設け、基経をもって任じた。

参考書籍

表紙 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年
著者 榎村寛之
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2023年12月20日頃
価格 1,100円(税込)
ISBN 9784121027832

この時代の世界

775 825 875 925 975 800 800 800 900 900 900 887 仁和地震 869 949 陽成天皇 836 891 藤原基経 830 887 光孝天皇 867 931 宇多天皇 885 930 醍醐天皇 866 応天門の変 811 868 伴善男 830 870 伴中庸 863 御霊会がはじまる 850 881 清和天皇 804 872 藤原良房 845 903 菅原道真 901 菅原道真、太宰府へ左遷 905 『古今和歌集』編纂 845 907 紀友則 860 920 壬生忠岑 859 925 凡河内躬恒 871 909 藤原時平 866 945 紀貫之 875 884 黄巣の乱 840 884 黄巣 852 912 朱全忠 907 唐が滅ぶ 877 943 王建→太祖 843 ヴェルダン条約 823 877 シャルル2世 870 メルセン条約 860 933 ロロ 870 934 アブー・アブドゥッラー 909 ファーティマ朝が成立 Tooltip
(この項おわり)
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