西暦866年 - 応天門の変

大伴氏/伴氏が失脚
伴大納言絵詞
866年(貞観8年)3月10日の夜、朝堂院の正門である応天門が焼失した。これをめぐり、朝廷内ではっせいした一代疑獄事件を応天門の変 (おうてんもんのへん) と呼ぶ。
はじめは左大臣の源信 (みなもとのまこと) に放火容疑がかけられたが、8月3日に備中権史生の大宅鷹取 (おおやけのたかとり) が、大納言・伴善男 (とものよしお) が放火したと告発。善男の取調中に、大宅鷹取の娘が善男の従者によって殺された。ついに、伴善男と息子の伴中庸 (とものなかつね) が共謀し、源信を失脚するために仕組んだ事件だったことが明るみに出る。善男、中庸親子を含む主犯格は流罪となった。
伴氏は、823年(弘仁14年)に大伴親王が第53代・淳和天皇 (じゅんなてんのう) に即位する際、その諱を避けて、大伴 (おおともし) 氏から氏を改めた一族である。こうして、天孫降臨以来、皇室の近衛としての役割を担ってきた大伴氏/伴氏が政治の表舞台から姿を消すことになる。

参考書籍

表紙 謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年
著者 榎村寛之
出版社 中央公論新社
サイズ 新書
発売日 2023年12月20日頃
価格 1,100円(税込)
ISBN 9784121027832

この時代の世界

775 825 875 925 975 800 800 800 900 900 900 866 応天門の変 811 868 伴善男 830 870 伴中庸 863 御霊会がはじまる 850 881 清和天皇 804 872 藤原良房 836 891 藤原基経 830 887 光孝天皇 845 903 菅原道真 901 菅原道真、太宰府へ左遷 887 仁和地震 869 949 陽成天皇 867 931 宇多天皇 885 930 醍醐天皇 905 『古今和歌集』編纂 845 907 紀友則 860 920 壬生忠岑 859 925 凡河内躬恒 871 909 藤原時平 866 945 紀貫之 875 884 黄巣の乱 840 884 黄巣 852 912 朱全忠 907 唐が滅ぶ 804 876 ルートウィヒ2世 843 ヴェルダン条約 823 877 シャルル2世 870 メルセン条約 Tooltip
(この項おわり)
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