日本橋で化石探検

2007年4月28日 撮影

日本橋高島屋

アンモナイトの化石-日本橋高島屋
日本橋の老舗デパートの壁材に化石が含まれている――というのは有名な話だが、実物を見たことがない。なにせ、ぱふぅ家には縁のない高給百貨店ばかりなので‥‥。
そこで、大森貝塚探検の後、京浜急行で一気に日本橋まで北上することにした。
日本橋高島屋
地下鉄浅草線・日本橋駅から日本橋高島屋(東京都中央区日本橋 2 丁目4番1 号)へは地下道経由で入ることができる。大理石でできた重厚な中央階段を上がっていくと、すぐにアンモナイト化石を発見できた。
スタンプラリー-日本橋高島屋
地上階へ上がってみると、化石探しのスタンプラリーをやっているではないか。それほどメジャーなのか‥‥。

日本橋高島屋本館は、日本生命が 1933 年(昭和 8 年)に建設した建物を借りる形でスタートした。2009 年(平成 21 年)4 月、百貨店としては初めて重要文化財に指定された。
アンモナイト-日本橋高島屋
大理石の中央階段に沿って、あるわあるわ、アンモナイトベレムナイトの化石が数え切れないほど埋まっている。
ベレムナイト-日本橋高島屋
スタンプラリーをやっているためか、化石が露出している部分に案内シールが貼ってあり、これなら間違えようがない。
アンモナイト-日本橋高島屋
アンモナイトは、古代エジプトの「アモン神の角」に似ていることから、この名前が付いた。日本ではその形から、「菊石」と呼ばれていた。
オウムガイに似ているが、実は、オウムガイアンモナイトの祖先である。

アンモナイトは、古生代デボン紀(約 4 億年前)にオウムガイ類から枝分かれして、地球上のあらゆる海域で大繁栄し、中生代白亜紀の終わり(約 6500 万年前)に絶滅した生物である。この時代のあらゆる海成層(海底に堆積した地層)にアンモナイトの化石が含まれており、海成層が堆積した時代によって、産出するアンモナイトの種類が異なる。
逆に考えると、産出したアンモナイトの種類によって、その海成層の堆積した年代が特定できるという、示準化石(標準化石)としての役割もある。成長するにつれて、殻の中に部屋(気室)を増やしていく。この気室は連室細管で結ばれており、内部のガスと体液の比率を細かく調節することにより、その浮力によって水中でのバランスを維持していた。

ちなみに、 「化石」とは
  1. 自然に地中に埋没したもので人が埋めたものではないこと
  2. 地中に埋まって 1 万年以上経っている
ものを指す。かならずしも「石」でなくともよいわけだが、1 万年以上前の貝塚は「遺跡」であって「化石」ではない。

日本橋三越

日本橋三越新館
次に、日本橋を渡り、三越・日本橋本店へ向かった。
アンモナイト-日本橋三越
三越・日本橋本店(東京都中央区日本橋室町1-4-1)の 1階中央には、巨大な天女の像がある。この像の側面の大理石にある、アンモナイトベレムナイトの化石はガラスのケースに収められており、完全に展示物扱いである。

2007 年(平成 19 年)12 月 30 日、国内外で活躍するソリスト 4 人と台東区民合唱団約 200 人が天女の像のまわりに集まり、ベートーベンの「第九」を披露した。
ベレムナイト-日本橋三越
ベレムナイトは、アンモナイトと同じく中生代に棲息していた頭足類で、イカの祖先にあたると考えられている。
ベレムナイトの化石は、三輪一雄氏によれば「座薬のような形」をしているが、これは、体の中心部に収まっていた“鞘”と呼ばれる石灰質の硬質部分が化石化したものである。この鞘の形が矢尻に似ていることから、ギリシャ語の「ベロニ(矢尻)」を当てて、ベレムナイトと呼ばれるようになった。ちなみに、日本では「矢石」と呼ばれている。
矢尻の部分は、現在のコウイカ類の後部の針として痕跡をとどめている。
アンモナイト-日本橋三越
ここから地下へ降りる階段の途中に、最大級のアンモナイト化石を見ることができる。写真では見にくいが、ともかくデカい。
それにしても、高島屋と三越の大理石の、色といい、紋様といい、化石の入り具合といい、そっくりである。いずれも、イタリアから取り寄せられた大理石だという。
現在のイタリアがある辺り、当時のアルプスの南側は深い海になっており、アンモナイトが多数生息していたと考えられている。

交通アクセス

【鉄道】
  • JR 東京駅・八重洲北口から徒歩 5 分
  • 東京メトロ・銀座線・東西線「日本橋駅」B1 出口
  • 都営地下鉄・浅草線「日本橋駅」から徒歩 4 分
アンモナイトの化石 関連

近隣の情報

参考書籍

表紙 アンモナイトは“神の石”
著者 三輪一雄
出版社 講談社
サイズ 新書
発売日 1998年03月
価格 946円(税込)
rakuten
ISBN 9784062572071
採集旅行を計画する、現地で探す、掘り出す、削り出す、そして種を同定するという化石採集の楽しみは、やってみなければわからない、一度やったらやめられない。古生代の生物に魅せられて、ヒマラヤにまで行ってしまった一人の男の、切なくも熱い毎日。
 

参考サイト

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(この項おわり)
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