貨幣博物館で貨幣の歴史を学ぶ

2007年9月30日 撮影
貨幣博物館-玄関
貨幣博物館(東京都中央区日本橋本石町1-3-1)は、日本銀行分館内にある、日本銀行金融研究所の博物館である。入場無料(入り口で記帳を求められた)。月曜休館。

他の博物館と異なり、あちらこちらに大きなガードマンが立っている。館内の点検のためか、音もなく近寄ってきたので少々驚いた。
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貝の付く漢字
「貝」が付く漢字は、お金に関係する字が多い。
貨幣は、中国の殷・周の時代(紀元前16~8世紀)に、貴重な南方海産の宝貝が貨幣として利用されたことに由来するからだ。
貝 貞 負 貤 貢 財 貨 貫 戝 貭 責 貪 販 貧 貶 貽 賀 貴 貺 貰 貹 貸 貯 貼 買 費 賁 貿 賈 賅 賋 貲 資 賉 賎 賍 賊 賃 賆 賂 賄 賏 賕 賖 賑 賡 賛 賜 質 賙 賞 賤 賨 賬 賝 賭 賠 賣 賓 賦 賚 賯 賢 賰 賲 賵 賴 購 賽 賸 賷 賺 賻 賾 贄 贅 贈 贁 賿 贇 贋 贊 贉 贏 贍 贐 贔 贗 贒 贖 贓 贛
物品貨幣-貨幣博物館
物々交換では不便を感じていた人類が、物品交換の手段として発明したのが「貨幣」である。最初は、矢じりや砂金といった物品貨幣だった。
物品貨幣は、次の3つの特徴を備えていなければならない。
  1. 誰もが欲しいと思う物
  2. 集めたり分けたりして、皆が納得できる値打ちの大きさを表現できる物
  3. 持ち運びが容易で保存できる物
貨幣博物館-和同開珎
708年(和銅元年)、政府によって初めて鋳造された銀貨と銅貨が和同開珎(わどうかいちん/わどうかいほう)ということになっている。万年通宝が発行される760年(天平宝字4年)まで、半世紀にわたって鋳造されたとされている。
和同開珎は、「開」の文字が楷書体になっている古和同開珎と、隷書風に変わった新和同開珎の2種類がある。
ところで、パパぱふぅが子どもの頃は「わどうかいほう」と読んでいたのだが、こぱふぅの時代は「わどうかいちん」となった。
中国や、のちの日本の通貨は、銭に刻印された文字の最後が「寶」(宝の旧字)なのだが、「珎」はその略字であるとする説がある。そこで「かいほう」と読ませていた
ところが、「寶」の略字ではなく、「珍」の別字であるとする説もある。これに基づくと「かいちん」ということになる。
この論争は、江戸時代から「珍宝論争」として続いている。
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貨幣博物館-富本銭
1997円から99年にかけて実施された飛鳥池遺跡(奈良県明日香村)の発掘調査により、富本銭をはじめ、鋳型、坩堝、砥石など富本銭の鋳造に用いたと見られる道具類が数多く出土した。
鋳型をはずしたばかりの富本銭は、ランナーにぶら下がったプラモデルの部品のようである。これが木のように見えることから「金のなる木」とも呼ばれている。
日本書紀には、683年(天武天皇12年)に「今より以降、必ず銅銭を用いよ」という詔が記されている。ということは、和同開珎より前に銅銭が使用されていたことになる。この貨幣をめぐり、古和同開珎の銅銭とする説と、中国からの渡来銭とする説があったが、飛鳥遺跡の発掘から、富本銭である可能性が高くなった。
貨幣博物館-天正長大判
天正大判は、豊臣秀吉が彫金師の後藤家に命じて、1588年(天正16年)から作らせた大判である。金が44匁(約165グラム)も含まれている史上最大級の金貨である。
後述するカンガルー金貨の重さが1オンス(約31g)であることを考えると、秀吉の黄金好きが偲ばれる。徳川家康が大阪城を落とした際、この大判5万枚余りを手に入れたという。
なお、史上最大の金貨は「ウィーン金貨ハーモニー1000オンス」の約31kgだが、15個しか生産されておらず、通貨としての意味はない。
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貨幣博物館-慶長小判
慶長小判は、徳川家康が1601年(慶長6)に鋳造した金貨である。貨幣の単位としては、甲州金で用いられていた両・分・朱が採用された。「1両=4分=16朱=64糸目」である。これは江戸時代を通じ、通貨の単位となった。
その後1695年(元禄8年)に最初の改鋳が行われ、以後、1860年(万延元年)に至るまで8回にわたって改鋳が行われた。
徳川幕府は、いったん甲州金の発行を禁止するが、1608年(慶長13年)に松木氏に対し、甲州金の製造を認めた。
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貨幣博物館-大黒札
大黒札は、1885年(明治18年)に発行された、最初の日本銀行券(十円券)である。図柄に福の神の大黒天が用いられていることから、「大黒札」と呼ばれる。大黒さまといえば、昨年訪れた出雲大社の主神である大国主命のことだ。
大黒札は、コンニャクの粉を混ぜ込んで紙を強くしたり、偽造を防ぐために淡青色刷りにするという工夫が施されている。しかし、虫やネズミにかじられたり、温泉地でインキが変色するなどの欠陥が明らかになり、5年ほどで改刷されることになった。
貨幣博物館-石の貨幣
ヤップ島では、巨大な石の貨幣が使われている。ただし、各々の石貨には厳密な価値が付けられているわけではないので、経済学的には「貨幣」と見なさない。
石貨の所有者と、それを譲られる者の話し合いによって価値が決まる。
ヤップ島は、行政上はミクロネシア連邦のヤップ州の一部で、ミクロネシア連邦の西端に位置する。東西1,200㎞にわたる海域に22の有人島を含む138の小さな島々が点在している。
中でも最大のヤップ島はグアムの南西724㎞に位置し、州都のコロニアがある。

道路や公園などの公的な場所にゴミをポイ捨てすることは州法違反で、現行犯で見つかると罰金を徴収される。
また、飲酒は21歳以上からで、路上や空港など公共の場所での禁じられている。教会や学校から50m以内の場所でのアルコール類の販売も禁じられている。
貨幣博物館-カンガルー金貨
カンガルー金貨(Kangaroo Nugget)は、オーストラリアが発行する金貨だ。1オンス(31.1035g)で、額面は100オーストラリアドル。
毎年デザインが変わることで有名。

交通アクセス

【鉄道】
  • 地下鉄銀座線・三越前駅(出口A5)から徒歩3分
  • 地下鉄半蔵門線・三越前駅(出口B1)から徒歩1分
  • JR東京駅・日本橋口から徒歩10分
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近隣の情報

(この項おわり)
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