中秋の名月 2023

2023年9月29日〜30日 撮影
中秋の名月 2023
撮影:Canon PowerShot G5 X Mark II, 44mm F3.2 1/127s ISO250
以前、「中秋の名月は満月とは限らない」と書いたが、今年(2023年)の中秋の名月は、9月29日18時58分がちょうど月齢15.0=満月となった。

旧暦の7月から9月までが秋であるが、その真ん中の8月15日を「中秋」と呼ぶ。新月から満月までは約13.8~15.8日と幅があるため、旧暦の満月の日は13日~17日の間で揺らぐ。このため、名月の日が満月とは限らない
中秋の名月 2023の大きな写真大きな写真
(800×800 ピクセル, 138 Kbyte)
中秋の名月 2023
撮影:Canon EOS R10, 150mm + 2.2×テレコンバータ F8.0 1/125s ISO100
学校の理科では、月は地球に対して常に同じ面を向けていると習うが、厳密には、天秤が揺れるように動いており、これを秤動 (ひょうどう) と呼ぶ。このため、時間間隔を空けて撮影した月の写真は、レタッチソフトで回転しただけでは完全に一致しない。

公転軌道が楕円の場合に起きる経度秤動、公転軌道が傾いているときに起きる緯度秤動、視差によって起きる日周秤動と呼ぶ。
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(1000×1000 ピクセル, 161 Kbyte)
また月が完全に球形でなく内部密度が均一でないことで起きる強制秤動、隕石の衝突などで起きる自由秤動が合わさって、月は揺れ動いて見える。

月にはと呼ばれる暗い(アルベドが低い)部分があり、日本では古来、ウサギが餅をついていると言われてきた。といっても水があるわけではなく、隕石などが衝突して内部から噴出した玄武岩質の溶岩が冷えて固まった場所である。多くの海は、いまから35~40億年前にできたと考えられている。
反対に、白っぽく無数のクレーターで覆われた場所は陸地高地と呼ばれ、隕石などの衝突によって吹き飛ばされた岩石レゴリスが幾重にも積み重なっている。成立したのは海より古く、40億年前と考えられている。
ティコ・クレーターやコペルニクス・クレーターから伸びる白い放射状のものは光条 (こうじょう) と呼ばれ、隕石が衝突してクレーターができたとき、飛び散った岩石が散らばってできたものと考えられている。
中秋の名月 2023
2023年(令和5年)の満月
PHPでスーパームーンを計算する」では、満月の時の月の大きさ(視半径)を計算するプログラムを紹介した。今年の中秋の名月は、スーパームーンの翌月で、最も小さいときと比べて月の大きさは13.4%増し、明るさは28.7%増しとなっている。

参考サイト

(この項おわり)
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