EOS 6D から10年――各社の競争もあり、画像処理エンジンが長足の進歩を遂げた。画素数で競争する時代は去り、だいたいの機種が2000~3000万画素の間に収まっており、フルサイズにこだわる必要がなくなった。また、電子ビューファインダーの色合いも光学ファインダーと大差なくなってきた。
持ち運びのことを考え、APS-Cサイズのミラーレスでに候補を絞ってみた。
持ち運びのことを考え、APS-Cサイズのミラーレスでに候補を絞ってみた。
作例1
同じ場所で、レンズの標準側から望遠側までズームしてみた。
作例3
HDR逆光補正モードで撮影したもの。祠にある石塔が潰れずに写っている。
ミラーレスなので、複数撮影するときのミラーアップ音がない。
ミラーレスなので、複数撮影するときのミラーアップ音がない。
作例4
広角側(18mm)で被写体に寄って撮影したところ。
連続撮影とSDカード
当初、EOS R50 を購入する予定だったが、ボディと交換レンズ RF-S18-150 IS STM の合計価格がR10レンズキットとほぼ同じ値段になってしまうことから、クラスチェンジ――。
EOS R50 との違いは、主に連続撮影の性能である。静止画ではR50の毎秒15コマ(電子シャッター)に対してR10は23コマと差は僅少。
EOS R50 との違いは、主に連続撮影の性能である。静止画ではR50の毎秒15コマ(電子シャッター)に対してR10は23コマと差は僅少。
動画はR50では 4K UHD(29.97p)に対してR10は 4K UHD Crop(59.94p)を撮影できる。これにともない、R10は、UHS-IIのSD/SDHC/SDXCメモリカードに対応している。
SDカードは、6Dと同じく、右グリップの底面にバッテリーとともにセットする。
SDカードは、6Dと同じく、右グリップの底面にバッテリーとともにセットする。
ところが、iMac のSDカードスロットがUHS-Iに対応しておらず、将来高速なカードを購入することも視野に入れ、UHS-II対応のSDカードリーダーとしてサンワサプライ製 ADR-3SD4BK を購入した。
被写体追尾
デュアルピクセルCMOS AF II が連続撮影や4K撮影時にも被写体を追尾(トラッキング)可能にする。最大651分割の緻密なAFエリアで被写体を捉え続け、ファインダーやモニタにエリアを表示する。
また、モニタをタッチすることで、追尾する被写体を簡単に変更できる。ファインダーを覗いた途端、モニタは消灯し、ファインダーから眼を離すと再び点灯する。
また、モニタをタッチすることで、追尾する被写体を簡単に変更できる。ファインダーを覗いた途端、モニタは消灯し、ファインダーから眼を離すと再び点灯する。
ピントを合わせにくい人物や動物の瞳に、すばやくオートフォーカスして、ピントを合わせ続ける瞳検出が可能。被写体は人物だけでなく、動物や乗り物を優先することができる。
多彩な撮影モード
撮影モードは、右側のダイアルで設定する。
シーンインテリジェントオートは、シャッターを押すだけでキレイに撮れる全自動モードだ。カメラが色や明るさ、状況などを的確に判断し、人物なら人の顔をより自然な肌色に、風景なら青空や緑をより鮮やかにする。バカチョンとは思えないプロフェッショナルな仕上がりである。
シーンインテリジェントオートは、シャッターを押すだけでキレイに撮れる全自動モードだ。カメラが色や明るさ、状況などを的確に判断し、人物なら人の顔をより自然な肌色に、風景なら青空や緑をより鮮やかにする。バカチョンとは思えないプロフェッショナルな仕上がりである。
スペシャルシーンは、計15種類のシーンや被写体を、より適切な設定でオート撮影できるモードだ。まずダイヤルをスペシャルシーンに合わせ、モニタに簡単なガイドを表示するので、シーンやモードをタッチで選ぶ。
シャッターボタンを全押ししたままカメラを一定方向(右/左/上/下)に動かすことで、高画質なパノラマ画像を作成できるパノラマモードをはじめ、全員にピントが合う集合写真、流し撮りなどのシーンが用意されている。
この他、フレキシブルAE、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、バルブ撮影、カスタム撮影モード(C1/C2)が用意されている。
さらに、計10種類(静止画撮影時)のクリエイティブフィルターが用意されている。
機能が豊富な分、ダウンロードできるPDFマニュアルは900ページに及ぶ。すべてのモードを使うことはできないかもしれない💦
シャッターボタンを全押ししたままカメラを一定方向(右/左/上/下)に動かすことで、高画質なパノラマ画像を作成できるパノラマモードをはじめ、全員にピントが合う集合写真、流し撮りなどのシーンが用意されている。
この他、フレキシブルAE、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、バルブ撮影、カスタム撮影モード(C1/C2)が用意されている。
さらに、計10種類(静止画撮影時)のクリエイティブフィルターが用意されている。
機能が豊富な分、ダウンロードできるPDFマニュアルは900ページに及ぶ。すべてのモードを使うことはできないかもしれない💦
撮像素子
冒頭に書いたように、撮像素子は APS-CサイズのCMOSセンサーである。
APS-Cサイズといっても規格化された大きさがあるわけではなく、R10のセンサーのサイズは約22.3×14.9mmと、他社の APS-Cより若干小さい。
面積比で、35ミリ・フルサイズの38.5%という大きさであるが、マイクロフォーサーズに比べて147%大きい。
APS-Cサイズといっても規格化された大きさがあるわけではなく、R10のセンサーのサイズは約22.3×14.9mmと、他社の APS-Cより若干小さい。
面積比で、35ミリ・フルサイズの38.5%という大きさであるが、マイクロフォーサーズに比べて147%大きい。
サイズ | 幅(mm) | 縦(mm) |
---|---|---|
35mmフルサイズ | 35.9 | 23.9 |
APS-C | 22.3 | 14.9 |
マイクロフォーサーズ (4/3インチ) |
17.3 | 13.0 |
1インチ | 12.7 | 9.5 |
一般的なスマホ (2/3インチ) |
8.8 | 6.6 |
画像処理プロセッサー「DIGIC X」
キヤノンの画像処理プロセッサーは2022年(令和4年)に開発が始まった「DIGIC」で、6Dでは DIGIC 5+ だったが、R10では最上位機種「EOS-1D X Mark III」も搭載している最新の DIGIC Xを内蔵する。
暗いシーンでもブレやノイズの少なくし、長秒時露光撮影と高感度撮影をサポートするとともに、常用最高ISO感度32,000とした。
HDR撮影や、レンズ収差を改善するデジタルレンズオプティマイザ、撮影後に解像感を補正するフォーカスブラケット撮影、カメラ内で合成処理を実現するカメラ内深度合成などの画像処理を行っている。
ただし、Nikonのミラーレス上位機種が搭載する画像処理プロセッサ「EXPEED 7」に比べると、動画処理速度が半分程度と振るわない(Nikonのプロセッサの性能は他社に比べて異様に高い)。
暗いシーンでもブレやノイズの少なくし、長秒時露光撮影と高感度撮影をサポートするとともに、常用最高ISO感度32,000とした。
HDR撮影や、レンズ収差を改善するデジタルレンズオプティマイザ、撮影後に解像感を補正するフォーカスブラケット撮影、カメラ内で合成処理を実現するカメラ内深度合成などの画像処理を行っている。
ただし、Nikonのミラーレス上位機種が搭載する画像処理プロセッサ「EXPEED 7」に比べると、動画処理速度が半分程度と振るわない(Nikonのプロセッサの性能は他社に比べて異様に高い)。
交換レンズ
交換レンズは、レンズキットの「RF-S18-150 IS STM」を使う。APS-C専用のRFマウント対応レンズで、35ミリ判換算で29~240mmになる。ファインダー表示は35ミリ判換算の焦点距離を表示してくれると分かりやすかったのだが‥‥。
フィルター径55ミリで、かつて使っていた銀塩用の特殊フィルターがそのまま使える。ありがたい。
最短撮影距離は、AF時で広角側が0.17メートル。
最短撮影距離は、AF時で広角側が0.17メートル。
広角~中望遠の8倍ズームとなるが、作例でお分かりのように、周辺減光もなくシャープな仕上がりになっている。DIGIC X の処理もあるのかもしれないが、大口径レンズを必要としないAPS-Cのメリットと言えよう。
EOS R10 のボディ重量は429グラムで、ようやく、最初に買った銀塩一眼レフカメラ「PENTAX MX」の495グラムを下回った。本レンズ込みで約739グラムと、EOS 6D のボディ重量を下回る。
EOS R10 のボディ重量は429グラムで、ようやく、最初に買った銀塩一眼レフカメラ「PENTAX MX」の495グラムを下回った。本レンズ込みで約739グラムと、EOS 6D のボディ重量を下回る。
ストロボと位置情報、スマホ連動アプリ「Camera Connect」
ガイドナンバー約6のストロボを内蔵する。自動ポップアップ機構はなく、手でつまんで取り出す。
6Dがペンタプリズム部分に内蔵していたGPSチップは搭載されておらず、代わりにスマホ連動アプリ「Camera Connect」を使い、スマホとのBluetooth通信で位置情報を画像ファイルに書き込む。
6Dがペンタプリズム部分に内蔵していたGPSチップは搭載されておらず、代わりにスマホ連動アプリ「Camera Connect」を使い、スマホとのBluetooth通信で位置情報を画像ファイルに書き込む。
画像ファイルに撮影場所が書き込んでおくと、あとで写真を整理するときに楽だ。
この他、スマホからシャッターを切ったり、画像データをカメラからスマホへ転送する機能を備えている。また、ファームウェアのバージョンアップは、スマホでダウンロードして、カメラへ送信する形になる。
スマホとの接続や位置情報の授受はBluetoothを利用し、画像データやファームウェアの送受信はWi-Fiを使う。ただ、JPEGの静止画でも1枚あたり4~10Mバイトと大きく、Wi-Fi転送では時間がかかる。
撮影したその場でネットに投稿するようなときは、カメラ本体で画像をリサイズして小さくしてからスマホに転送するといいだろう。
この他、スマホからシャッターを切ったり、画像データをカメラからスマホへ転送する機能を備えている。また、ファームウェアのバージョンアップは、スマホでダウンロードして、カメラへ送信する形になる。
スマホとの接続や位置情報の授受はBluetoothを利用し、画像データやファームウェアの送受信はWi-Fiを使う。ただ、JPEGの静止画でも1枚あたり4~10Mバイトと大きく、Wi-Fi転送では時間がかかる。
撮影したその場でネットに投稿するようなときは、カメラ本体で画像をリサイズして小さくしてからスマホに転送するといいだろう。
Digital Photo ProfessionalとAdobe DNG Converter
ダウンロードして使うRAW現像アプリ「Digital Photo Professional」だが、相変わらず使い方が分からない💦
そして、RAW画像形式(14ビット階調)のCR3は、Photoshop Elements 12に対応していない。
仕方が無いので、Adobe DNG Converter を使って、いったんDNG形式に変換してから Photoshop Elementsに取り込んで現像やトリミングをするようにしている。C-RAW(圧縮RAW)も同様である。
そして、RAW画像形式(14ビット階調)のCR3は、Photoshop Elements 12に対応していない。
仕方が無いので、Adobe DNG Converter を使って、いったんDNG形式に変換してから Photoshop Elementsに取り込んで現像やトリミングをするようにしている。C-RAW(圧縮RAW)も同様である。
主なスペック
項目 | 仕様 | コメント |
---|---|---|
撮像素子 | 約22.3×14.9mm CMOS 有効画素数 約2420万 |
他社のAPS-Cより若干小さい |
レンズマウント | キヤノンRFマウント | マウントアダプターによりEFレンズ利用可能 |
シャッター速度 | 1/4000~30秒,バルブ | |
モニター | 3.0型,約104万ドット | チルト式,タッチパネル |
電子ビューファインダー | 0.39型,OLEDカラー,約236万ドット,約0.95倍,視野率約100% | 視度調整あり |
測光センサー | 撮像素子の出力信号による384分割(24×16)測光 | |
測光モード | 評価測光、部分測光(画面中央の約5.8%)、スポット測光(画面中央の約2.9%)、中央部重点平均測光 | |
撮影モード | シーンインテリジェントオート、スペシャルシーン(自分撮り、ポートレート、美肌、集合写真、風景、パノラマショット、スポーツ、キッズ、流し撮り、クローズアップ、料理、夜景ポートレート、手持ち夜景、HDR逆光補正、サイレントシャッター)、クリエイティブフィルター(ラフモノクロ、ソフトフォーカス、魚眼風、水彩風、トイカメラ風、ジオラマ風、HDR絵画調標準、HDRグラフィック調、HDR油彩調、HDRビンテージ調) フレキシブルAE、プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、バルブ撮影、カスタム撮影モード(C1/C2) [動画撮影]シーンインテリジェントオート動画、クリエイティブフィルター動画(ファンタジー、オールドムービー、メモリー、ダイナミックモノクローム、ジオラマ風動画)、動画自動露出、動画マニュアル露出、HDR動画 |
|
常用ISO感度 | ISO100~32000 | |
露出補正 | 1/3、1/2段ステップ±3段 | |
多重露出撮影 | 2~9枚 加算、加算平均、比較(明)、比較(暗) |
|
ボディー内手ブレ補正 | なし | |
連続撮影速度 | 最高約23コマ/秒(電子シャッター) | |
内蔵ストロボ | ガイドナンバー 約6 | |
静止画記録 | 最大解像度 6,000×4,000ピクセル 記録方式 JPEG, HEIF, DPRAW,RAWバースト,C-RAW |
JPEGとRAWの同時保存可能 |
動画記録 | 最大 4K UHD(29.97/25.00/23.98fps)/IPB(標準):約120Mbps 記録方式 MP4 音声 AAC(ステレオマイク内蔵) |
|
記録メディア | SD/SDHC/SDXCカード UHS-II、UHS-I対応 |
|
インターフェース | USB Type-C,HDMI端子,外部マイク入力端子(プラグインパワー対応),リモコン端子 | |
Wi-Fi | IEEE802.11 b/g/n | データ転送だけでなく,PCやスマホによる遠隔操作,位置情報取得などができる |
Bluetooth | Version 4.2準拠 | |
本体サイズ | (W)122.5×(H)87.8×(D)83.4mm | |
本体重量 | 約429グラム(バッテリ、メモリを含む) |
参考サイト
- EOS R10:キヤノン
- デジタル一眼レフカメラ「EOS 6D」:ぱふぅ家のホームページ
- 交換レンズ「28-300mm F3.5-6.36 Di VC PZD」:ぱふぅ家のホームページ
- デジタルカメラ「LUMIX DMC-FZ7」:ぱふぅ家のホームページ
- デジタルカメラ「PowerShot A530」:ぱふぅ家のホームページ
- デジタルカメラ「DS-7」:ぱふぅ家のホームページ
- 銀塩一眼レフカメラ「PENTAX MX」:ぱふぅ家のホームページ
- UHS-I?スピードクラス?複雑怪奇なSDカードのロゴと規格をまとめてみる:PC Watch
(この項おわり)
EOS 6D の後継として使用するのだが、ボディと交換レンズ「RF-S18-150 IS STM」(35mm判換算で29~240mm)の合計重量が約739グラム。これ1本で旅行撮影も万全、機動力もアップ。ただし、ただし、バッテリーも小さくなっており、撮影可能枚数は、EOS 6D の約1,000枚に対して約210枚と激減している。予備バッテリーは必携だ。