
大藤
あしかがフラワーパーク(栃木県足利市迫間町607)は、1997年(平成9年)にオープンした植物園で、この日は樹齢160年の大藤が見頃で、大藤まつり2025が催されていた。
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正面ゲート
正面ゲートには、紫色と白色の藤の鉢植えが並ぶ。

ふじサンデー
こちらは果物がたっぷり入ったふじサンデー」。

紫色の藤

紫色の藤
花序は長くしだれて、20cmから80cmに達する。
この明るい青紫色は、平安時代から藤色と呼ばれてきた。藤原氏の「藤」に通じることからも、高貴な色とされる。
この明るい青紫色は、平安時代から藤色と呼ばれてきた。藤原氏の「藤」に通じることからも、高貴な色とされる。

白色の藤
蔓は繊維が丈夫で、これを編んで椅子や籠が作られた。
観賞用としても古くから有名で、万葉集に登場するほか、枕草子では「めでたきもの」として「色あひ深く長く咲きたる藤の花、松にかかりたる」と記されている。
観賞用としても古くから有名で、万葉集に登場するほか、枕草子では「めでたきもの」として「色あひ深く長く咲きたる藤の花、松にかかりたる」と記されている。

藤とツツジ
藤とツツジの共演。
藤の花の色は、紫(藤色)から淡紅色、または白色で、アントシアニンという色素の量と、細胞のpHによって決まる。同じアントシアニンでも、酸性だと赤っぽく、アルカリ性だと青っぽくなる。

藤の花の色は、紫(藤色)から淡紅色、または白色で、アントシアニンという色素の量と、細胞のpHによって決まる。同じアントシアニンでも、酸性だと赤っぽく、アルカリ性だと青っぽくなる。


うす紅の棚
白い藤はアントシアニンをほとんど作らないか、全く作らない遺伝子を持っているため、色がつかない。
藤を含むマメ科の植物は、根に根粒細菌を共生させており、空中の窒素を固定することで自力で肥料を作り出せる。
藤を含むマメ科の植物は、根に根粒細菌を共生させており、空中の窒素を固定することで自力で肥料を作り出せる。

大藤
1920年代、栃木県足利市堀込町(現朝倉町)の大地主であった早川社長の父が、庭の片隅に大藤を植樹した。その大藤を界隈の人たちに楽しんでもらおうと、1968年(昭和43年)に庭を改修し、早川農園を設立した。

大藤
1991年(平成3年)に樹齢130年となった大藤は、幹回り3.6メートル、棚面積600m2にまで成長したが、都市化の波が押し寄せ、町の再開発のために移動せざる得なくなった。
しかし、幹が脆く柔らかい藤の場合、直径1メートル以上の移植成功の前例がなく、何度も移植方法を模索し、1994年(平成6年)にようやく移植の準備が整った。
しかし、幹が脆く柔らかい藤の場合、直径1メートル以上の移植成功の前例がなく、何度も移植方法を模索し、1994年(平成6年)にようやく移植の準備が整った。

大藤

大藤
大藤はA、Bの2つの巨木が並んで広大な藤棚を形成している。

八重黒龍
八重黒龍は、牡丹藤とも呼ばれ、八重の花を咲かせる。花は、コロコロとしたブドウのような塊の玉咲きとなり、花房の長さは20~30cm程度になる。

八重黒龍

ペチュニアのピラミッド
池には、紫色と白色のペチュニアのピラミッドが浮かぶ。

ペチュニアのピラミッド

アイスランドポピー

アイスランドポピー
ヒナゲシなどケシの仲間のなかでは花もちがよい。

シャクナゲ

あしかがフラワーパーク
大藤は、映画『アバター』に登場する「魂の木」に似ていることから、2014年(平成26年)1月、CNNにより「フィンランドのオーロラ」や「マダガスカルのバオバブの道 」などと共に「2014年の世界の夢の旅行先10カ所」に日本で唯一選出された。

あしかがフラワーパーク
これを契機に、外国人観光客が急増し、この日も多くの外国人観光客が訪れていた。

あしかがフラワーパーク駅
最寄駅はJR両毛線「あしかがフラワーパーク駅」で、2018年(平成30年)4月1日に開業した。改札へ向かう階段に藤が描かれている。

あしかがフラワーパーク駅
駅名標にも藤が描かれている。
単式ホーム1面1線、ホーム長130メートル。線路の南側に駅舎がある。
単式ホーム1面1線、ホーム長130メートル。線路の南側に駅舎がある。

あしかが大藤号

あしかが大藤号
この日は帰りに、足利駅から臨時特急「あしかが大藤号」に乗車し、小山駅で宇都宮線に入り、大宮駅に停車した後、与野駅の先で武蔵野線に連絡する地下トンネルに入り、北朝霞駅、新秋津に停車し、再び地下トンネルに入って中央線に連絡し、立川まで乗車した。

あしかが大藤号
立川駅に到着。
交通アクセス
【鉄道】

- JR両毛線「あしかがフラワーパーク駅」下車、徒歩約5分
- 東北自動車道「佐野藤岡IC」より、国道50号前橋・足利方面へ約20分
- 北関東自動車道「出流原スマートIC」より、県道175号足利方面へ約15分
- 北関東自動車道「佐野田沼IC」より県道16号経由、県道67号足利方面へ約17分

参考サイト
- あしかがフラワーパーク
- あしかがフラワーパーク【公式】@ashikaga_flower:Twitter(現・X)
- あしかがフラワーパーク:Instagram
- 2014年の世界の夢の旅行先10カ所:CNN
- あしかがフラワーパーク駅:JR東日本
近隣の情報
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(この項おわり)