西暦248年 - 卑弥呼が死去

倭国が乱れる
卑弥呼
卑弥呼(安田靫彦,1968年)
中国の史書『魏志倭人伝 (ぎじわじんでん) 』によると、倭国の邪馬台国 (やまたいこく) は元々男王が治めていたが、2世紀後半から長期間にわたる騒乱が起きた。邪馬台国では卑弥呼 (ひみこ) という女王を立て、弟と共同統治することによって混乱が収まった。卑弥呼は鬼道によって民を導いていた。
また、卑弥呼は、『三国志』の英雄・曹操が建てた () に使節を派遣し、親魏倭王の封号を得た。卑弥呼は三国の関係を巧みに利用し、魏からの支援を引き出し、日本国内の戦乱を収めようとする。
248年頃、狗奴国 (くなこく) との戦いの最中に卑弥呼が死去し、男王が後継に立てられたが混乱を抑えることができず、壹與 (いよ) (壱与)または臺與(台与)が女王になることで収まったという。また、東日本でも前方後方墳が減少し、前方後円墳が造られるようになっていく。

邪馬台国と後のヤマト王権の関係ははっきりしておらず、邪馬台国の位置についても諸説ある。たとえば、日本最初の巨大前方後円墳である箸墓古墳 (はしはかこふん) が卑弥呼の墓で、その北側にあった巨大集落・纒向遺跡 (まきむくいせき) が邪馬台国だったという説がある。

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参考書籍

表紙 現代語訳 魏志倭人伝
著者 松尾 光
出版社 KADOKAWA
サイズ 文庫
発売日 2014年06月11日頃
価格 880円(税込)
ISBN 9784046004031
三世紀の倭国の情勢と邪馬台国の女王卑弥呼の存在を記録した「魏志倭人伝」の原文に、書き下し文・現代語訳・註を完備した永久保存版。さらに、その他の「中国正史」である『漢書』『後漢書』『宋書』『隋書』『旧唐書』『新唐書』から倭国・日本の国情を描いた記述をすべて抜き出し、同じ構成で解説した。参考資料として、「高句麗広開土王碑文」「祢軍墓誌」「井真成墓誌」を併載し、古代日本を知るための中国関係資料を集成した待望の書。
 
表紙 倭人伝を読みなおす
著者 森浩一
出版社 筑摩書房
サイズ 新書
発売日 2010年08月
価格 836円(税込)
ISBN 9784480065582
古代史の一級資料「倭人伝」。邪馬台国や卑弥呼への興味から言及されることの多い文章だが、それだけの関心で読むのは、あまりにもったいない。正確な読みと想像力で見えてくるのは、対馬、奴国、狗奴国、投馬国…などの活気ある国々。開けた都市、文字の使用、機敏な外交。さらには、魏や帯方郡などの思惑と情勢。在りし日の倭の姿を生き生きとよみがえらせて、読者を古代のロマンと学問の楽しみに誘う。
 
(この項おわり)
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