『新聞がなくなる日』――毎日新聞社元社員が語る新聞の未来像

歌川令三=著
表紙 新聞がなくなる日
著者 歌川令三
出版社 草思社
サイズ 単行本
発売日 2005年09月
価格 1,540円(税込)
ISBN 9784794214393
あの時代のニュースとは、新聞に載った情報のことであり、新聞のプロが選択しなかった情報はニューススではなかったのだ。新聞のもっていたニュースの独占販売権は、インターネットの登場でとどめを刺されたとは思わないか?(193ページ)

概要

新聞を読む人のイラスト(おじいさん)
ネット時代に入り、紙の新聞の経営が窮地に立たされている。毎日新聞社の元社員が語る新聞の未来像。いささかショッキングなタイトルではあるが、数字を元にした展開は説得力がある。
18歳から35歳の世代を対象とした調査によると、1996年の新聞の月極購読率は80.9%。2004年には70.1%に落ちたという。とくに、単身者の購読率が急激に落ちており、2004年時点でたった36.5%。このまま低下を続けると、戸別配達が成り立たなくなるというのが主張の第一点だ。
戸別配達が無くなると、果たして新聞を読むだろうか?
我が家では朝夕刊セットで月極購読しているが、私自身はほとんど新聞を読まない。ネットのニュースサイトと電車の中吊り広告で十分だと感じているからだ。
ほんの数年前まで、毎日欠かさず新聞のスクラップをしていたものだ。しかし、仕事で必要な情報量は増える一方で、もはや、新聞を2、3紙購読しただけでは不十分となった。そのうえ、スクラップブックでは検索性、保存性、携行性が悪い。
今でも、紙の一覧性はディスクプレイより優れている。しかし、いまの新聞は文字サイズが大きくなり、広告スペースも増えた。必要な記事だけ複数ウィンドウで表示できるディスプレイと比べると、かならずしも新聞の一覧性の方が優れているとは言えなくなってきた。
そこで、3年くらい前から、すべての情報をノートPCにセーブするようになった。ホームページはそのまま保存。紙媒体はスキャナで取り込んで、OCR処理を施してからPDFで保存。これらのスクラップフォルダをデスクトップ検索の対象にした。

私は、紙の新聞がすぐになくなるとは思わない。しかし、読者のニーズに応えた紙面作りを怠っているようでは、その将来は暗いと言えよう。
(2005年11月13日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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