『スティーブ・ジョブズ 偶像復活』――アメリカで物議を呼んだ本

ジェフリ・S.ヤング/ウィリアム・L.サイモン=著
表紙 スティーブ・ジョブズ 偶像復活
著者 ジェフリ・S.ヤング/ウィリアム・L.サイモン
出版社 東洋経済新報社
サイズ 単行本
発売日 2005年11月
価格 2,420円(税込)
ISBN 9784492501474
実際のところ、巨大企業が半年で再生することはありえない。アップル再生の立役者は、実はギル・アメリオなのだ。しかし、マックワールドに集まった人々からも、マスコミからも、アメリオが称賛されることはなかった。すでに忘れ去られた存在だったのだ。彼の業績は地中深く埋められ、無視された。今回もまた、スティーブは他人がもたらした日の光を浴びて輝いた。(104ページ)

概要

スティーブ・ジョブズ
アメリカで物議を醸し出したドキュメント本である。アップルの創立者の1人であり正式にCEOに就任したスティーブ・ジョブズの半生を描いたドキュメンタリーであるが、ジョブズの人となりを正確に描き出したがために、アップル信者からの猛反発を受けたらしい。
スティーブ・ジョブズは、私より10歳年長のヒッピーで、私がパソコンをはじめた頃、すでにアップルIIで大成功をおさめた英雄であり、秋葉原に Macintoshが上陸したときには神にも等しい存在であった。その後、アップルを追われ不遇な十数年を送るが、ピクサー社をして映画界で成功を収め、ついにアップルに返り咲き、iMac、iPodというヒット商品を世に送り出した。

マイクロソフト製品は単なるテクノロジーなのだが、アップルの製品はカルチャーである。iMacが登場して間もなく、国内家電製品のデザインがiMacっぽくなった。iPodは、性能は大したことはないのに、ウォークマンを駆逐してしまった。ジョブズは、コンピュータ、映画、音楽の3つの文化を変えてしまった。
我が家にも Macintoshが多いので、否が応でもジョブズの動勢が耳に入ってくる。それだけ目立つ存在である。

一方で、養子であったジョブズは、最初にもうけた娘リサの養育を放棄した。にもかかわらず、Macintoshの前身であるマシンに「Lisa」の名を冠するという、矛盾した行動に出る。天才の行動は理解できない。彼に比べると、マイクロソフトのビル・ゲイツの考え方は理解しやすい。

文化を変えていく英雄である反面、人間的には矛盾に満ちているスティーブ・ジョブズ――その半生をありのままに記述したがために、本書に対する議論がわき起こったのだろう。
本書では、スティーブ・ジョブズを中心に、マイクロソフト、ディズニー、ルーカス・フィルム、ピクサーといったアメリカの大企業の動きまで知ることができる。
(2006年7月3日 読了)

参考サイト

参考書籍

表紙 スティーブス 第1巻
著者 うめ/松永肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2014年11月28日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091866981
表紙 スティーブス 第2巻
著者 うめ/松永肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2015年06月12日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091871107
表紙 スティーブス 第3巻
著者 うめ(小沢高広・妹尾朝子)/松永肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2015年11月12日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091873965
表紙 スティーブス 第4巻
著者 うめ/松永肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2016年02月12日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091875693
表紙 スティーブス 第5巻
著者 うめ(小沢高広・妹尾朝子)/松永 肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2016年07月29日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091878052
表紙 スティーブス 第6巻
著者 うめ(小沢高広・妹尾朝子)/松永 肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2016年12月28日
価格 671円(税込)
ISBN 9784091894427
(この項おわり)
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