西暦1977年 - Apple II 発売/ボイジャー1号打ち上げ

アップル社の台頭

Apple II 発売

Apple II
Apple II
1977年(昭和52年)4月、世界で初めて個人向けに完成品コンピュータとして大量生産・大量販売されたマイクロコンピュータ「Apple II」が発表される。
大学を中退しアタリの技師をしていたスティーブ・ジョブズ、ヒューレット・パッカードに勤務していたスティーブ・ウォズニアック、大富豪のマイク・マークラの3人が1月に設立したアップルの最初の製品であった。
Apple II
Apple II
Apple II はコンピュータ愛好家に受け入れられた。
本体はキーボードと一体化しており、洗練されたデザインのケースに収まっていた。また、家庭用テレビに接続してカラーグラフィック表示できる点も、当時の他社パソコンと一線を画していた。
Apple II
Apple II
プログラミング用として整数演算ができる 6K BASIC が搭載されていたが、後に、ビル・ゲイツのマイクロソフト製の浮動小数演算のできる 10K BASIC(Applesoft BASIC)がリリースされた。
本体後方に8個のスロットが設けられており、そこに拡張カードを増設することができた。1978年(昭和53年)7月には専用のフロッピーディスクドライブ「disk II」が発売され、多くのアプリケーション・ソフトウェアが生まれた。
Apple II の生産は1983年(昭和58年)まで続き、500万台が生産された。
Apple II diskシステム
Apple diskシステム
1976年(昭和51年)、コモドールの社長ジャック・トラミエルは、Apple Iを発売したばかりのアップル売却のオファを受けるが、これを一蹴。逆に、Apple I に搭載しているCPUのメーカーである MOSテクノロジーを買収。マイクロソフトのビル・ゲイツからBASICインタプリタの使用権を、わずか1万ドルで取得し、自社製コンピュータに6502とBASICを搭載し、PET 2001 として、1977年(昭和52年)4月16日、サンフランシスコで開催された世界最大のコンピュータ見本市「ウェスト・コースト・コンピュータ・フェア」(WCCF)に出品した。Apple II も出品された。
Dr. Dobb's Journal
Dr. Dobb's Journal
WCCFを立ち上げたジム・ウォーレンは、「コンピュータ革命は西海岸で起きているのに、なぜコンピュータのショーは東で開催されるのか」と怒ってWCCFを立ち上げたという。また、ビル・ゲイツのBASICに対抗してホビイストたちが開発した Tiny BASIC を広めるために、『Dr. Dobb の Tiny BASIC の美容体操と矯正術』という奇妙な名前の雑誌を刊行した。のちに DDJ として有名になるコンピュータ雑誌である。

第1回WCCFには、半年前に雑誌『アイ・オー』を創刊した西和彦や、アップルと輸入代理店契約を結んだESDラボラトリの水島敏雄も参加していた。
PET 2001
PET 2001
コモドールを率いるジャック・トラミエルは、アウシュビッツ強制収容所から生還したという経歴を持つ起業家だ。史上初のオールインワンパソコンである PET 2001 は、無骨なデザインでグラフィック機能もなかったが、当初、Apple II よりも多く売れていた。1982年(昭和57年)8月に発売したコモドール64は、累計出荷台数1700万台と、単一機種としては最も販売台数の多いパソコンとなった。
TRS-80
TRS-80
WCCFからやや遅れて発売されたタンディ・コーポレーションの TRS-80 は、家電チェーンの強みを活かし、Apple II 3分の1の価格で100倍以上の出荷台数を叩き出した。

こうして、アメリカでは個人向けコンピュータの開発・販売競争が勃発する。
そして、コモドールは1994年(平成6年)に破産、タンディ・コーポレーションは2000年(平成12年)に解散した。アップルだけが生き残った。
Apple 40周年
Apple 40周年
Apple II のケースは、有名な加工業者テンプレスが製造していた。こうしたジョブズの製品へのこだわりは、iMaciPhone にも見て取れる。

参考書籍

表紙 スティーブズ 第1巻
著者 うめ/松永肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2014年11月28日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091866981
 
表紙 スティーブズ 第2巻
著者 うめ/松永肇一
出版社 小学館
サイズ コミック
発売日 2015年06月12日頃
価格 671円(税込)
ISBN 9784091871107
 

ボイジャー1号打ち上げ

ボイジャー1号
ボイジャー1号
ボイジャー1号 打ち上げ
ボイジャー1号 打ち上げ
1977年(昭和52年)9月5日、NASAはケネディ宇宙センターからタイタンIIIE セントールロケットを使い、無人惑星探査機ボイジャー1号の打ち上げに成功する。
木星(ボイジャー1号撮影)
木星(ボイジャー1号撮影)
1979年(昭和54年)3月5日、最初の目的地である木星に34.9万kmまで接近し、木星の衛星や環などの鮮明なカラー写真を撮影した。

木星で重力スイングバイを行い、1980年(昭和55年)11月12日、土星まで12.4万kmまで迫った。土星の環の複雑な構造を明らかにし、タイタンの大気の調査を行った。
土星(ボイジャー1号撮影)
土星(ボイジャー1号撮影)
土星で重力スイングバイを行うと、太陽系を離脱するコースに乗る。
2004年(平成16年)12月、太陽から約140億kmの距離で、太陽風の速度が急減し、星間物質が検知された。2012年(平成24年)8月、NASAはボイジャー1号が太陽圏を脱出した初めての人工物体になったことを発表した。
2017年(平成29年)11月、太陽から約200億kmの距離にあり、37年ぶりに軌道制御エンジンを噴射させ、なおも地球との交信を保っている。地球との電波通信は、片道18時間半もかかる。
天王星(ボイジャー2号撮影)
天王星(ボイジャー2号撮影)
ボイジャー1号よりやや早く、1977年(昭和52年)8月20日に打ち上げられた無人惑星探査機ボイジャー2号は、1979年(昭和54年)7月9日に木星に最接近、1981年(昭和56年)8月25日に土星に再接近した。
ボイジャー2号のミッションはここで終わる予定だったが、軌道修正により天王星へ向かうことが可能であり、1986年(昭和61年)1月24日に天王星に再接近し、大気や衛星ミランダを観測した。
海王星(ボイジャー2号撮影)
海王星(ボイジャー2号撮影)
さらに1989年(平成元年)8月25日には海王星へ接近。環や衛星トリトンの観測を行った。

ボイジャー1号は2号より速いスピードで飛行を続けており、2011年(平成23年)1月、太陽圏辺縁部に到達。2023年(令和5年)5月現在、太陽から約239億kmの距離にあり、なお交信を続けている(電波が到達するのに22時間かかる)。

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参考サイト

(この項おわり)
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