Apple M1
Mac用のマイクロプロセッサからハードウェア、OSに至るまで自社で設計するというアップルの悲願が、ついに叶った形だ。
目次
アップルのSoC
No. | 名称 | アーキテクチャ | コア数 | プロセスルール | トランジスタ数 | 内蔵GPU |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | Apple A4 | ARMv87 | 1 | - | - | 1コア |
2 | Apple A5 | ARMv7 | 1~2 | 45nm | - | 2~4コア |
3 | Apple A6 | ARMv7s | 2 | 45nm | - | 4コア |
4 | Apple A7 | ARMv8 | 2 | 28nm | - | 4コア |
5 | Apple A8 | ARMv8-A | 2 | 20nm | - | 4コア |
6 | Apple A9 | ARMv8-A | 2 | 14~16nm | - | 6コア |
7 | Apple A10 Fusion | ARMv8-A | 4 | 16nm | 約33億 | 6コア |
8 | Apple A11 Bionic | ARMv8-A | 6 | 10nm | 約43億 | 3コア |
9 | Apple A12 Bionic | ARMv8.2-A | 6 | 7nm | 約69億 | 4コア |
10 | Apple A13 Bionic | ARMv8.3-A | 6 | 7nm | 約85億 | 4コア |
11 | Apple A13 Bionic | ARMv8.4-A | 6 | 7nm | 約85億 | 4コア |
12 | Apple A14 Bionic | ARMv8.6-A | 6 | 5nm | 約118億 | 4コア |
13 | Apple M1 | ARMv8.6-A | 8 | 5nm | 約160億 | 8コア |
14 | Apple M1 Pro | ARMv8.6-A | 10 | 5nm | 約337億 | 最大16コア |
15 | Apple M1 Max | ARMv8.6-A | 10 | 5nm | 約570億 | 最大32コア |
16 | Apple M1 Ultra | ARMv8.6-A | 20 | 5nm | 約1140億 | 最大64コア |
17 | Apple M2 | ARMv8.6-A | 10 | 5nm | 約200億 | 最大10コア |
18 | Apple M2 Pro | ARMv8.6-A | 12 | 5nm | 約400億 | 最大12コア |
19 | Apple M2 Max | ARMv8.6-A | 12 | 5nm | 約670億 | 最大32コア |
20 | Apple M2 Ultra | ARMv8.6-A | 24 | 5nm | 約1340億 | 最大76コア |
21 | Apple M3 | ARMv8.6-A | 8 | 3nm | 約250億 | 最大10コア |
22 | Apple M3 Pro | ARMv8.6-A | 12 | 3nm | 約370億 | 最大18コア |
23 | Apple M3 Max | ARMv8.6-A | 16 | 3nm | 約920億 | 最大40コア |
24 | Apple M4 | AArch64 | 10 | 3nm | 280億 | 最大10コア |
25 | Apple M4 Pro | AArch64 | 14 | 3nm | 最大20コア | |
26 | Apple M4 Max | AArch64 | 16 | 3nm | 最大40コア |
Apple M1 は、iPhoneプロセッサの延長線上に誕生したマイクロプロセッサだ。
2010年(平成22年)、アップルはiPhone 4用のマイクロプロセッサとして A4 を開発し、毎年プロセッサの性能を少しずつ向上させながら、iPhone、iPad、iPod、AppleTVに搭載してきた。
Apple M1 は、2018年(平成30年)にiPad Proに搭載された A12X のパッケージ技術と、Macに搭載されたセキュリティチップT2、そして A14 Bionic の集大成と言える。
2010年(平成22年)、アップルはiPhone 4用のマイクロプロセッサとして A4 を開発し、毎年プロセッサの性能を少しずつ向上させながら、iPhone、iPad、iPod、AppleTVに搭載してきた。
Apple M1 は、2018年(平成30年)にiPad Proに搭載された A12X のパッケージ技術と、Macに搭載されたセキュリティチップT2、そして A14 Bionic の集大成と言える。
Apple M1の特長
Apple M1 は、A14 Bionic に高性能コアを2個、GPUを4個増設し、セキュリティチップT2を追加した構造になっている。L1、L2キャッシュのサイズや位置はほぼ同じで、搭載機種にあわせてスケーラブルが可能なSoC設計であることが分かる。
SoCには、LDOやドライバー、デコード回路、DC-DCコンバーター、レギュレーターなどのアナログ回路も搭載されており、インテルCPUにはできないきめ細かい電源管理を可能とし、消費電力も発生熱量を低く抑えることに成功した。
SoCには、LDOやドライバー、デコード回路、DC-DCコンバーター、レギュレーターなどのアナログ回路も搭載されており、インテルCPUにはできないきめ細かい電源管理を可能とし、消費電力も発生熱量を低く抑えることに成功した。
Apple M1 はARMベースのRISCであり、CISCのIntel Coreと性能を単純比較することは難しい。
RISCは命令体系が単純であるがゆえに、同じ処理をさせるのにCISCより長いプログラムコードが必要となり、処理に時間がかかる。一方、CISCは複雑であるがゆえに、同じ処理をさせるのにRISCよりチップサイズや消費電力が大きくなってしまう。
し、消費電力も発生熱量を低く抑えることに成功した。
RISCは命令体系が単純であるがゆえに、同じ処理をさせるのにCISCより長いプログラムコードが必要となり、処理に時間がかかる。一方、CISCは複雑であるがゆえに、同じ処理をさせるのにRISCよりチップサイズや消費電力が大きくなってしまう。
し、消費電力も発生熱量を低く抑えることに成功した。
そこで Apple M1 は、性質の異なるプロセッサを複数用意し、1つにパッケージングすることで、RISCの欠点を補い、長所を伸ばしている。パソコンよりはるかに出荷台数が多いiPhoneを使った市場実験ができたというのも、大きな強みだろう。
プロセッサとメモリを含む周辺チップがパッケージング化されたことにより、基板も大幅に縮小した。iMacで比較すると、左が旧モデル、右がM1搭載モデルだ。
プロセッサからハードウェア、ソフトウェアすべて自社で設計できるようになったアップルの大きな強みとなろう。
プロセッサからハードウェア、ソフトウェアすべて自社で設計できるようになったアップルの大きな強みとなろう。
ただし、プロセッサの違いによってソフトウェアの互換性は失われる。
Rosetta 2を使えば、Apple M1 を搭載したMacでもIntelプロセッサ用に開発されたアプリを使えるようになるとは言え、あくまでmacOS上の話で、Bootcamp を使ってWindowsマシンとして使っているMacに当てはまるわけではない。
アップルは、これまでも、68系(モトローラ)→PowerPC系(IBM)→Core系(Intel)と搭載マイクロプロセッサをCISCからRISCへ、またRISCからCISCへと置き換えてきた歴史がある。そのたびにアプリケーションの互換性が問題になった。今回も、Apple M1 搭載Macがスタンダードモデルにまで、少し時間はかかるだろう。
Rosetta 2を使えば、Apple M1 を搭載したMacでもIntelプロセッサ用に開発されたアプリを使えるようになるとは言え、あくまでmacOS上の話で、Bootcamp を使ってWindowsマシンとして使っているMacに当てはまるわけではない。
アップルは、これまでも、68系(モトローラ)→PowerPC系(IBM)→Core系(Intel)と搭載マイクロプロセッサをCISCからRISCへ、またRISCからCISCへと置き換えてきた歴史がある。そのたびにアプリケーションの互換性が問題になった。今回も、Apple M1 搭載Macがスタンダードモデルにまで、少し時間はかかるだろう。
M1 Pro、M1 Max ともに、M1より高性能コア(CPU)を増やし、約70%高速化した。
両者の違いはGPUとメモリ量で、M1 Pro のGPUは最大16コア、メモリは最大32GB。M1 Max は最大32コア、メモリは最大64GB。メモリは、M1と同じく同じチップ上に配置したユニファイドメモリであるが、帯域を拡張しており、M1 Pro は200GB/s、M1 Max は400GB/sとなっている。GPU処理能力は、M1対比で M1 Pro は2倍、M1 Max は4倍となっている。
両者の違いはGPUとメモリ量で、M1 Pro のGPUは最大16コア、メモリは最大32GB。M1 Max は最大32コア、メモリは最大64GB。メモリは、M1と同じく同じチップ上に配置したユニファイドメモリであるが、帯域を拡張しており、M1 Pro は200GB/s、M1 Max は400GB/sとなっている。GPU処理能力は、M1対比で M1 Pro は2倍、M1 Max は4倍となっている。
また、外部GPUを搭載したWindowsノートPCと比べて40%少ない電力で同等のパフォーマンスを発揮するという。
動画を扱うメディアエンジンも強化しており、動画フォーマット「ProRes」「ProRes RAW」のハードウェアアクセラレーターを内蔵し、4KのProRes映像であれば30本、8K映像でも7本の同時再生が可能という。さらにThunderbolt 4にも対応している。
動画を扱うメディアエンジンも強化しており、動画フォーマット「ProRes」「ProRes RAW」のハードウェアアクセラレーターを内蔵し、4KのProRes映像であれば30本、8K映像でも7本の同時再生が可能という。さらにThunderbolt 4にも対応している。
Apple M1 Ultra
アップルは2022年(令和4年)3月9日、M1を大幅にパワーアップした M1 Ultra を搭載した新型デスクトップ Mac Studio を発表した。
M1 Max を2基連結したデュアルプロセッサ構成だが、最大毎秒2.5TBのスループットを叩き出すアップル独自の UltraFusion アーキテクチャにより2基のダイを直接連結することで、消費電力を抑制し、処理速度の低下も防いでいる。そのおかげで、M1 Max の単純に2倍というスペックを実現した。
M1 Max を2基連結したデュアルプロセッサ構成だが、最大毎秒2.5TBのスループットを叩き出すアップル独自の UltraFusion アーキテクチャにより2基のダイを直接連結することで、消費電力を抑制し、処理速度の低下も防いでいる。そのおかげで、M1 Max の単純に2倍というスペックを実現した。
M1 Max を搭載した Mac Studio が、Intel Xeon W-3275M プロセッサ(28コア)を搭載した Mac Pro (Late 2019) に比べ、マルチコアのパフォーマンスが21%、シングルコアにいたっては56%高速と圧倒的。しかも、この大きさで十分放熱ができ、電源も内蔵しているというから驚きだ。
Apple M2の特長
アップルは2022年(令和4年)6月、新設計のマイクロプロセッサ Apple M2 を発表した。
Apple M2 は、A15 Bionic に高性能コアを2個、GPUを4~6個増設したM2の後継プロセッサだ。第2世代の5nmプロセスを採用し、M1より25%多い200億トランジスタを集積することで、CPU/GPU/Neural Engineのいずれも性能向上を図った。また、ユニファイドメモリの帯域幅はM1と比較して50%増加し、100GB/sに達し、最大24GBの容量も実現した。
高性能コアはウルトラワイドマイクロアーキテクチャとして、192KBの命令キャッシュと128KBのデータキャッシュ、16MBの共有キャッシュメモリを備える。
Apple M2 は、A15 Bionic に高性能コアを2個、GPUを4~6個増設したM2の後継プロセッサだ。第2世代の5nmプロセスを採用し、M1より25%多い200億トランジスタを集積することで、CPU/GPU/Neural Engineのいずれも性能向上を図った。また、ユニファイドメモリの帯域幅はM1と比較して50%増加し、100GB/sに達し、最大24GBの容量も実現した。
高性能コアはウルトラワイドマイクロアーキテクチャとして、192KBの命令キャッシュと128KBのデータキャッシュ、16MBの共有キャッシュメモリを備える。
一方高効率コアは「ワイドマイクロアーキテクチャ」としており、128KBの命令キャッシュと64KBのデータキャッシュ、4MBの共有キャッシュを備えている。
これら改良により、M1と比較して性能は18%向上。それと同時に、競合の10コアモバイル向けCPUと比較して同じ消費電力では1.9倍の性能を達成でき、同一性能であればわずか4分の1の消費電力であるという。また、競合の12コア版と比較すると、4分の1の消費電力で87%相当の性能を達成できるとしている。
これら改良により、M1と比較して性能は18%向上。それと同時に、競合の10コアモバイル向けCPUと比較して同じ消費電力では1.9倍の性能を達成でき、同一性能であればわずか4分の1の消費電力であるという。また、競合の12コア版と比較すると、4分の1の消費電力で87%相当の性能を達成できるとしている。
Apple M2 Pro/Max
アップルは2023年(令和5年)1月17日、M2をパワーアップした M2 Pro と M2 Max を搭載した新型 MacBook Proを発表した。
M2 Pro、M2 Max ともに、M2より高性能コア(CPU)を増やし、約20%高速化した。
M2 Pro、M2 Max ともに、M2より高性能コア(CPU)を増やし、約20%高速化した。
両者の違いはGPUとメモリ量で、M2 Pro のGPUは最大19コア、メモリは最大32GB。M2 Max は最大38コア、メモリは最大96GB。メモリは、M2と同じく同じチップ上に配置したユニファイドメモリであるが、帯域を拡張しており、M2 Pro は200GB/s、M2 Max は400GB/sとなっている。GPU処理能力は、M2 Pro は M1 Pro より40%、M2 MaxPro は M1 Pro より40%、M1 Max は30%高速になっている。
M2 Pro は、ハードウェアアクセラレーテッドH.264、HEVC、ProResビデオエンコード/デコードのための、パワフルで効率に優れたメディアエンジンを搭載し、ごくわずかな電力で4Kおよび8Kの複数のProResビデオストリームを再生できる。M2 Max は、2つのビデオエンコードエンジンと2つのProResエンジンを搭載しており、M2 Pro と比較して最大2倍の速度でビデオをエンコードできる。
Apple M2 Ultra
アップルは2023年(令和5年)6月5日、M2 Max 2枚分の最強スペックチップ M2 Ultra を搭載した新型デスクトップ Mac Studio および Mac Pro を発表した。
最大毎秒2.5TBのスループットを叩き出すアップル独自の UltraFusion アーキテクチャにより2基のダイを直接連結することで、M2 Max の単純に2倍というスペックを実現した。
また、M1 Ultra と比べてCPU性能は20パーセント高速化、GPU性能は最大30パーセント高速化、Neural Engineは最大40パーセント高速化している。また、M2 Maxの2倍の性能を備えたメディアエンジンを搭載し、ProResの処理が驚くほど高速化した。
最大毎秒2.5TBのスループットを叩き出すアップル独自の UltraFusion アーキテクチャにより2基のダイを直接連結することで、M2 Max の単純に2倍というスペックを実現した。
また、M1 Ultra と比べてCPU性能は20パーセント高速化、GPU性能は最大30パーセント高速化、Neural Engineは最大40パーセント高速化している。また、M2 Maxの2倍の性能を備えたメディアエンジンを搭載し、ProResの処理が驚くほど高速化した。
M2 Ultra 搭載の Mac Studio は、M1 Ultra 搭載の前世代のMac Studioよりも最大3倍高速になる。24コアのCPU、最大76コアのGPU、800GB/sのユニファイドメモリ帯域幅を持つ最大192GBのメモリを搭載し、ワークステーションクラスのパフォーマンスを発揮するという。
M2 Ultra 搭載の MMac Pro は、Appleシリコンで初めてPCI Expressスロットを搭載する。
加えてメモリとSSD容量は標準構成で従来のIntelベースのMac Proの2倍となった(64GBと1TB)。M2 Ultra の標準搭載により、すべてのMac Proが、7枚のAfterburnerカードを搭載したのと同等の性能を発揮でき、22本の8K ProResビデオストリームの再生が可能としている。
加えてメモリとSSD容量は標準構成で従来のIntelベースのMac Proの2倍となった(64GBと1TB)。M2 Ultra の標準搭載により、すべてのMac Proが、7枚のAfterburnerカードを搭載したのと同等の性能を発揮でき、22本の8K ProResビデオストリームの再生が可能としている。
Apple M3の特長
アップルは2023年(令和5年)10月、3nmプロセスで作られたものとしては初のPC向けプロセッサ Apple M3 を発表した。
Apple M3 のGPUは Dynamic Caching と呼ばれる新技術を採用し、リアルタイムでそれぞれのタスクに必要な量のメモリを割り当てることで、GPUの平均使用率を向上し、負荷の高いアプリやゲームのパフォーマンスが上がるという。
Apple M3 のGPUは Dynamic Caching と呼ばれる新技術を採用し、リアルタイムでそれぞれのタスクに必要な量のメモリを割り当てることで、GPUの平均使用率を向上し、負荷の高いアプリやゲームのパフォーマンスが上がるという。
また、iPhone 15 Proシリーズ用の A17 Pro に続いてハードウェアレイトレーシングにも対応した。レンダリング性能はM1と比べて、最大2.5倍の性能を持つとともに、M1と同じ性能を出すのに約半分の電力消費で済むという。
CPUも強化されており、M1との比較で高性能コアは最大30%、高効率コアは最大50%高速化。M3 は4コア+4コアの8コア・最大24GBのメモリだが、M3 Pro は6コア+6コアの12コア・最大36GBのメモリ、M3 Max は12コア+4コアの16コア・最大96GBのメモリと、コア数やメモリも増加している。
AIとメディアエンジンも強化しており、Neural Engine はM1より最大60%強化。メディアエンジンは新たにAV1デコードをサポートすることで、ストリーミング動画視聴時のバッテリー駆動時間が長くなったという。
公式スペックでは、M3 Pro と M3 Max がM2時代よりメモリ帯域が狭くなっている(それぞれ200→150GB/s,400→300GB/s)。実際のアプリへの影響は不明。
AIとメディアエンジンも強化しており、Neural Engine はM1より最大60%強化。メディアエンジンは新たにAV1デコードをサポートすることで、ストリーミング動画視聴時のバッテリー駆動時間が長くなったという。
公式スペックでは、M3 Pro と M3 Max がM2時代よりメモリ帯域が狭くなっている(それぞれ200→150GB/s,400→300GB/s)。実際のアプリへの影響は不明。
Apple M4の特長
アップルは2024年(令和6年)5月、第2世代3nmプロセスで製造したプロセッサ Apple M4 を発表した。
Apple M2 よりも最大50%高速化しており、GPUはレンダリングパフォーマンスを4倍に強化し、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングやハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングをサポートする。AIや機械学習に使用する16コアの Neural Engine は毎秒38兆回の演算が可能で、A11 Bionicの60倍高速という。
さらに、まったく新しいディスプレイエンジンを搭載しており、2枚のOLEDパネルの光を組み合わせて作られた最先端のディスプレイである Ultra Retina XDR ディスプレイの驚くべき精度、色精度、輝度の均一性を可能にしている。
5月15日発売の新型 iPad Pro に搭載する。
Apple M2 よりも最大50%高速化しており、GPUはレンダリングパフォーマンスを4倍に強化し、ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングやハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディングをサポートする。AIや機械学習に使用する16コアの Neural Engine は毎秒38兆回の演算が可能で、A11 Bionicの60倍高速という。
さらに、まったく新しいディスプレイエンジンを搭載しており、2枚のOLEDパネルの光を組み合わせて作られた最先端のディスプレイである Ultra Retina XDR ディスプレイの驚くべき精度、色精度、輝度の均一性を可能にしている。
5月15日発売の新型 iPad Pro に搭載する。
アップルは2024年(令和6年)10月31日、新型 MacBook Pro に搭載する M4 Pro と M4 Max を発表した。
最上位SoCとなる M4 Max は、最大12の高性能コアと4つの高効率コアを備えた最大16コアのCPUを搭載しており、M1 Max のCPUより最大2.2倍高速で、最新のAI対応Windowsパソコン用チップより最大2.5倍高速であるという。GPUは最大40コアを搭載し、最大128GBの高速ユニファイドメモリと最大546GB/sのメモリ帯域幅に対応している。
すでに、Geekbench 6 にベンチマークスコアが登録されはじめており、シングルコアはIntelやAMDを圧倒しており、マルチコアでもIntelの最上位 Core i9-14900K を軽く上回り、AMDの最上位 Ryzen 9 9950X と互角のスコアを叩き出している。Ryzen 9 9950X が16コアあることを考えると、もし M4 Ultra が登場したら、異次元のスコアをみせてくれるのではないかと期待が膨らむ。
最上位SoCとなる M4 Max は、最大12の高性能コアと4つの高効率コアを備えた最大16コアのCPUを搭載しており、M1 Max のCPUより最大2.2倍高速で、最新のAI対応Windowsパソコン用チップより最大2.5倍高速であるという。GPUは最大40コアを搭載し、最大128GBの高速ユニファイドメモリと最大546GB/sのメモリ帯域幅に対応している。
すでに、Geekbench 6 にベンチマークスコアが登録されはじめており、シングルコアはIntelやAMDを圧倒しており、マルチコアでもIntelの最上位 Core i9-14900K を軽く上回り、AMDの最上位 Ryzen 9 9950X と互角のスコアを叩き出している。Ryzen 9 9950X が16コアあることを考えると、もし M4 Ultra が登場したら、異次元のスコアをみせてくれるのではないかと期待が膨らむ。
Apple M1/M2/M3 シリーズ比較表
No. | 項目 | Apple M1 | Apple M2 | Apple M3 | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 高性能コア(CPU) | 4コア | 4コア | 4コア | |
2 | 高効率コア(CPU) | 4コア | 4コア | 4コア | |
3 | Neural Engine | 16コア | 16コア | 16コア | |
4 | GPU | 8コア | 10コア | 10コア | |
5 | GPU処理能力 | 最大2.6TFLOPS | 最大3.6TFLOPS | 最大4.3TFLOPS | |
6 | ユニファイドメモリ | 最大16GB | 最大24GB | 最大24GB | オンチップメモリ |
7 | メモリ帯域 | 100GB/s | 100GB/s | 100GB/s | |
8 | プロセスルール | 5nm | 5nm | 3nm | |
9 | トランジスタ数 | 約160億 | 約200億 | 約250億 |
No. | 項目 | Apple M1 | M1 Pro | M1 Max | M1 Ultra | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 高性能コア(CPU) | 4コア | 8コア | 16コア | M1対比で,M1 Pro/Max は約70%高速化 | |
2 | 高効率コア(CPU) | 4コア | 2コア | 4コア | ||
3 | Neural Engine | 16コア | 32コア | |||
4 | GPU | 8コア | 最大16コア | 最大32コア | 最大64コア | 外部GPUを搭載したWindowsノートPCと比べて40%少ない電力で同等のパフォーマンスを発揮 |
5 | GPU処理能力 | 最大2.6 TFLOPS |
最大5.2 TFLOPS |
最大10.4 TFLOPS |
最大20.8 TFLOPS |
旧MacBook Pro 16インチモデルの最上位GPU Radeon 5600M対比で,M1 Proは2.5倍,M1 Maxは4倍 |
6 | ユニファイドメモリ | 最大16GB | 最大32GB | 最大64GB | 最大128GB | オンチップメモリ |
7 | メモリ帯域 | 100GB/s | 200GB/s | 400GB/s | 800GB/s | |
8 | プロセスルール | 5nm | ||||
9 | トランジスタ数 | 約160億 | 約337億 | 約570億 | 約1140億 |
No. | 項目 | Apple M2 | M2 Pro | M2 Max | M2 Ultra | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 高性能コア(CPU) | 6コア | 8コア | 16コア | プロ向けノートブック用として世界で最もパワフルで電力効率の高いチップ | |
2 | 高効率コア(CPU) | 4コア | 4コア | 8コア | ||
3 | Neural Engine | 16コア | 32コア | |||
4 | GPU | 16コア | 最大19コア | 最大38コア | 最大76コア | |
5 | GPU処理能力 | 最大3.6 TFLOPS |
最大6.8 TFLOPS |
最大13.6 TFLOPS |
最大27.2 TFLOPS |
|
6 | ユニファイドメモリ | 最大16GB | 最大32GB | 最大96GB | 最大192GB | オンチップメモリ |
7 | メモリ帯域 | 100GB/s | 200GB/s | 400GB/s | 800GB/s | |
8 | プロセスルール | 5nm | ||||
9 | トランジスタ数 | 約200億 | 約400億 | 約670億 | 約1340億 |
No. | 項目 | Apple M3 | M3 Pro | M3 Max | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 高性能コア(CPU) | 4コア | 6コア | 12コア | 3nmプロセスで作られたものとしては初のPC向けプロセッサ |
2 | 高効率コア(CPU) | 4コア | 6コア | 4コア | |
3 | Neural Engine | 16コア | |||
4 | GPU | 16コア | 18コア | 最大40コア | |
5 | GPU処理能力 | 最大4.3 TFLOPS |
最大7.3 TFLOPS |
最大15.6 TFLOPS |
|
6 | ユニファイドメモリ | 最大24GB | 最大36GB | 最大128GB | オンチップメモリ |
7 | メモリ帯域 | 100GB/s | 150GB/s | 300GB/s | |
8 | プロセスルール | 3nm | |||
9 | トランジスタ数 | 約250億 | 約400億 | 約920億 |
No. | 項目 | Apple M4 | M4 Pro | M4 Max | 備 考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 高性能コア(CPU) | 4コア | 10コア | 12コア | |
2 | 高効率コア(CPU) | 6コア | 4コア | ||
3 | Neural Engine | 16コア | 16コア | A11 Bionicに比べて60倍高速 | |
4 | GPU | 10コア | 20コア | 40コア | |
5 | GPU処理能力 | 最大4.3 TFLOPS |
? | ||
6 | ユニファイドメモリ | 最大16GB | 最大64GB | 最大128GB | オンチップメモリ |
7 | メモリ帯域 | 120GB/s | 273GB | 546GB | |
8 | プロセスルール | 3nm(第2世代) | |||
9 | トランジスタ数 | 280億 | ? |
参考サイト
- Apple シリコン搭載の Mac コンピュータ:アップル
- Core i シリーズは10年以上のロングラン製品:ぱふぅ家のホームページ
- PHPで対数グラフ(ムーアの法則)を描く:ぱふぅ家のホームページ
- AppleのCPUアーキテクチャを巡る歴史:GIGAZINE,2023年11月3日
CPUの歴史
発表年 | メーカー | CPU名 | ビット数 | 最大クロック |
---|---|---|---|---|
1971年 | インテル | 4004 | 4bit | 750KHz |
1974年 | インテル | 8080 | 8bit | 3.125MHz |
1975年 | モステクノロジー | MOS 6502 | 8bit | 3MHz |
1976年 | ザイログ | Z80 | 8bit | 20MHz |
1978年 | インテル | 8086 | 16bit | 10MHz |
1979年 | モトローラ | MC6809 | 8bit | 2MHz |
1979年 | ザイログ | Z8000 | 16bit | 10MHz |
1980年 | モトローラ | MC68000 | 16bit | 20MHz |
1984年 | インテル | 80286 | 16bit | 12MHz |
1985年 | インテル | 80386 | 32bit | 40MHz |
1985年 | サン・マイクロシステムズ | SPARC | 32bit | 150MHz |
1986年 | MIPS | R2000 | 32bit | 15MHz |
1987年 | ザイログ | Z280 | 16bit | 12MHz |
1987年 | モトローラ | MC68030 | 32bit | 50MHz |
1989年 | インテル | 80486 | 32bit | 100MHz |
1991年 | MIPS | R4000 | 64bit | 200MHz |
1990年 | モトローラ | MC68040 | 32bit | 40MHz |
1993年 | インテル | Pentium | 32bit | 300MHz |
1994年 | IBM, モトローラ | PowerPC 603 | 32bit | 300MHz |
1995年 | サイリックス | Cyrix Cx5x86 | 32bit | 133MHz |
1995年 | AMD | Am5x86 | 32bit | 160MHz |
1995年 | サン・マイクロシステムズ | UltraSPARC | 64bit | 200MHz |
1999年 | IBM, モトローラ | PowerPC G4 | 32bit | 1.67GHz |
1999年 | AMD | Athlon | 32bit | 2.33GHz |
2000年 | インテル | Pentium 4 | 32bit | 3.8GHz |
2001年 | インテル | Itanium | 64bit | 800MHz |
2003年 | AMD | Opteron | 64bit | 3.5GHz |
2003年 | インテル | Pentium M | 32bit | 2.26GHz |
2006年 | SCE,ソニー,IBM,東芝 | Cell | 64bit | 3.2GHz |
2006年 | インテル | Core Duo | 32bit | 2.33GHz |
2006年 | インテル | Core 2 Duo | 64bit | 3.33GHz |
2008年 | インテル | Core i9/i7/i5/i3 | 64bit | 5.8GHz |
2017年 | AMD | Ryzen | 64bit | 5.7GHz |
2020年 | Apple | M1 | 64bit | 3.49GHz |
2023年 | インテル | Core Ultra 9 / 7 / 5 | 64bit | 5.1GHz |
(この項おわり)
パッケージの3分の2は金属LIDで覆われ、右側には4枚×2セットのDRAMメモリ(合計8Gバイト)が積み重ねられているという特異な構造をしている。金属LIDの下には、ARMベースの SoC(System-on-a-chip)が収められている。
SoCは、高性能コア×4、高効率コア×4の8コア構成。これ以外に16コアの Neural Engine に加え、画像信号プロセッサ、ストレージコントローラ、Thunderboltコントローラ、Secure Enclaveなどを搭載する。