『ドキュメント宇宙飛行士選抜試験』――10年ぶりの宇宙飛行士募集

大鐘良一・小原健右=著
表紙 ドキュメント宇宙飛行士選抜試験
著者 大鐘良一/小原健右
出版社 光文社
サイズ 新書
発売日 2010年06月
価格 880円(税込)
rakuten
ISBN 9784334035709
最も危機的な状況にある宇宙飛行士こそが、率先して自らの平常心を保ち、どのような状況にあろうとも決してあきらめないという、“折れない心”を持っていなければならないのだ。(135ページ)

レビュー

与圧服を着た宇宙飛行士のイラスト(男性)
2008年2月、JAXAは日本で10年ぶりとなる宇宙飛行士の募集を行った。NHK記者が、候補者10人に絞られた最終試験の一部始終に密着取材したのが本書。10人は閉鎖環境という特殊な環境に置かれ、何を考え、行動したのかをつぶさに追ってゆく。

アニメやミュージカルが好きで閉鎖環境でもジョークを忘れない候補者たちは、ある意味で“オタク”と言えるかもしれない。
だが、「世界最先端の有人宇宙船と言われるスペースシャトルでも、死亡率は66分の1」(206ページ)なのだ。もしも危険な状況に陥った場合でも、「宇宙飛行士こそが、率先して自らの平常心を保ち、どのような状況にあろうとも決してあきらめないという、“折れない心”を持っていなければならない」(135ページ)という。
日本初の女性宇宙飛行士・向井千秋さんは「宇宙飛行士に求められるのは、数々の審査で、すべて合格点を取らなければならないということ」(238ページ)とエールを送る。
(2010年9月8日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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