デジタル一眼レフカメラを買うときは、35ミリ・フルサイズの撮像素子のものにしようと決めていた。10年以上前、仕事でデジカメの性能を比較していたとき、画素数では無く撮像素子の大きさの違いが画質を大きく左右することに気づいたからだ。
考えてみれば当たり前の話で、撮像素子が大きいということは、情報を受け取る面積が大きいわけだから、入ってくる情報量が多いということ。
このことは銀塩時代から変わらない真実――当時は、110(画面サイズ13×17mm)より35ミリ(24×35mm)、35ミリよりブローニー(6×6判で56×56mm)の方が解像感が高かった。
考えてみれば当たり前の話で、撮像素子が大きいということは、情報を受け取る面積が大きいわけだから、入ってくる情報量が多いということ。
このことは銀塩時代から変わらない真実――当時は、110(画面サイズ13×17mm)より35ミリ(24×35mm)、35ミリよりブローニー(6×6判で56×56mm)の方が解像感が高かった。
とはいうものの、35ミリ・フルサイズのデジタル一眼レフカメラはコンパクトデジカメに比べたら非常に大きい。最軽量を誇るEOS 6Dでさえ、ボディだけでもままぱふぅ愛用のLUMIX DMC-FZ7の2倍を優に超える。望遠ズームを付けたら、4倍近い重量差である。しかも、コンパクトデジカメほどのズーム倍率を実現できない。
撮影の手軽さや機動力、望遠ズームなどの点ではコンパクトデジカメに歩がある。デジタル一眼レフカメラ(とくにフルサイズ機)は、本気で撮影しようという時に使うカメラである。
撮影の手軽さや機動力、望遠ズームなどの点ではコンパクトデジカメに歩がある。デジタル一眼レフカメラ(とくにフルサイズ機)は、本気で撮影しようという時に使うカメラである。
作例1
【EOS 6Dで撮影】
【LUMIX DMC-FZ7で撮影】
上の写真は EOS 6D + SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD で撮影したもの。下の写真は、同じ対象物をLUMIX DMC-FZ7で撮影したもの。DMC-FZ7は一見すると綺麗に見えるが、目で見た映像と違う。ウソっぽい写真なのである。
EOS 6DはJPEG画像だけでなくRAW画像も同時撮影できるのだが、この写真はJPEGに手を加えていない。それでも、これだけの差が出る。
DMC-FZ7もレンズは悪くはないのだが、撮像素子が1/2.5インチと、面積比ではEOS 6Dの8分の1しかない。このため、偽色やジャギーが発生するという問題を抱えていた。
ところがEOS 6Dの場合、JPEG画像を拡大しても偽色やジャギーが見られない。わざわざRAW現像するまでもないほどの画質である。
EOS 6DはJPEG画像だけでなくRAW画像も同時撮影できるのだが、この写真はJPEGに手を加えていない。それでも、これだけの差が出る。
DMC-FZ7もレンズは悪くはないのだが、撮像素子が1/2.5インチと、面積比ではEOS 6Dの8分の1しかない。このため、偽色やジャギーが発生するという問題を抱えていた。
ところがEOS 6Dの場合、JPEG画像を拡大しても偽色やジャギーが見られない。わざわざRAW現像するまでもないほどの画質である。
作例2
作例3
レンズは EF40mm f2.8 STM を使用。
40mm F2.8はボケ味を楽しむレンズではないが、最短撮影距離が30センチという特徴を活かし、こんな写真を撮ることができる。
40mm F2.8はボケ味を楽しむレンズではないが、最短撮影距離が30センチという特徴を活かし、こんな写真を撮ることができる。
じつは店頭で実機を見るまで気づかなかったのだが、EOS 6Dのファインダーは光学ファインダーである。まるでMXを覗いているようで、「写真を撮るんだ」という気になった。それに比べると、電子ビューの画像はウソっぽい。
今までデジタル写真に誤魔化されていたという印象を受けてしまった。
AFのスピードは最速をうたうだけあって、新幹線相手でも合焦する。暗いところでもAFに任せておける。
今までデジタル写真に誤魔化されていたという印象を受けてしまった。
AFのスピードは最速をうたうだけあって、新幹線相手でも合焦する。暗いところでもAFに任せておける。
GPSを内蔵している点もありがたい。付属ソフト「Map Utility」を使うことで、Googleマップ上にサムネイルを表示し、いつ、どこで撮影したかがすぐ分かる。バッテリーの消費が問題だが、GPSロガー機能も備えている。
WiFi機能も内蔵している。撮影データを転送できるのはもちろん、PCやスマホ、タブレットを使ってカメラをコントロールできるのが面白い。軽量化のために液晶モニタが可動式になっていないが、スマホを使ってモニタリングしながら遠隔コントロールできる。
WiFi機能も内蔵している。撮影データを転送できるのはもちろん、PCやスマホ、タブレットを使ってカメラをコントロールできるのが面白い。軽量化のために液晶モニタが可動式になっていないが、スマホを使ってモニタリングしながら遠隔コントロールできる。
機能が豊富すぎるが、通常撮影ではピントはAFに任せて、ダイヤルをA+にしておけば間違いない。
ISO感度は12,800まで――銀塩時代、天体写真を撮影していたので増感はお手の物だが、それでも1,600が限界だった。12,800という数字はカタログスペックに過ぎないだろうと高をくくっていたが、9,600に上げても目視で100との違いが分からない。
おかげで、軽量化のために内蔵フラッシュを備えていない欠点を補ってくれる。
ISO感度は12,800まで――銀塩時代、天体写真を撮影していたので増感はお手の物だが、それでも1,600が限界だった。12,800という数字はカタログスペックに過ぎないだろうと高をくくっていたが、9,600に上げても目視で100との違いが分からない。
おかげで、軽量化のために内蔵フラッシュを備えていない欠点を補ってくれる。
鉄道写真を撮るためにシャッター速度優先にした時も、右上部の液晶にISO感度、絞り、シャッター速度と並んで、露出インジケーターが表示されるので、これが真ん中に合うように絞りを調整すれば良い。これらの情報は光学ファインダーにも表示される。
逆光など露出補正が難しいときには、HDR機能を利用して、露出を±1にした写真を3枚連写し、自動合成してくれる。これは便利だ。
本体には簡易的な現像機能も搭載しているが、パノラマ写真機能は内蔵していない。付属ソフトを使ってパノラマ合成できる。
付属ソフトは充実している。
前述の「Map Utility」に加え、写真の管理や現像、合成などの処理ができる。Mac対応版も同梱されている。
記録メディアはSD/SDHC/SDXCである。64GバイトのSDXCカードを同時購入したが、ノートPC「Let's note CF-Y7D」で読み込めなかったのは悲しい。外付けのSDカードリーダーを購入した。
本体には簡易的な現像機能も搭載しているが、パノラマ写真機能は内蔵していない。付属ソフトを使ってパノラマ合成できる。
付属ソフトは充実している。
前述の「Map Utility」に加え、写真の管理や現像、合成などの処理ができる。Mac対応版も同梱されている。
記録メディアはSD/SDHC/SDXCである。64GバイトのSDXCカードを同時購入したが、ノートPC「Let's note CF-Y7D」で読み込めなかったのは悲しい。外付けのSDカードリーダーを購入した。
マップ・ユーティリティ
CD-ROMに収められている「マップ・ユーティリティ」を使って撮影した画像を選択すると、撮影場所がGoogleマップ上にプロットされる。アイコンをクリックすれば、その場所で撮影した画像が開く。
画像に記録されたGPS情報を元にマップ上に展開される仕組みだ。
緯度・経度・標高の情報を見ることもできる。
画像に記録されたGPS情報を元にマップ上に展開される仕組みだ。
緯度・経度・標高の情報を見ることもできる。
Digital Photo Professional
CD-ROMに収められている「Digital Photo Professional」は、RAW画像の閲覧・編集・現像を行うためのアプリケーションソフトウェアだ。
明るさやコントラストを自動的に補正できるほか、画像のノイズを緩和したり、レンズの収差を補正する機能も備えている。
また、複数の画像を合成したり、露出の異なる画像を合成するハイダイナミックレンジ(HDR)機能も備えている。
編集・現像したデータをJPEGに変換することもできる。
EOS 6Dは、RAWでは14ビット階調のデータを持っているので、うまく8bitのJPEGに変換してやることで、白トビや黒ツブレを抑えることができる。
明るさやコントラストを自動的に補正できるほか、画像のノイズを緩和したり、レンズの収差を補正する機能も備えている。
また、複数の画像を合成したり、露出の異なる画像を合成するハイダイナミックレンジ(HDR)機能も備えている。
編集・現像したデータをJPEGに変換することもできる。
EOS 6Dは、RAWでは14ビット階調のデータを持っているので、うまく8bitのJPEGに変換してやることで、白トビや黒ツブレを抑えることができる。
主なスペック
項目 | 仕様 | コメント |
---|---|---|
撮像素子 | 約35.8×23.9mm CMOS 有効画素数 約2020万 |
|
レンズマウント | キヤノンEFマウント | 白いレンズは本体の10倍以上の値段だ!! |
シャッター速度 | 1/4000~30秒,バルブ | 天体写真もOK |
モニター | 3.0型,約104万ドット | 可動式ではないが、スマホで代用可能 |
光学ファインダー | 視野率 約97% | 100%でないところが惜しい |
露出制御 | プログラムAE(シーンインテリジェントオート、クリエイティブオート、スペシャルシーン(ポートレート、風景、クローズアップ、スポーツ、夜景ポートレート、手持ち夜景、HDR 逆光補正)、プログラム)、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、バルブ | できないことはないという感じ |
撮影機能 | HDR機能,多重露光 | HDR機能は露出補正にも使える。 |
静止画記録 | 最大解像度 5472×3648 ピクセル 記録方式 JPEG, RAW, JPEG+RAW |
JPEGでも十分な画質 |
動画記録 | 最大 1920×1080, 30p 記録方式 MPEG-4 AVC/H.264 音声 リニアPCM(モノラル) |
音声はモノラルなので外部マイクを使うべし |
記録メディア | SD/SDHC/SDXCカード UHS-I対応,Eye-Fiカード対応 |
|
インターフェース | USB 2.0端子,AV端子,HDMI端子,外部マイク | |
WiFi | IEEE802.11 b/g/n | データ転送だけでなく、PCやスマホによる遠隔操作が可能 |
内蔵GPS | ロガー対応 | |
本体サイズ | (W)144.5×(H)110.5×(D)71.2mm | |
本体重量 | 約755g(バッテリ、メモリを含む) | クラス最軽量だが、コンデジに比べたら重たい。 |
EOS 6D MarkII
5年後の2017年(平成29年)7月、後継機の EOS 6D MarkII が発売された。
35mmフルサイズセンサー、光学ファインダーはそのままに、世界最軽量ボディーをうたっている。
イメージセンサーの画素数は約2020万画素から約2620万画素に増え、デュアルピクセルCMOSセンサーによってライブビュー時のAFが速くなった。また、画像処理エンジンは、最新の「DIGIC 7」になった。背面のモニターは、バリアングル&タッチパネル式になった。
35mmフルサイズセンサー、光学ファインダーはそのままに、世界最軽量ボディーをうたっている。
イメージセンサーの画素数は約2020万画素から約2620万画素に増え、デュアルピクセルCMOSセンサーによってライブビュー時のAFが速くなった。また、画像処理エンジンは、最新の「DIGIC 7」になった。背面のモニターは、バリアングル&タッチパネル式になった。
参考サイト
- EOS 6D:キヤノン
- 交換レンズ「28-300mm F3.5-6.36 Di VC PZD」:ぱふぅ家のホームページ
- 交換レンズ「SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD」:ぱふぅ家のホームページ
- 交換レンズ「EF40mm f2.8 STM」:ぱふぅ家のホームページ
- デジタルカメラ「LUMIX DMC-FZ7」:ぱふぅ家のホームページ
- デジタルカメラ「DX-7」:ぱふぅ家のホームページ
- デジタルカメラ「PowerShot A530」:ぱふぅ家のホームページ
- EOS 6D MarkII:キヤノン
- きっちり5年分の進化、キヤノンのフルサイズ機「EOS 6D MarkII:ITmedia
参考書籍
Canon EOS 6Dオーナーズガイド | |||
著者 | ハンドメイド | ||
出版社 | 秀和システム | ||
サイズ | 単行本 | ||
発売日 | 2013年03月 | ||
価格 | 1,628円(税込) | ||
ISBN | 9784798037196 | ||
プロ機には負けない、フルサイズ撮影の隠された極意を大公開。新機能+全機能6Dを120%使いこなすための操作完全解説。豊富なレンズ群の中でこれだけは持っておきたいEFレンズガイド。最新のデジタル動画撮影&編集を徹撤解説。撮影したデジタルデータの管理・編集・印刷・ネット活用術。 | |||
キヤノンEOS 6D スーパーブック | |||
著者 | |||
出版社 | 学研パブリッシング | ||
サイズ | ムックその他 | ||
発売日 | 2012年12月 | ||
価格 | 1,760円(税込) | ||
ISBN | 9784056068788 | ||
Canon EOS 6D 完全マスターガイド | |||
著者 | |||
出版社 | 朝日新聞出版 | ||
サイズ | ムックその他 | ||
発売日 | 2012年12月 | ||
価格 | 1,980円(税込) | ||
ISBN | 9784022724304 | ||
(この項おわり)
PENTAXの一眼レフカメラ「MX」を購入してから30年以上、ついにキヤノンが我が家にやって来た。