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ビル・ゲイツ自伝1 SOURCE CODE 起動 | ||
| 著者 | ビル・ゲイツ/山田 文 | ||
| 出版社 | 早川書房 | ||
| サイズ | 単行本 |
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| 発売日 | 2025年12月12日頃 | ||
| 価格 | 2,970円(税込) | ||
| ISBN | 9784152104854 | ||
どれだけ複雑に見え、謎めいてすら感じられることでも、たいてい解き明かすことができる。トランプはそれを教えてくれた。世界は理解可能なのだと。
あらすじ
ビル・ゲイツ
ゲイツの曾祖父はゴールドラッシュを追い、祖父は貧困から学業を断念したが、父ウィリアム・ヘンリー・ゲイツ2世は GI 法により大学を卒業し弁護士となった。その中流層コミュニティで1955年、ビル・ゲイツは生まれた。母メアリは知的で行動的な人物で、教育旅行や活動を通じて子どもに学習機会を与え、家庭と社会活動を両立していた。幼少期のゲイツは負けず嫌いで、成長とともに親への反抗心を強めたが、算数や調査課題で自信を深めていった。

ゲイツは成績には偏りがあったものの、ソーシャルワーカーとの対話を通じて、反抗に費やす力を将来に必要な能力の習得へ向ける重要性を理解する。議論の場を自ら作り、社交性も身につけた。進学したレイクサイド・スクールでコンピュータと出会い、BASIC言語に没頭し、ポール・アレンと協力してプログラミング技術を磨いた。PDP-10 の無償利用や実務経験を通じ、現実世界で動くソフトウェアを作る責任を学んだ。
ゲイツは成績には偏りがあったものの、ソーシャルワーカーとの対話を通じて、反抗に費やす力を将来に必要な能力の習得へ向ける重要性を理解する。議論の場を自ら作り、社交性も身につけた。進学したレイクサイド・スクールでコンピュータと出会い、BASIC言語に没頭し、ポール・アレンと協力してプログラミング技術を磨いた。PDP-10 の無償利用や実務経験を通じ、現実世界で動くソフトウェアを作る責任を学んだ。
ビル・ゲイツとポール・アレン
高校・大学時代には実務開発や挫折を経験し、ゲイツは自身の限界を自覚する一方、ソフトウェアこそが自分に適したビジネスであると確信する。1975年、アルテア8800 向け BASICインタプリタを開発し、エド・ロバーツが立ち上げたMITS との契約を機にマイクロ=ソフトを創業した。ちょうど同じ頃、アルテア8800に刺激を受けたスティーブ・ウォズニアックとスティーブ・ジョブズがアップルを立ち上げた。
エド・ロバーツ
だが、MITS から得られる BASIC のライセンス料は微々たるものだった。そこでゲイツは、MITSのニューズレター『コンピュータ・ノーツ』1976年2月号に「ホビイストへの公開状」を掲載し、「これほど多額の資金をホビー用ソフトウェアに投じてきたのはわれわれだけです」と訴えた。コンピュータ・クラブとホビイストの世界にビル・ゲイツの名前が知れ渡り、勝手に自社誌を使われたエドは激怒した。だが、ゲイツは品質あるソフトウェアには対価が必要だと主張し、論争を巻き起こした。
MITS との法廷闘争や資金難を乗り越え、アップル、コモドール、ラジオシャックといった1970年代後半の主要パーソナルコンピュータに BASIC を提供することで経営は安定する。母の死やエドとの和解を経て、ゲイツは自身を「富の管理人」にすぎないと捉え、また自らの特性について、現代なら自閉症スペクトラムと診断されただろうと振り返る。
レビュー
マイクロ=ソフトとアップル・コンピュータ
ゲイツは豊かな時代のアメリカに生まれ、白人男性として有利なシアトルで育ち、半導体産業の勃興期を生きたという歴史的・社会的条件に恵まれていたことを自覚している。スティーブ・ジョブズとしばしば比較されるが、家庭環境や人生観、技術観は大きく異なり、ジョブズがハードからOSまでの完結性を追求したのに対し、ゲイツはソフトウェアによる世界の統合を志向した。
るという予見が実現していく。
るという予見が実現していく。
ハーバード大学に進学したゲイツは、突出した存在ではなく「多数の優秀者の一人」にすぎない現実を知り、真の高等教育とは常識が通用しない世界であることを体験する。PDP-10 を用いたソフトウェア開発の時代、計算資源や通信には厳しい制約があり、その不便さを乗り越えつつ、やがてコンピュータが安価に利用できる時代が到来するという予見が実現していく。
さて、私自身は、起業やITビジネスでの成功よりも、コンピュータを通じて世界を理解し観測することを選んだ。そのために老舗企業に身を置きながら、社会システム構築に関与してきた。世界は合理的で理解可能な「一つのプログラム」であり、そこには本来、差別や恣意が入り込む余地はないと考えている。
ビル・ゲイツ
本書の冒頭と末尾に記されているリチャード・ファインマンの「ものごとをつきとめる楽しみ」という言葉に象徴されるように、世界は合理的で観測可能だという確信こそが、ゲイツや私をこの業界に関わらせている原動力だと感じる。夢や目標はなくて、世界というミステリーを解き明かしたいという好奇心だ。
(2026年1月28日 読了)
参考サイト
- ビル・ゲイツ自伝1 SOURCE CODE 起動:早川書房
- 『スティーブズ』(うめ/松永肇一,2014年11月)
- 『闘うプログラマー [新装版]』(グレッグ・パスカル・ザカリー/山岡洋一,2009年07月)
- 『ザイログZ80伝説』(鈴木哲哉,2020年08月)
- 西暦1964年 - ダートマスBASIC:ぱふぅ家のホームページ
- 西暦1974年 - 世界初のパソコン「アルテア8800」発売:ぱふぅ家のホームページ
- 西暦1977年 - Apple II 発売:ぱふぅ家のホームページ
- Z80 で機械語を学ぶ:ぱふぅ家のホームページ
(この項おわり)
