旧大社駅は神社様式の駅舎が珍しい重要文化財

2006年7月21日 撮影
旧大社駅
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改札 - 旧大社駅
旧大社駅(島根県出雲市大社町北荒木)は、全国でも珍しい神社様式を取り入れた駅舎で、1982年(昭和57年)に「日本の建築200選」に選ばれた。道路からやや奥まったところに建っているのだが、今でも息をのむほど美しい。

JR大社線は、1912年(明治45年)に出雲市~大社間に開業した。この駅舎は1924年(大正13年)に竣工した2代目で、1990年(平成2年)4月1日の大社線廃止まで出雲大社の表玄関として親しまれてきた。
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構内 - 旧大社駅
1974年(昭和49年)11月30日に本州を最後に走った D51形 774号機が静かにたたずんでいる。
構内 - 旧大社駅の大きな写真大きな写真
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駅舎内 - 旧大社駅
構内は廃止時の姿をそのままにとどめており、外部との出入りを遮るものはない。落書きのような都会にありがちな悪戯はないものの、自然に任せたまま朽ちているといった感じである。
駅舎内も、廃止時の姿をそのまま保存している。
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駅舎内 - 旧大社駅
駅舎は木造平屋441平方メートルで、出雲大社を模したつくりになっている。天井がとても高く感じる。

大社線の開業に伴い、京都から山陰線を経由して出雲大社へ向かうことができるようになった。参詣路線は、参宮線(伊勢神宮)、土讃線(金比羅宮)、日光線(東照宮)などがあるが、いずれも私鉄で開業したものを国が買い取ったもので、最初から国の直轄で建設が進んだのは大社線のみである。
その背景には、1910年(明治43年)、鉄道院の初代総裁、後藤新平による山陰視察があった。地元の陳情を受け、同年12月の帝国議会で、大社線の敷設が決まった。
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ホーム - 旧大社駅
ホームの掲示も当時のままだ。団体専用の改札口も残っており、往時が偲ばれる。
2004年(平成16年)に国の重要文化財に指定された。

大社駅の設置を巡っては、参詣道の東西で激しい誘致合戦が行われた。結局、鉄道院が割って入り、両者の中間地点である現在の場所に駅を設置することになった。
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【写真:ままぱふぅ

交通アクセス

【鉄道】
  • 一畑電鉄大社線・出雲大社前駅より徒歩約15分
【自動車】
  • 松江自動車道宍道ICより約45分

近隣の情報

参考書籍

出雲国大社 観光史
出雲国大社 観光史』(大社史話会,2014年9月)
(この項おわり)
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