門司港レトロハイマート

門司港レトロ(福岡県北九州市門司区港町)は、JR門司港駅周辺に残る古い建物を1988年(昭和63年)から大正レトロを基調に整備し、1995年(平成7年)3月にグランドオープンした観光地である。国土交通省の都市景観百選を受賞している。
大きな写真

(2560×1685 ピクセル, 1637 Kbyte)

2018年9月10日 撮影
門司港では、いろいろな夜景を楽しむことができる。昼とは違った魅力を放つ門司港レトロのライトアップや、闇夜に浮かび上がる関門橋など、どこを切り取っても美しい景色だ。



展望台にはデジタル望遠鏡や喫茶店がある。
国際友好記念図書館


ロシア帝国が1902年(明治35年)、大連市に建設した東清鉄道汽船事務所を複製したものである。設計者はドイツ人と伝えられている。

1階は中華レストラン「大連あかしあ」、2階は中国・東アジア関連書籍の図書館、3階は旧満州関連の資料展示室になっている。

図書館には、、「ドラえもん」や宮崎駿の漫画の中国語版や大連にあった日本人学校の同窓誌などがある。

図書館には、、「ドラえもん」や宮崎駿の漫画の中国語版や大連にあった日本人学校の同窓誌などがある。
旧門司三井倶楽部


ハーフティンバー様式はヨーロッパ伝統の木造建築工法で、木造の骨組みの間を漆喰やレンガ、石などを使って埋めて壁が作られ、木造の骨組みがそのまま外観デザインのアクセントとなっている。

1922年(大正11年)、アインシュタイン夫妻が来日し、ここに宿泊した。アインシュタインメモリアルルームとして、宿泊した部屋が2階にて復元されている。併せて、門司区出身の女流作家・林芙美子の資料室もある。

1922年(大正11年)、アインシュタイン夫妻が来日し、ここに宿泊した。アインシュタインメモリアルルームとして、宿泊した部屋が2階にて復元されている。併せて、門司区出身の女流作家・林芙美子の資料室もある。

戦後、三井物産は解体され、1949年(昭和24年)に旧国鉄が買収し、門鉄会館として利用するようになった。ちなみに、戦前の三井物産と現在の三井物産は、全く別個の企業体である。
1990年(平成2年)に国の重要文化財に指定され、現在地に移転するための工事が始まった。移転が完了したのは1994年(平成6年)12月のことである。
1990年(平成2年)に国の重要文化財に指定され、現在地に移転するための工事が始まった。移転が完了したのは1994年(平成6年)12月のことである。


北東側ある木造平屋の附属屋が気になる。
厨房や従業員の休息室などがあるという。
厨房や従業員の休息室などがあるという。
旧門司税関


1991年(平成3年)から4年の歳月をかけて復元され、1995年(平成7年)3月にグランドオープンした。1階には休憩室や喫茶店「レトロカフェ」を設け、2階はギャラリーと展望室になっている。

2007年(平成19年)、近代産業文化遺産認定された。

2007年(平成19年)、近代産業文化遺産認定された。
旧JR九州本社ビル


1949年(昭和24年)、財閥解体にともない旧国鉄に売却された。1987年(昭和62年)には国鉄民営化を受け、JR九州の九州本社のJR貨物の九州支社として使われるようになる。
2001年(平成13年)にJR九州が撤退し、ビルの解体を行う予定だったら北九州市に譲渡され、関門海峡ライブ館などが開館し、現在に至る。
2001年(平成13年)にJR九州が撤退し、ビルの解体を行う予定だったら北九州市に譲渡され、関門海峡ライブ館などが開館し、現在に至る。
海峡ドラマシップ

旧大連航路上屋


門司郵船ビル

門司郵船ビル(福岡県北九州市門司区港町7-8)は、1927年(昭和2年)に建造された鉄筋コンクリート造、地上4階・地下4階のビルである。門司港駅の向かい(北東側)にある。

エレベーターや暖房装置、給湯、水洗トイレなど、当時の最新鋭設備を備えたビルである。
現在もテナントを募集している。

エレベーターや暖房装置、給湯、水洗トイレなど、当時の最新鋭設備を備えたビルである。
現在もテナントを募集している。
群芳閣

群芳閣(福岡県北九州市門司区港町1-7)は、田川で石炭採掘業を営んでいた片山逸太が、引退後の1895年(明治28年)に料亭として創業したもので、後に旅館専業となった。門司港に戦前から残っている唯一の旅館だ。

戦前は木造4階の建物だった。1945年(昭和20年)の空襲では、従業員らの活躍により奇跡的に焼失を免れた。道路拡張工事に伴い、1950年(昭和25年)に2階建に改築された。

玄関横には「バナナの叩き売り発祥の地」碑が建っている。

玄関横には「バナナの叩き売り発祥の地」碑が建っている。

バナナが日本に輸入されたのは1903年(明治36年)頃で、台湾の商人が神戸に持ち込んだとされている。その後、台湾から門司港に大量輸入されるようになった。
輸送中に蒸れた籠熟バナナや、加工中に生じた不良品で輸送困難なものは、出来るだけ早く換金するために、露天商を使った客を集め売り捌いた。これが「バナナの叩き売り」の始まりだ。
輸送中に蒸れた籠熟バナナや、加工中に生じた不良品で輸送困難なものは、出来るだけ早く換金するために、露天商を使った客を集め売り捌いた。これが「バナナの叩き売り」の始まりだ。
ブルーウイングもじ

門司港ビール工房

門司港駅


自動改札機があるが、レトロなイメージを壊さないように、塗装を茶色にして目立たなくしている。

駅構内には、戦前から使用されている洗面所、手水鉢、上水道など様々な歴史的資産が点在する。
1988年(昭和63年)、駅舎としては全国で初めて国の重要文化財に指定された。
1988年(昭和63年)、駅舎としては全国で初めて国の重要文化財に指定された。



修理期間中も素屋根内や工事ヤードの様子を見学できる「門司港駅保存修理工事見学デッキ」が用意されている。

トロッコ列車「潮風号」

レトロ列車「潮風号」は、九州鉄道記念館 - 関門海峡めかり間の2.1kmを運行する観光列車である。客車は島原鉄道でトロッコ列車「島鉄ハッピートレイン」に使用されていた車両で、機関車は南阿蘇鉄道でトロッコ列車「ゆうすげ号」に使用されていた車両である。

鹿児島本線の支線や、田野浦公共臨港鉄道の廃線跡などを利用して線路が敷設された。
休止線や車両の再活用による観光振興が評価され、2009年(平成21年)に日本鉄道賞・特別表彰に選ばれた。

残念ながら、この期間中は土日運行であるため、乗車できなかった。
休止線や車両の再活用による観光振興が評価され、2009年(平成21年)に日本鉄道賞・特別表彰に選ばれた。

残念ながら、この期間中は土日運行であるため、乗車できなかった。
門司港レトロの町並み

駐車場に静態保存されているのは、西鉄北九州線で活躍していた路面電車100形148号である。

1940年(昭和15年)から1941年にかけて製造されたもので、全長12メートル。

1940年(昭和15年)から1941年にかけて製造されたもので、全長12メートル。

1945年(昭和20年)に終戦を迎え、物資の入手が軌道に乗るようになった1949年(昭和24年)から新しい鉄製ポストとして実用化されたのが「郵便差出箱1号丸型」、いわゆる「丸型ポスト」である。われわれの世代には懐かしいポストだ。

門司港レトロ駐車場は、煉瓦の壁だけが残っている市営駐車場である。

交通アクセス
【鉄道】

- JR門司港駅
- 西鉄バス「レトロ桟橋通バス停」など
- 関門汽船「門司港桟橋」

近隣の情報
- 門司港レトロは大正レトロな観光地:ぱふぅ家のホームページ
- 門司港駅にある幸福の泉と旅立ちの鐘:ぱふぅ家のホームページ
- 九州鉄道記念館の本館は旧・九州鉄道本社:ぱふぅ家のホームページ
- 関門トンネルを歩いてみる:ぱふぅ家のホームページ
- 関門トンネル人道は歩行者のための海底トンネル:ぱふぅ家のホームページ
- 壇ノ浦古戦場址と長州砲:ぱふぅ家のホームページ
- 火の山公園の回転展望レストランでフグを食す:ぱふぅ家のホームページ
- 巌流島は武蔵と小次郎の決戦地:ぱふぅ家のホームページ
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(この項おわり)