関門トンネルを歩いてみる

2008年7月27日 撮影
関門トンネル人道
関門トンネルは山口県下関市と福岡県北九州市を結ぶ海底トンネルで、新幹線が通る「新関門トンネル」、在来線が通る「関門鉄道トンネル」、そして、「関門国道トンネル」の3つのルートがある。今回利用したのは、3つ目の「関門国道トンネル」である。
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エレベーター-関門トンネル人道
関門国道トンネルは国道2号線の一部で、上が自動車道で、下が人道という二重構造になっている。1958年(昭和33年)3月9日、21年の歳月をかけて完成した。

関門人道トンネルの下関側入口(山口県下関市みもすそ川町22-34)から、エレベーターで地下55.4mまで降りる。自転車および原付は20円の通行料が必要だが、歩行者は無料だ。営業時間は6時から22時までとなっている。
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関門トンネル人道
関門国道トンネル関門人道トンネルは、2009年(平成21年)9月1日午前0時から12月18日まで109日間、リフレッシュ工事のため全面通行止めになる。通行止め期間としては1958年(昭和33年)の開通以来最長という。
関門人道トンネルの長さは約780メートル。歩いて15分ほどで九州へ渡ることができる。
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関門トンネル人道
トンネルの内部は意外に明るい。
壁には海草や魚、天井には朝、昼、夕、夜の空が描かれていいる。夜の空では星が光る。

海底トンネルは海水面より低いところにある。したがって、たまった海水を汲み出すために排水ポンプが常時稼働している。このポンプは、1日に4,800トンもの水を排出するすることができる。
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県境 - 関門トンネル人道
下関側から約400メートル進むと、福岡県との県境がある。ここが一番低くなっている。
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関門トンネル人道
門司側入口(福岡県北九州市門司区大字門司)は、下関側と同じような構造になっている。
門司側入口には和布刈神社 (めかりじんじゃ) (福岡県北九州市門司区大字門司3492)がある。
新平家物語」によると、壇之浦の合戦前夜、平家一門が勝利を祈願して、願文を奏上したと伝えられている。
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氏子が少ないために経営的に苦しいため、2010年(平成22年)5月に納骨堂の建設を計画した。ところが景観を壊す恐れがあるということで、北九州市から待ったがかかっている。
関門橋
関門海峡を渡るには、関門トンネル以外に、橋(関門橋)と船がある。
写真の関門橋は全長は1068メートルの吊橋で、1973年(昭和48年)に完成。当時は東洋一の吊橋だった。
下関ICと門司ICを結ぶ「関門自動車道」という高速道路になっている。
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長州砲のレプリカ
下関側のみもすそ川公園(山口県下関市みもすそ川町1番)には、幕末に起きた下関戦争の際に使用された長州砲のレプリカが海峡を睨んでいる。
また、この場所から壇之浦古戦場跡を一望することができる。
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旅立ちの鐘

2009年(平成21年)10月、九州鉄道の起点であるJR門司港駅の「0哩(マイル)標」の前に、旅人の出発を祝福する「旅立ちの鐘」が設けられた。1914年(大正3年)の現駅舎開業当時に、実際に発車ベルとして使われていたものを磨き直したものだ。午前9時~午後6時に限り、観光客が自由に鳴らすことができるという。

機雷

関門海峡周辺には、太平洋戦争中、米軍が日本の海上交通を封鎖するため機雷約5000発を投下した。関門海峡が朝鮮半島や中国大陸へ向かう重要な海上交通路だったことに加え、終戦前の1945年(昭和20年)春、瀬戸内海にいた戦艦大和が関門海峡を経て戦闘行動するのを封じ込める狙いもあり大量に投下されたとみられる。
戦後、処理が進められたが、海上自衛隊によると、関門海峡周辺には今も未処理の機雷約1700発があると推定され、爆発の危険性も残る。

早鞆瀬戸

関門海峡の最も狭い海域は早鞆瀬戸 (はやとものせと) と呼ばれ、幅650メートルしかない海の難所だが、1日平均550隻の船舶が往来する。この10年の間、対向船に衝突したり、海岸に乗り上げたりする事故が14件起きた。

月に2度ある大潮の時には、潮流は19km/hにも達し、渦潮で有名な鳴門海峡に並ぶ速さだ。
太平洋と日本海では干満で変動する潮位が異なり、その差は大潮時で最大1.3メートルになる。満潮時は太平洋から日本海に、干潮時は逆に太平洋へ流れ込む。
潮の流れは日に4度向きを変える。湾曲した両岸や浅瀬にぶつかり、さらに圧流や逆潮 (さかしお) と呼ばれる複雑な潮の流れが生まれる。

交通アクセス

【自動車】
  • 中国道「下関IC」より壇の浦方面へ5分で、みもすそ川公園に到着。無料駐車場有り。
下関駅→関門トンネル人道→門司駅:12.8km
(車:19分,自転車:51分,徒歩:2時間34分)

JR下関駅からタクシーで下関側入口まで約4.5km(約8分)。
JR門司駅からタクシーでJR門司駅まで約11km(約18分)。
JR門司港駅の方が近いが、周遊切符(九州ゾーン)の入口指定の関係で門司駅までタクシーで向かった。

近隣の情報

関門海峡関連
(この項おわり)
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