上時国家は平家の子孫

2015年10月3日 撮影
上時国家
上時国家 (かみときくにけ) (石川県輪島市町野町南時国13-4)は、江戸時代、天領の大庄屋であった上時国家の屋敷である。
現存する近世木造民家では最大級で、国の重要文化財に指定されている。
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上時国家
上時国家の祖先は、平清盛の義弟、平時忠と伝えられている。
1185年(元暦2年)、壇ノ浦の戦いに破れた平家一門の中で最高重臣であった平大納言時忠は捕虜となり、源義経に接近した。時忠は神鏡を守った功績により死罪一等を減じられ、能登へと流される。
時忠の子、時国を初代とし、現在の当主は25代目である。
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庭園 - 上時国家
庭園は鎌倉時代の様式とされ、平庭には心字池を配し、また高庭は自然の地形を巧みに利用した独特の作風で、国の名勝に指定されている。
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大納言の間 - 上時国家
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丸に揚羽蝶 - 上時国家
公的行事に利用される部屋には大納言格式を示す「縁金折上格天井」の「大納言の間(別名:御前の間)」を配している。広間の襖には、家紋である平家定紋の「丸に揚羽蝶」を金箔で描いて連ねている。

江戸初期から300石の豪農として、天領大庄屋を務め、天保2年(1831年)に21代当主が現在の巨大で格式高い屋敷を28年かけて建造した。
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2009年6月24日 写真:こぱふぅ
座敷の境上部には両面彫りの欄間を飾り、御前の間の欄間は蜃気楼を描いた珍しいものとなっている。
土間と籠 - 上時国家
主屋は桁行29.1mと、高さ18m、建坪189坪に及ぶ。総欅造り唐破風の正面玄関も民家では珍しい。

土間は40坪あり、この巨大な建物を支える柱・梁組と、萱ぶき大屋根の内側構造を見ることができる。

籠が掛けられている梁は、松の芯材だけを使っており、その外径は2メートルにも及ぶ。
ここから屋根の最長部をのぞき見ることができる。
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神仏混交神棚 - 上時国家
土間に接する大広間には、神仏混交の大きな神棚が設置されている。
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鎧甲 - 上時国家
私用部分の部屋には、現在は展示品を陳列している。大庄屋の公務用品、千石船用品、日用品などで、ごく初期の輪島塗の器は美術品として評価が高い。
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儀式用品 - 上時国家
25代目当主が、邸内にある土産物売場で販売をしておられる。
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イトトンボ - 上時国家
表庭に面した縁側にイトトンボを発見。東京では滅多に見なくなった昆虫だ。

わが国では、イトトンボの多くが絶滅の危惧があるとしてレッドデータに登録されている。
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赤とんぼ - 上時国家
同じ縁側に赤とんぼを発見。
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交通アクセス

【鉄道+バス】
  • 輪島駅前から北鉄バスで約35分、「下時国」バス停で下車。780円

参考サイト

上時国家 関連

近隣の情報

(この項おわり)
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