観光地としても有名で、6月下旬~10月中旬頃には観光放水が行われる。放水は毎秒10トンにも及ぶが、発電に使っている水量の7分の1でしかない。
そのまま放水すると川底が削れてしまうため、水を霧状にして放水している。太陽光の角度次第では、美しい虹を見ることができる。
今回は、予約が必要な専用ツアーを使って黒部ダムへ向かうことにした。このルートは、2024年(令和6年)6月30日から「黒部宇奈月キャニオンルート」という旅行商品として提供する予定だったが、2024年(令和6年)1月1日の能登半島地震の影響で予約が延期となっている。
そのまま放水すると川底が削れてしまうため、水を霧状にして放水している。太陽光の角度次第では、美しい虹を見ることができる。
今回は、予約が必要な専用ツアーを使って黒部ダムへ向かうことにした。このルートは、2024年(令和6年)6月30日から「黒部宇奈月キャニオンルート」という旅行商品として提供する予定だったが、2024年(令和6年)1月1日の能登半島地震の影響で予約が延期となっている。
まず、黒部峡谷鉄道の宇奈月駅からトロッコ列車で終点の欅平駅(標高600メートル)へ。
ここから関西電力黒部専用鉄道を使って移動する。
1930年代から活躍している電気機関車に乗り、世紀の難工事を支えた竪坑エレベーターの下部駅へ向かう。
1930年代から活躍している電気機関車に乗り、世紀の難工事を支えた竪坑エレベーターの下部駅へ向かう。
トンネルを掘削するために166℃に及ぶ岩盤を掘削したことから、高熱隧道と呼ばれており、犠牲者300人あまりを出して貫通した。同時期に完成した丹那トンネルをはるかに上回る犠牲者数である。
このあたりは、500万年前の花崗岩と100万年前の花崗岩の境目になっており、その隙間を、地下深くにあるマグマからの熱が伝わってくるため、高熱となっている。
竪坑エレベーターは2015年(平成27年)5月から公開されており、専用ツアーで乗ることができる。
エレベーターに乗ると、200メートルを2分ほどで上昇し、上部駅(標高800メートル)に到着する。
エレベーターに乗ると、200メートルを2分ほどで上昇し、上部駅(標高800メートル)に到着する。
黒部川第四発電所は1961年(昭和36年)1月に発電を開始した。発電社建屋は、景観保護と積雪対策のため、変電設備とともに岩盤をくりぬいた中にある。幅22メートル、高さ33メートル、奥行き117メートルという広大な空間には、4台の発電機が設置されている。
黒部ダムから引いてきた水を、最大で毎秒72立方メートル、545.5メートルを落とすことで、最大出力は33.5万kWを誇る。ダム式水力発電所の発電能力としては国内第4位である。
そこで、黒部川水系に水力発電所を増設するなどして、2013年(平成25年)夏には出力合計89万kWと過去最大に達した。
水力発電は火力と違い、稼動から20分ほどでフル出力に達し、夏場の急激な電力需要増加にも対応できる。黒部川発電所も、水車の取り替えなどで出力を増強させる計画という。
黒部川第四発電所から黒部湖までは、全長815メートル、34度の急斜面を、関西電力の設備であるインクラインに乗り、400メートルの高低差を約20分で上る。
黒部川第四発電所から黒部湖までは、全長815メートル、34度の急斜面を、関西電力の設備であるインクラインに乗り、400メートルの高低差を約20分で上る。
インクラインは、1959年(昭和34年)11月に運転開始した貨物運搬用のケーブルカーで、人員輸送は取り外し式のA・Bの車体番号が付いている客室ユニットで行う。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のエンドクレジットに関西電力が出てくるが、これは、ジオフロントへ降下する乗り物がインクラインを参考にしているからとのこと。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破」のエンドクレジットに関西電力が出てくるが、これは、ジオフロントへ降下する乗り物がインクラインを参考にしているからとのこと。
ダムによって堰き止められた部分が黒部湖で、貯水量は2億立方メートル(東京ドーム160杯分)となっている。
降水量が多く急峻な黒部川は水力発電に適していることから、大正時代から発電所の建設が進められてきた。1936年(昭和11年)に第二発電所が、1940年(昭和15年)には第三発電所が運転開始した。
戦後、高度経済成長期を迎えると、関西地方には深刻な電力不足が発生。工場は週2日、一般家庭では週3日、電力制限が課せられる有様だった。そこで、関西電力は1956年(昭和31年)、黒部ダムと第四発電所の建設に着手した。
完成した第四発電所の発電量は、当時の大阪の消費電力の半分を賄ったという。
戦後、高度経済成長期を迎えると、関西地方には深刻な電力不足が発生。工場は週2日、一般家庭では週3日、電力制限が課せられる有様だった。そこで、関西電力は1956年(昭和31年)、黒部ダムと第四発電所の建設に着手した。
完成した第四発電所の発電量は、当時の大阪の消費電力の半分を賄ったという。
作業人員延べ1000万人、513億円の巨費(関西電力資本金の5倍)を投じ、1963年(昭和38年)6月に竣工した。建設工事では、171人の殉職者を出している。
立山連峰の剱岳(標高2999メートル)と、右下に三ノ窓雪渓が見える。2012年(平成24年)、三ノ窓雪渓が氷河であることが認められた。それまで日本には氷河は存在しないと言われていた。
黒部ダム建設で最難関であった破砕帯から噴き出してくる地下水。現在は名水となって、観光客の喉を潤している。
交通アクセス
近隣の情報
- 黒部ダム:黒部ルートを使って内側から施設見学:ぱふぅ家のホームページ
- 出し平ダム・小屋平ダム:ぱふぅ家のホームページ
- 黒薙温泉は黒部峡谷の秘湯:ぱふぅ家のホームページ
- 宇奈月駅から新山彦橋、山彦遊歩道、宇奈月ダムへ:ぱふぅ家のホームページ
- 宇奈月温泉はトロッコ列車の観光拠点:ぱふぅ家のホームページ
- 欅平は黒部峡谷随一の観光スポット:ぱふぅ家のホームページ
- 内山駅は富山地方鉄道本線の無人駅:ぱふぅ家のホームページ
- トロッコ電車全線開通、新緑の景色楽しむ(2022年6月3日)
- 黒部峡谷パノラマ展望ツアー始まる(2019年6月2日)
- 宇奈月ダムに日本酒貯蔵 試飲会「まろやかな味」(2017年3月7日)
- 宇奈月温泉に掛け流しの総湯完成(2016年4月30日)
参考サイト
- 黒部ダム
- 黒部宇奈月キャニオンルート
- 絶景!黒部峡谷〜黒部の絶景は電源開発の軌跡にあり?〜:ブラタモリ,NHK
(この項おわり)
また、堤頂長492.0メートル、堤体積158万立方メートル、ともに国内第1位である。
黒部川第四発電所を有することから、黒四ダムとも呼ばれる。