
南三陸町震災復興祈念公園

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旧南三陸町防災対策庁舎
南三陸町震災復興祈念公園(宮城県南三陸町志津川字塩入31)は、2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災で犠牲となった人々の追悼・鎮魂の場として整備され、2020年(令和2年)10月に全体開園した。写真は、15.5メートルの大津波により流出し、鉄骨のみ残った旧南三陸町防災対策庁舎だ。

八幡川
防災対策庁舎は、チリ地震の2.4メートルの津波にも対応できるよう、3階建てになっており、2階に危機管理課があり、高さ約12メートルの屋上が避難場所となっていた。震災当日、津波の高さは6メートルの予想で、62回に渡り防災無線で住民に避難を呼びかけ続けた。

八幡川
しかし、高さ予想は10メートルとなり、庁舎に勤務していた130名のうち53名が屋上へ避難したが津波にのみ込まれ、43名が犠牲になった。
庁舎は、一番太い鉄骨は原形を保っているが、それ以外はほとんどが曲がっており、津波の力の大きさを実感する。
庁舎は、一番太い鉄骨は原形を保っているが、それ以外はほとんどが曲がっており、津波の力の大きさを実感する。
近くを八幡川(志津川)が流れており、防災庁舎は志津川湾の河口から約600メートルの位置にあった。
震災復興祈念公園の中心には「祈りの丘」と名付けられた築山があり、震災で犠牲になった町内の犠牲者804名の名簿を納めた「名簿安置の碑」と、町の復興を祈念して設えられた「復興祈念のテラス」が設置されている。
震災復興祈念公園の中心には「祈りの丘」と名付けられた築山があり、震災で犠牲になった町内の犠牲者804名の名簿を納めた「名簿安置の碑」と、町の復興を祈念して設えられた「復興祈念のテラス」が設置されている。

八幡川
2014年(平成26年)7月から南三陸町志津川地区の復興工事がはじまり、021年9月に竣工した。あらたに街や公園と一体化した防潮堤が築かれ、左岸側にさんさん商店街、右岸側に震災復興祈念公園が整備され、八幡川には隈研吾が設計した中橋が架かる。

中橋

中橋
中橋の下段は写真のようにウッドデッキのような造りになっている。歩くと、少し揺れを感じる。

南三陸311メモリアル
隈研吾は、震災後から南三陸町の復興を支援しており、写真の南三陸311メモリアルも設計した。「海と山、過去と未来を繋ぐ船」として防災と共存しながらも海と陸が切り離されないようなグランドデザインを目指した。館内には震災の記録や関連アートが展示されている。入場有料。
外階段で2階に昇ると、震災復興祈念公園、さんさん商店街を一望できる展望デッキがある。こちらは無料。

南三陸さんさん商店街
南三陸さんさん商店街は、2012年(平成24年)に仮設商店街として始まり、2014年(平成26年)7月に天皇・皇后両陛下が訪問された。2017年(平成29年)に本、隈研吾が設計した本設商店街に移行。南三陸311メモリアルに隣接し、八幡川の堤防沿いに商店が建ち並ぶ。

南三陸さんさん商店街
南三陸311メモリアルの展望デッキからさんさん商店街を見下ろす。
2024年(令和6年)9月現在、28店舗が営業しており、飲食だけでなくお土産も売っている。コンビニのミニストップもある。
2024年(令和6年)9月現在、28店舗が営業しており、飲食だけでなくお土産も売っている。コンビニのミニストップもある。

南三陸キラキラ丼 - 弁慶鮨
1983年(昭和58年)創業。震災で店舗が流出するが、2012年(平成24年)12月にさんさん商店街で営業再開。南三陸キラキラ丼に次ぐ名物として、2023年(令和5年)10月から「南三陸さんごめし」を提供開始。

道の駅「さんさん南三陸」
24時間無料で利用できるトイレなどの休憩場所が用意されている。トイレの脇には、道の駅スタンプが設置されている。切符やスタンプブックなどのグッズは、観光案内所・交流施設「南三陸ポータルセンター」で販売している。

JR志津川駅
交通アクセス
【バス】

- JR志津川駅(BRT)から徒歩3分
- 三陸自動車道「志津川IC」から約5分

参考サイト
- 南三陸町震災復興祈念公園:南三陸町
- 南三陸町震災復興祈念公園:南三陸町観光協会
- 南三陸町震災復興祈念公園・中橋・南三陸町旧防災対策庁舎:
- 中橋:隈研吾建築都市設計事務所
- 南三陸311メモリアル
- 南三陸311メモリアル:隈研吾建築都市設計事務所
- 南三陸さんさん商店街
- 弁慶鮨
- 弁慶鮨:Instagram
- 道の駅「さんさん南三陸」
- 気仙沼駅と東日本大震災の記憶:ぱふぅ家のホームページ
- 奇跡の一本松と道の駅「高田松原」:ぱふぅ家のホームページ
- 気仙沼駅と東日本大震災の記憶:ぱふぅ家のホームページ
- 陸前高田駅は東日本大震災で流出:ぱふぅ家のホームページ
- 九段会館は二・二六事件の時に戒厳司令部が置かれた:ぱふぅ家のホームページ
- 常磐線不通区間の富岡駅から浪江駅へ(2020年3月運転再開):ぱふぅ家のホームページ
- 『呼び覚まされる霊性の震災学』(東北学院大学/金菱清,2016年01月)
近隣の情報
- 石巻市震災遺構 大川小学校:ぱふぅ家のホームページ
- 気仙沼駅と東日本大震災の記憶:ぱふぅ家のホームページ
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- 自由研究のネタいっぱいだよ。気仙沼・伝承館で夏のイベント始まる(2022年8月1日)
- 命と防災を考える花「あいりちゃん」満開に(2021年6月5日)
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- 登米の旧商家、学生提案で魅力発信(2018年8月29日)
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(この項おわり)