強欲は鬱になりにくい?

2017年9月20日 作成
鬱状態
睡眠不足の状態であっても鬱状態になりにくい人がいることが、米デューク大学の研究によって分かった。
約1100人の大学生を対象に、睡眠状態と気分に関するアンケートに答えてもらったうえで、脳スキャンを実施しました。脳スキャンの間、被験者らにはカードゲームをプレイしてもらった。
ゲームの内容は、カードの数字が5よりも大きいか小さいかを当てるというもので、正解率が高くなるほどお金をもらえるようになっている。さらに、正解すると賞賛の言葉を受け取り、間違えるとネガティブなフィードバックを受け取る。
ゲームは1ラウンドあたり1分、計6ラウンド行われたのですが、実際には各ラウンドは80%の確率で正解あるいは不正解になるように操作されていた。

脳スキャンでは、報酬に関わる事象が発生した時に発火する線条体の様子が観察された。
その結果、報酬への反応が強い人は睡眠不足による負の影響を受けにくいことが判明した。つまり、同じ睡眠不足の状態であっても、報酬への反応が強い人は報酬への反応が弱い人に比べて、鬱症状が出にくいというわけだ。

鬱症状の1つに、以前は楽しめたことにも喜びを見いだせなくなる「無快感症」というものがあり、これまでの研究で無快感症と線条体が関係していると報告されていた。今回の研究は、線条体が無快感症にとどまらず、鬱症状全体に関係しているということを示している。

参考サイト

(この項おわり)
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