『医者を悩ます「ニュータイプなうつ病」がわかる本』

山田和男=著
表紙 医者を悩ます「ニュータイプなうつ病」がわかる本
著者 山田和男
出版社 講談社
サイズ 全集・双書
発売日 2009年09月
価格 1,430円(税込)
ISBN 9784062594981
多少の残業時間があっても、いくらか裁量権が制限されていても、仕事に対する達成感があれば、なんとかやっていける人も多いようです。(172ページ)

レビュー

うつ病の男性のイラスト
アメリカで1年間にうつ病にかかるコストは約5兆円という。
そんな中、「ニュータイプなうつ病」が増えている。それは、「長引く/教科書破り/若年化/多様化/軽症にみえる/治療が難しい/社会復帰しづらい」という特徴があり、旧来の治療法が通用しない病気だという。こんな病気にかかると、家族も、上司も、同僚も、部下も、人事担当者も、学生担当の教員も、精神科医も、みんなが困ってしまう。
精神科医として長いキャリアを持つ筆者は、「ニュータイプなうつ病」の問題点として「ニュータイプなうつ病はわかりにくい」「ニュータイプなうつ病は治りにくい」(20ページ)をあげる。
そして筆者は、「残業時間の多さと裁量権のなさがうつ病を増やしているよう」(172ページ)だと分析。加えて、「多少の残業時間があっても、いくらか裁量権が制限されていても、仕事に対する達成感があれば、なんとかやっていける人も多い」(172ページ)と指摘している。

いまの日本の元気の無さが、「ニュータイプなうつ病」に反映されているのかもしれない
(2010年9月15日 読了)

参考書籍

表紙 雅子さまと「新型うつ」
著者 香山リカ
出版社 朝日新聞出版
サイズ 新書
発売日 2009年03月
価格 770円(税込)
ISBN 9784022732668
仕事中はうつ、私生活では活動的ー。働き盛りの男女に増えている「新型うつ」。従来型うつの常識が通用しない新たな国民病に、医師も患者も周囲もとまどっている。「皇室」という日本社会の映し鏡を通して、気鋭の精神科医が現代人の「心」の病の深層に迫る。
 
表紙 なぜうつ病の人が増えたのか
著者 冨高辰一郎
出版社 幻冬舎ルネッサンス
サイズ 単行本
発売日 2009年07月
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784779004537
うつ病になるのはあなたのせいではない。これはつくられた「病い」だったー。薬と休養を勧めるだけのうつ病対策では不十分。現役精神科医が、うつ病診療の問題点と解決策を書き尽くす。
 
表紙 誇大自己症候群
著者 岡田尊司
出版社 筑摩書房
サイズ 新書
発売日 2005年09月
価格 814円(税込)
ISBN 9784480062635
「普通の子」が、些細なことから突発的に凶悪な事件を起こす。彼らはなぜ、世間を震撼させる犯罪者になったのか?従来の精神医学ではとらえきれない病理を、「誇大自己症候群」という切り口から探る。そこに共通するのは、幼児的な万能感やヒーロー願望、現実感に乏しいファンタジー傾向、他者への共感性の欠如や自己正当化などである。そしてそれらは、とりもなおさず、現代の大人たち、ひいては社会全体に見られる心的傾向なのだ。本書では、この病理を徹底分析、自己の呪縛が肥大化した現代を検証しつつ、その超克を見据えた画期的論考。
 
表紙 セロトニン欠乏脳
著者 有田秀穂
出版社 日本放送出版協会
サイズ 新書
発売日 2003年12月
価格 748円(税込)
ISBN 9784140880937
キレる子どもや鬱の大人の脳では、セロトニン神経が衰弱し、脳内物質が欠乏している。不安や恐怖、興奮を適度に抑え、覚醒時のクールな意識(とらわれない心)を演出するセロトニン神経の不思議な働きを明らかにする。リズム運動できたえ、昼夜逆転した生活習慣を見直すことなどで、弱った脳と心に静かなパワーをとり戻す方法を、脳科学研究の最前線から提案する。
 
表紙 病み情報社会
著者 金子義保
出版社 新書館
サイズ 単行本
発売日 2007年12月
価格 4,180円(税込)
ISBN 9784403120206
厚生労働省、製薬会社、大学医学部、病院、マスコミのネットワークが病気を蔓延させている-だけではない、現代社会の仕組みそのものが病気をつくっているのだ。淡々と並べられてゆく事実が浮き彫りにする現代医療の恐るべき実態。
 
表紙 医者を悩ます「ニュータイプなうつ病」がわかる本
著者 山田和男
出版社 講談社
サイズ 全集・双書
発売日 2009年09月
価格 1,430円(税込)
ISBN 9784062594981
「ニュータイプなうつ病」は誰でもなるかもしれない“ココロの花粉症”。原因、症状から治療法まで、近年急増しているうつ病の新分野を気鋭の精神科医が徹底解析。
 

参考サイト

(この項おわり)
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