『ホンモノの日本語を話していますか』――日本語への愛情

金田―春彦=著
表紙 ホンモノの日本語を話していますか
著者 金田一春彦
出版社 角川書店
サイズ 新書
発売日 2001年04月
価格 628円(税込)
ISBN 9784047040267
ところが私は勝山さんの晩年になって、この記号にもっと深い意味があることに気づいたのである。ト音記号は戦前、「ト字記号」と言った。ハニホヘトのトの音を表す記号という意味である。藤山さんは「閉じる記号」という洒落を考えてこの記号を使っていたのである。(215ページ)

概要

外国語を学ぶ人のイラスト(女性)
国語の辞書で有名な金田一春彦さんの著作。日本語への愛情が感じられるとともに、日本語に対する博識には舌を巻く。

たとえば、「東日本一帯では、日の数の読み方が東京と少し違っている」という。「あさっての次は、東京ではシアサッテ、次がヤノアサッテだが、東日本一帯ではあさっての次はヤノアサッテ、その翌日がシアサッテとなる」そうである。私も、実家にいたとき、この違いに悩まされたことがある。実家は東京の西部にあるのだが、都心部から転居してきた家族と、地元に住んでいた家族とでは、シアサッテとヤノアサッテの意味が逆転しているのである。そのときは、家によって言い方が違うのかと考えていたのだが、こういう事情があったとは。
(2005年7月28日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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