『誇大自己症候群』――受験戦争、引きこもり、うつ病等々

岡田尊司=著
表紙 誇大自己症候群
著者 岡田尊司
出版社 筑摩書房
サイズ 新書
発売日 2005年09月
価格 814円(税込)
ISBN 9784480062635
完壁を求めすぎる誇大自己症候群の人は、諦めや妥協ができない。(169ページ)

概要

中二病のイラスト(女性)
ごく普通の子どもが些細なことから凶悪な事件を起こす――こんな事件が続いている。
精神科医の岡田尊司さんは、現在の精神科がそういった犯人の病理を捕らえ切れていないことを告白し、「誇大自己症候群」という概念を提唱する。

誇大自己症候群は、幼い万能性や自己愛的な空想に満ちており、もしかすると前頭葉の機能に問題があるかもしれないという。
そして、筆者は警告する。競争社会に晒されている子どもたち、働こうとしない無気力な引きこもりの青年、仕事が辛く抑鬱状態に陥っている会社員――
こうした人たちは、多かれ少なかれ、誇大自己症候群の可能性があるという。また、いわゆる「オタク」も誇大自己症候群に分類されるように思う。彼ら/彼女らは、ちょっとしたことで凶悪犯罪に走るかもしれない。

筆者は、「誇大自己症候群を抱えている人がそれを克服する道は、自分のためではなく、人のために生きることの喜びを知ることにある」(242ページ)と語るが、これはなかなか難しいことである。
(2009年10月6日 読了)

参考書籍

表紙 雅子さまと「新型うつ」
著者 香山リカ
出版社 朝日新聞出版
サイズ 新書
発売日 2009年03月
価格 770円(税込)
ISBN 9784022732668
仕事中はうつ、私生活では活動的ー。働き盛りの男女に増えている「新型うつ」。従来型うつの常識が通用しない新たな国民病に、医師も患者も周囲もとまどっている。「皇室」という日本社会の映し鏡を通して、気鋭の精神科医が現代人の「心」の病の深層に迫る。
 
表紙 なぜうつ病の人が増えたのか
著者 冨高辰一郎
出版社 幻冬舎ルネッサンス
サイズ 単行本
発売日 2009年07月
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784779004537
うつ病になるのはあなたのせいではない。これはつくられた「病い」だったー。薬と休養を勧めるだけのうつ病対策では不十分。現役精神科医が、うつ病診療の問題点と解決策を書き尽くす。
 
表紙 誇大自己症候群
著者 岡田尊司
出版社 筑摩書房
サイズ 新書
発売日 2005年09月
価格 814円(税込)
ISBN 9784480062635
「普通の子」が、些細なことから突発的に凶悪な事件を起こす。彼らはなぜ、世間を震撼させる犯罪者になったのか?従来の精神医学ではとらえきれない病理を、「誇大自己症候群」という切り口から探る。そこに共通するのは、幼児的な万能感やヒーロー願望、現実感に乏しいファンタジー傾向、他者への共感性の欠如や自己正当化などである。そしてそれらは、とりもなおさず、現代の大人たち、ひいては社会全体に見られる心的傾向なのだ。本書では、この病理を徹底分析、自己の呪縛が肥大化した現代を検証しつつ、その超克を見据えた画期的論考。
 
表紙 セロトニン欠乏脳
著者 有田秀穂
出版社 日本放送出版協会
サイズ 新書
発売日 2003年12月
価格 748円(税込)
ISBN 9784140880937
キレる子どもや鬱の大人の脳では、セロトニン神経が衰弱し、脳内物質が欠乏している。不安や恐怖、興奮を適度に抑え、覚醒時のクールな意識(とらわれない心)を演出するセロトニン神経の不思議な働きを明らかにする。リズム運動できたえ、昼夜逆転した生活習慣を見直すことなどで、弱った脳と心に静かなパワーをとり戻す方法を、脳科学研究の最前線から提案する。
 
表紙 病み情報社会
著者 金子義保
出版社 新書館
サイズ 単行本
発売日 2007年12月
価格 4,180円(税込)
ISBN 9784403120206
厚生労働省、製薬会社、大学医学部、病院、マスコミのネットワークが病気を蔓延させている-だけではない、現代社会の仕組みそのものが病気をつくっているのだ。淡々と並べられてゆく事実が浮き彫りにする現代医療の恐るべき実態。
 
表紙 医者を悩ます「ニュータイプなうつ病」がわかる本
著者 山田和男
出版社 講談社
サイズ 全集・双書
発売日 2009年09月
価格 1,430円(税込)
ISBN 9784062594981
「ニュータイプなうつ病」は誰でもなるかもしれない“ココロの花粉症”。原因、症状から治療法まで、近年急増しているうつ病の新分野を気鋭の精神科医が徹底解析。
 

参考サイト

(この項おわり)
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