『日本辺境論』――辺境だからこそ生まれた「マンガ脳」

内田樹=著
表紙 日本辺境論
著者 内田 樹
出版社 新潮社
サイズ 新書
発売日 2009年11月16日頃
価格 880円(税込)
rakuten
ISBN 9784106103360
日本文化というのはどこかに原点や祖型があるわけではなく、「日本文化とは何か」というエンドレスの問いのかたちでしか存在しません。(22 ページ)

概要

クールジャパンのイラスト
日本人とは辺境人である――「日本人とは何ものか」という大きな問いに、「下流志向」の著者・内田樹 (うちだ たつる) さんが正面から答える。常にどこかに「世界の中心」を必要とする辺境の民、それが日本人なのだ、と。

著者は「日本文化というのはどこかに原点や祖型があるわけではなく、『日本文化とは何か』というエンドレスの問いのかたちでしか存在しません」(22 ページ)と語る。これは「他国との比較を通じてしか自国のめざす国家像を描けない」(37 ページ)ためだ。だから国家戦略も描けないし、アメリカ大統領のようなリーダーシップもない。
われわれ辺境人は、中国由来の漢字を“日本語”として取り込んだように、「外部から到来するものに対して本態的に開放性」(160 ページ)はある。しかし反面、外国が当然のものとして持っていた国家や国旗を持っていなかったし、いまでも元首は存在しない(ということになっている)。
これを「ムラ社会」と呼び変えてもいいかもしれない。
ともかく、国際ルールでは当たり前になっていることが、“永久に”当たり前にすることができない国なのである。

外国の事物を受け入れやすいという長所は活かすとして、自国について何も考えないという短所は、そろそろどうにかしなければならない。

本書は末尾で「マンガ脳」と日本人の関係について触れている。これは面白そうな話題なので、今後、ぜひ論陣を展開してもらいたいところである。
(2010 年 5 月 9 日 読了)

参考サイト

(この項おわり)
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