成田エクスプレス 253系は専用特急

榮久庵憲司がデザインを担当
成田エクスプレス 253系
2003年11月3日 品川駅 写真:パパぱふぅ
成田エクスプレス 253系電車は、成田空港(旧称、新東京国際空港)と都心部を結ぶ専用特急として、1991年(平成3年)3月にデビューした。英語名のNarita EXpressから N'EX (ネックス) という略称がある。

後継車両 E259系の登場により、2010年(平成22年)6月末に引退した。
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成田エクスプレス 253系
2000年12月10日 東京駅 写真:パパぱふぅ
1992年(平成4年)鉄道友の会ローレル賞受賞。第4回ブルネル賞で近距離列車部門最優秀賞受賞。JRの車両デザインはこの頃が最も良かったと、ぱふぅ家では昔を懐かしむように語られる。
当初は全車指定席だったが、最近では立席特急券が用意されている。また、高尾、大宮、横浜など様々な方面から成田へ直行できるようになった。

車内は航空機のようなデザインになっており、荷物棚は網棚ではなく蓋の付いたハットラック式になっている。また、デッキ部分にはスーツケースをおける荷物置き場が用意されている。

3両編成2本(6両)は長野電鉄に譲渡され、長野線の特急車両として2011年(平成23年)より使用する予定だ。
この新型特急の愛称が「スノーモンキー」に決まった。車両前面の赤と白のコントラストが、長野電鉄・湯田中駅に近い地獄谷野猿公苑で見られる「雪景色の中、温泉に入る猿」に似ているからだという。

榮久庵憲司

インダストリアル・デザイナーの榮久庵憲司 (えくあんけんじ) がデザインを担当した。

榮久庵憲司は1929年(昭和4年)に東京で生まれ、翌年、ハワイに移住。
帰国して海軍兵学校に進むが、広島の寺の住職だった父の跡を継ぐため、原爆が投下された1945年(昭和20年)8月の終わりに広島市へ入る。
その後、東京芸術大図案科で学び、1957年(昭和32年)にGKインダストリアルデザイン研究所を設立し、誰もが美しいデザインに触れられる「モノの民主化」「美の民主化」を唱えた。

1961年(昭和36年)に発売されたキッコーマンのしょうゆ瓶をデザインした。液だれしない機能性と、すっきりした形状で、国内外向けに約4億本生産された。ほかに、ヤマハのオートバイ、大阪万博の電話ボックスやモノレール、日本中央競馬会やミニストップのロゴマークなど、数多くのデザインを手がけた。

JR東日本では、253系をはじめ、209系255系E217系E231系のデザインを手掛けた。

2015年(平成27年)2月8日、85歳で死去。

253系1000番台

253系1000番台
2016年8月14日 鬼怒川公園駅 写真:こぱふぅ
東武日光線・東武鬼怒川線直通特急「日光」・「きぬがわ」で運用されている 485系および 189系の置き換え用として、内装・外装をリニューアルし、制御方式をVVVFインバータに変更した 1000番台 6両編成2編成が2011年(平成23年)4月から運行開始した。営業最高速度は120km/h。
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253系1000番台
2019年5月3日 北鹿沼駅~明神駅間 写真:こぱふぅ
分割・併合運用がないため、電気連結器を撤去し、前面貫通形を塞ぎ非貫通形へ変更した。
塗装色の変更と相まって、成田エクスプレスの当時の洗練したデザインが失われてしまったのは残念だ。

バリアフリー対策として、車いす対応大型トイレを設置しているほか、ベビーカーやゴルフバッグなどにも対応する大型荷物収容スペースや多目的室を設置した。
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253系1000番台
2016年8月14日 鬼怒川公園駅 写真:こぱふぅ
車体カラーの「赤」と「朱」は日光のシンボルである二社一寺や神橋を表し、「黄」は野山に咲きほこる日光キスゲや美しい紅葉を表している。

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253系1000番台
2019年6月14日 新宿駅 写真:こぱふぅ
東武鉄道へ乗り入れることができる用に、東武用ATS装置や無線装置を搭載した。

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253系1000番台
2016年8月14日 鬼怒川公園駅 写真:こぱふぅ
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253系1000番台
グリーン車を含めて全車普通席に改造し全車普通車に改造し、シートピッチは東武 100系と同等の1,100mmに拡大している。シートカラーは、奇数号車がオレンジ、偶数号車がブルーだ。
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成田エクスプレス関連
(この項おわり)
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