哈瑪星台湾鉄道館は鉄道博物館と交流展示中

2019年9月18日 撮影
哈瑪星台湾鉄道館
哈瑪星 (ハマシン) 台湾鉄道館は、2016年(平成28年)7月にオープンした台湾初の鉄道博物館である。
哈瑪星台湾鉄道館の大きな写真大きな写真
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哈瑪星台湾鉄道館
日本統治時代に海を埋め立てられ高雄港が建設され、貨物倉庫が建ち並んだ。
哈瑪星台湾鉄道館
当時の倉庫を改造して哈瑪星台湾鉄道館が作られた。その名は、貨物を輸送するための鉄道「濱線 (はません) 」の読みを台湾語に当てたものである。
ジオラマ - 哈瑪星台湾鉄道館
ジオラマ
わが国の鉄道博物館にもNゲージやHOゲージのジオラマがあるが、第二展示室のものはアジア最大級。31種類のHOゲージサイズの模型車両が走り回り、総面積は約330m2、線路の総延長は2kmにも達する。台湾鉄道1,083kmの魅力を凝縮。照明により朝昼晩の演出がなされるのは、わが国と同じ。
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新竹駅 - 哈瑪星台湾鉄道館
新竹駅
縮尺1/87で再現されたジオラマは、細部にもぬかりがない。写真の新竹駅 (しんちくえき) は、日本統治時代の1913年(大正2年)に完成し、現存する最古の駅舎である。
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NIPPON から TAIWAN へ - 哈瑪星台湾鉄道館
NIPPON から TAIWAN へ
2019年(令和元年)7月から1年間、企画展示「NIPPON から TAIWAN へ:鉄道の夜明け-鉄道博物館交流展」として、大宮の鉄道博物館の展示物が貸し出されている。

台湾に初めて鉄道が開通したのは、清朝末期の1888年(明治21年)のこと。台北駅から錫口駅が開通した。その後、1893年(明治26年)10月に新竹駅まで延伸し、総延長は100kmとなった。
日清戦争後、日本統治下に入ると、台湾総督府鉄道が鉄道整備を急ピッチで勧めた。1908年(明治41年)4月、高雄までの縦貫線(約400km)が全線開業した。1940年(昭和15年)には、食堂車を連結した急行列車が走り、台湾鉄道はたいへんな賑わいだった。
台湾鉄道部歌 - 哈瑪星台湾鉄道館
台湾鉄道部歌
1938年(昭和13年)、コロムビアから発売された台湾鉄道部歌のレコード。

1945年(昭和20年)、日本が敗戦すると、台湾は中華民国の統治下に入った。台湾総督府鉄道も中華民国に接収され、台湾鉄路管理局に組織改編された。

1987年(昭和62年)まで戒厳令下にあった台湾は、重要インフラとしての鉄道の整備を続けた。まず、1970年代末に縦貫線が電化され、1991年(平成3年)には環島鉄路(台湾一周鉄道)が完成した。
鐵路時刻表 - 哈瑪星台湾鉄道館
鐵路時刻表
1939年(昭和14年)の時刻表。

中華民国は、当初、ディーゼル機関車はアメリカから、気動車は日本から輸入していた。1972年(昭和47年)の日中国交正常化で、日台関係が冷却化し、これ以降の電化はフランスの技術を導入していた。
しかし、2000年代に入ると、再び日本から電車を導入し、2007年(平成19年)には、電気・制御系統はヨーロッパのTGVを、車両に日本の新幹線を採用した台湾高速鉄道が開業した。現在では、台湾車輌が製造した車両も登場している。
切符 - 哈瑪星台湾鉄道館
切符
日本統治時代の切符(硬券)。

現在、国営の台湾鉄道は13路線あり、台湾の外周を1周している。
切符は、日本と同じく、窓口や自動券売機、ネット予約で購入することができる。
交通ICカード「Easy Card」(悠遊カード)は、台湾鉄道のほか、台湾国内の各種交通機関に乗車できる。MRT運賃は20%割引となる。各駅で販売しているほか、桃園国際空港でも購入できる。
CK50形蒸気機関車 - 哈瑪星台湾鉄道館
CK50形蒸気機関車
屋外には車両が静態展示されている。
CK50形蒸気機関車は、1905年(明治38年)に製造されたもので、鉄道院3150形蒸気機関車の設計を模したと考えられている。1912年(明治45年)までに14両が製造され、そのすべてが太平洋戦争後まで生き残り、台湾鉄路管理局に引き継がれた。
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DT580形蒸気機関車 - 哈瑪星台湾鉄道館
DT580形蒸気機関車
DT580形蒸気機関車は、1929年(昭和4年)、日本の9600形蒸気機関車を台湾へ導入したもの。
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CT250形蒸気機関車 - 哈瑪星台湾鉄道館
CT250形蒸気機関車
CT250形蒸気機関車は、1935年(昭和10年)に製造されたもので、同時期に製造された日本のC55形蒸気機関車を台湾へ導入したもの。
1970年代末、縦貫線が電化されるまで活躍していた。
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ミニ列車 - 哈瑪星台湾鉄道館
ミニ列車 高雄捷運Urbos3
館外を、小さな高雄捷運Urbos3(高雄ライトレール)が周回している。
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交通アクセス

【鉄道】
  • メトロ橘線「鹽埕埔駅」(O2駅)1号出口より大勇路に沿って南へ徒歩約5分
  • メトロ橘線「西子湾駅」(O1駅)2号出口より西臨港線自転車道に沿って東へ徒歩約2分

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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