リニア・鉄道館は高速鉄道技術の進歩を展示

2013年8月26日 撮影
リニア・鉄道館
リニア・鉄道館(愛知県名古屋市港区金城ふ頭3丁目2番2)は2011年(平成23年)3月14日に開館したJR東海の博物館で、東海道新幹線を中心に、在来線から次世代の超電導リニアまでの展示を通じて、「高速鉄道技術の進歩」を紹介している。
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超電導リニア

超電導リニア MLX01-1 - リニア・鉄道館
MLX01は、1996年(平成8年)から山梨リニア実験線に導入された超電導リニアだ。
先頭車両の形状は、空気抵抗を減らすためのダブルカスプ型となっている。車体はアルミニウム合金を主体としたセミモノコック構造で、トンネル走行時にかかる外圧変動にも耐えることができる。
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2003年(平成15年)、鉄道の世界最高速度(581km/h)を記録した。

東海道新幹線

0系新幹線 - リニア・鉄道館
新幹線0系電車は、1964年(昭和39年)に「夢の超特急」として登場した初代新幹線車両である。営業最高速度は220km/h。1986年(昭和61年)までに改良を重ねつつ、合計3,216両が製造された。
第8回(1965年)鉄道友の会ブルーリボン賞を受賞。
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100系新幹線 - リニア・鉄道館
新幹線100系電車は、1985年(昭和60年)10月にデビューした東海道・山陽新幹線の第2世代車両である。
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車体は、0系で問題となった騒音の低減を図るために、徐々に断面積を大きくしてゆく「流線型」とした。また、新幹線として初めて2階建車両が導入された。
車体は、0系と同じ鋼性であるが、編成重量は0系の967トンより軽く、850トン前後である(編成によって若干異なる)。営業最高速度は0系と同じ220km.hである。
300系新幹線 - リニア・鉄道館
新幹線300系電車は、東海道・山陽新幹線の第3世代の車両で、1992年(平成4年)3月にデビューした。
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営業最高速度は260km/hになり、東京~新大阪を約2時間半で結ぶ「のぞみ」として登場することになった。
車体はアルミニウム合金で、VVVFインバータ制御を採用。編成重量は約630トンと大幅な軽量化に成功した。
300系新幹線の車内 - リニア・鉄道館
300系新幹線の車内は、ブラウンが基調の落ち着いた雰囲気。
シートは2+3の横5列配列で、シートピッチは1,040mm。3人掛けの中央席(B席)のみ、ほかの席に比べ4センチほど幅が広い。
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食堂車、個室、カフェテリアがなくなり、ビジネスユースに特化した車両となった。
歴代の新幹線 - リニア・鉄道館
1964年(昭和39年)に登場した0系から、2012年(平成24年)に引退した300系まで、歴代の新幹線が並べて展示されている。
2013年(平成25年)12月、あらたに700系が搬入され、0系、100系、300系、700系の4世代の新幹線が並ぶことになった。会社が違うとはいえ、500系が無いのは片手落ちだと思うのだが。
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ドクターイエロー922形 - リニア・鉄道館
ドクターイエロー 922形は、新幹線の線路の歪みや線路の状態などを走りながら計測できる「新幹線電気軌道総合試験車」の愛称である。1962年(昭和37年)に登場した。
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2006年(平成18年)の引退後、博多総合車両所に留置されていたものを引き取った。
試験車両955形 - リニア・鉄道館
試験車両 955形は、次世代新幹線の研究開発のために製造されたた6両編成の高速試験用電車である。
1995年(平成7年)1月に登場し、1996年(平成8年)7月26日未明、米原−京都間で国内車輪・レール系で最高の443.0km/hを達成した。
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蒸気機関車

C62形蒸気機関車 - リニア・鉄道館
太平洋戦争終戦当時、GHQの指導で機関車の新造を行うことは困難だった。そこで余っていた貨物牽引用機関車を改造したものがC62形蒸気機関車である。
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1948年(昭和23年)に登場し、東海道本線、山陽本線など主要幹線の優等列車牽引に使用された。機関車の重量は88.8トン、動輪直径は1,750mmと国内最大級、営業速度も100km/hと国内最速を誇った。
通称シロクニ。
つばめ - リニア・鉄道館
つばめは、戦後初の国鉄特急として1949年(昭和24年)9月、東京駅 - 大阪駅間で運行が始まった。所要時間は9時間。
当初は「へいわ」という名称だったが、翌年、公募により「つばさ」に改名された。
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C62形蒸気機関車 - リニア・鉄道館
展示されている17号機は、1954年(昭和29年)、狭軌鉄道の蒸気機関車としての世界最高速度(129km/h)を記録した。
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C57形蒸気機関車 - リニア・鉄道館
C57形式蒸気機関車は、1937年(昭和12年)に製造が始められた。貴婦人の愛称で呼ばれていたが、機関車の重量は67.5トン、動輪の直径は1,750mmと国内最大級。
通称シゴナナ。
1947年(昭和22年)までに201両が製造された。
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C57形蒸気機関車 - リニア・鉄道館
展示されている139号機はお召列車にも使用され、準鉄道記念物に指定されている。
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在来線

キハ82系 - リニア・鉄道館
キハ82系気動車は1961年(昭和36年)に製造が始まった。高い信頼性と優れた居住性が特長で、全国の特急列車に利用された。また、洗練された先頭部のデザインは、その後に登場するさまざまな車両に影響を与えた。
営業最高速度は100km/hである。
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モハ63形 - リニア・鉄道館
モハ63形電車は、1944年(昭和19年)に製造が始まった。
太平洋戦争末期の旅客輸送を目的に製作された通勤形電車で、戦争による資材と熟練工の不足を補うため、車体構造は徹底的に簡素化されていた。

現在でも通勤形電車の標準仕様となっている「全長20m、片側4扉」を採用した最初の電車である。
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クハ381形電車 - リニア・鉄道館
クハ381形式電車は、国鉄が1973年(昭和48年)から製造開始した直流特急型車両である。
曲線区間を通過するときに車体を内側に傾けることで、より高速の運転を可能にした振子式システムを初めて採用した特急形電車で、中央本線の「しなの」で活躍した。
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クロ381形 - リニア・鉄道館
中央本線の特急「しなの」の魅力をアップさせるために、サロ381形式電車を改造して生まれたパノラマ車である。
長野寄りの先頭車として使われ、よりワイドな展望が評判だった。
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117系電車 - リニア・鉄道館
117系電車は、国鉄が私鉄に対抗するため、153系の置き換え用として1979年(昭和54年)に製造開始した車両である。
車体は鋼製で、主動機は113系と同等のものが使われている。
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117系電車 - リニア・鉄道館
関西圏では新快速電車に投入され、シティライナーの愛称で親しまれた。名古屋地区ではトイレの設置などの改良が施されて投入され、東海ライナーの愛称がつけられた。
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発券機

印刷発行機 - リニア・鉄道館
1969年(昭和44年)、静岡県で実用化試験を行い、豊橋駅、尾張一宮駅などに導入されたもの
行き先ボタンを押すことで、乗車券、自由席特急券、定期券を発行できる。
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マルス - リニア・鉄道館
日立製作所によって開発が始まった国鉄の発券システム「MARS (マルス) 」の端末。の成長のドキュメンタリーである。

マルス以前の座席予約システムは、回転する円卓に紙の予約台帳が並べられており、その円卓の回転速度が速いため、オペレータには動体視力と反射神経が要求され、けが人が続出したという。
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1960年(昭和35年)に登場した「マルス1」は、東海道新幹線開業前にリリースされたのだが、当初、新幹線の予約には使われなかったという。当時の人たちは、電算機を信用していなかったためだ。しかし、「マルス1」は順調に実績を伸ばし、関係者の信頼を勝ち得ていった。そして新幹線をはじめとする、すべての座席予約を担うこととなった。

その後、マルスがカバーする範囲はどんどん広がり、現在では発券はもちろんのこと、ホテルやレンタカーの予約も含み、自宅の電話やインターネットからの予約ができるようになった。
現在のマルスは、データ投入から発券までのレスポンスタイムは最大6秒を保証するという。

鉄道ジオラマ

ジオラマ - リニア・鉄道館
リニア・鉄道館のジオラマは、HOゲージで、ジオラマ京都JAPANよりやや広く、鉄道ジオラマとしては日本最大面積を誇る。
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ジオラマ - リニア・鉄道館
東海道新幹線沿線などの代表的な建物や景色、日常的な人々の様子を精緻に再現。その中を超電導リニア、700系・N700系の新幹線、JR東海の代表的な在来線車両の鉄道模型が走行する。
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ジオラマ - リニア・鉄道館
新幹線が走っていた線路には保守用車両がやってきて、深夜の点検保守作業の様子を再現する場面など、鉄道の24時間をジオラマの世界で見ることができる。
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ジオラマ - リニア・鉄道館
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運転シミュレーター

シミュレータ - リニア・鉄道館
新幹線シミュレータでは、N700系新幹線の実物大の運転台で臨場感と迫力のある運転操作を体験することができる。
抽選・有料。1回15分。
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シミュレータ - リニア・鉄道館
在来線の運転シミュレータが8台(211系・313系タイプ各4台)あり、そのほかに最新の実物大「313系」の車掌シミュレータもある。この車掌シミュレータは、乗降時の安全確認を行った上でのドアの開閉や車内アナウンスなど、より実践的な車掌業務を体験することができる。
いずれも抽選・有料。
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シミュレータ - リニア・鉄道館
10分間の運転シミュレーションを終わると、画面に「修了証」が表示される。
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さまざまな駅の設備

行き先掲示板 - リニア・鉄道館
懐かしい新幹線の行き先掲示板。
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自動改札機 - リニア・鉄道館
東海道新幹線の自動改札機。
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自動券売機 - リニア・鉄道館
東海道新幹線の自動券売機。EXカードに対応したものだ。
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参考書籍

表紙 みどりの窓口を支える「マルス」の謎
著者 杉浦一機
出版社 草思社
サイズ 単行本
発売日 2005年10月
価格 1,650円(税込)
ISBN 9784794214331
開発の歴史から将来の進化まで、あの「プロジェクトX」でも取りあげたマルス・システムの全容を描く。
 

いままでに訪れた鉄道系博物館

リニア・鉄道館 関連

交通アクセス

【鉄道】
  • 名古屋駅から「あおなみ線」に乗車、終点の「金城ふ頭 (きんじょうふとう) 」駅下車、徒歩2分。
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出発地の最寄駅:

目的地:リニア・鉄道館

近隣の情報

(この項おわり)
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