飛騨大鍾乳洞は発見者の趣味の世界

2019年8月13日 撮影
竜宮の宮殿 - 飛騨大鍾乳洞
竜宮の宮殿
飛騨大鍾乳洞(岐阜県高山市丹生川町日面1147)は、1965年(昭和40年)、大橋外吉 (おおはしとよし) によって発見され、1968年(昭和43年)6月から観光鍾乳洞として一般公開されている。標高900メートルにあり、観光鍾乳洞の中では一番高い場所にある。
竜宮の宮殿 - 飛騨大鍾乳洞の大きな写真大きな写真
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飛騨大鍾乳洞
観光洞は第1~第3洞に分かれており、全長800メートル。未開発部分が1,000メートルある。ペット連れでの入場可能。

地元の実業家・大橋外吉が発見したもので、現在は飛騨大鍾乳洞観光株式会社が運営している。
大橋氏の趣味としか形容のしようがない独特の観光鍾乳洞である。
日本一宿儺鍋 - 飛騨大鍾乳洞
入口のすぐ前に設置されている日本一宿儺 (すくな) 鍋は、毎年11月に催されている飛騨にゅうかわ宿儺まつりで、2001年(平成13年)から2007年にかけて野菜鍋を振る舞う際に使われていたもの。直径6.1メートル、重さ9トンもある。
すくなっツー - 飛騨大鍾乳洞
記念写真撮影場所には、飛騨乗鞍観光協会のゆるキャラ「すくなっツー」のパネルが設置されている。

地元に伝わる伝説の巨人・両面宿儺 (りょうめんすくな) をモチーフとしたもので、顔が両面にあり、手足もそれぞれ4本ずつある。
宿儺は、その4本の腕を巧みに使い、一度に二張りの弓を射ることができ、また走ると馬よりも速かったという。高沢山(現・暁堂寺)の毒龍を滅ぼし、飛騨の位山の鬼神を退治した。
こうして飛騨国で権勢を振るった宿儺だったが、やがて、天皇の命を受けた武振熊 (たけふるくま) に討伐されることになる。
飛騨大鍾乳洞
駐車場の周りには食堂や土産物屋が軒を連ねている。
恋人の聖地 - 飛騨大鍾乳洞
恋人の聖地
恋人の聖地となっており、お馴染みの鐘が設置されている。
大橋コレクション館 - 飛騨大鍾乳洞
大橋コレクション館
受付で入場料を払う。大きな荷物は受け付けで預かってくれる。
まず、2階の大橋コレクション館を通らされる。大橋外吉が私財を投じてコレクションした美術品、装飾品、奇石、化石など、国もジャンルも問わない約1千点の品々が並んでいる。
飛騨大鍾乳洞
2007年(平成19年)3月、展示品の目玉である100kgの金塊が盗まれた(翌年、71.7kgが戻ってくる)。

大橋コレクション館の2階から渡り廊下を渡って、飛騨大鍾乳洞の入口にやって来る。
飛騨大鍾乳洞
洞内の通年平均気温は約12℃と、とても涼しい。
夢の宮殿 - 飛騨大鍾乳洞
夢の宮殿
冒頭の竜宮の宮殿を過ぎると、夢の宮殿がある。
飛騨大鍾乳洞は、鍾乳管(ストロー)と呼ばれる、つららのような鍾乳石が多く見られることが特徴だ。
夢の宮殿 - 飛騨大鍾乳洞の大きな写真大きな写真
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大円空像 - 飛騨大鍾乳洞
大円空像
仏像のように見える大円空像。

繁殖を抑えるためにカラーライトを使っているとしているが、残念ながら、だいぶ苔が繁殖している。
宝船 - 飛騨大鍾乳洞
宝船
七福神の宝船。
洞窟低温貯蔵酒蔵 - 飛騨大鍾乳洞
洞窟低温貯蔵酒蔵
第1洞と第2洞の間に、洞窟低温貯蔵酒蔵があり、日本酒・焼酎・ワインを低温貯蔵している。
東洋一の石筍 - 飛騨大鍾乳洞
東洋一の石筍
第2洞から先は、急坂や階段が続く。足腰に自信のない方は、第2洞に入る前にある出口へどうぞ。

東洋一の石筍は長さ4.5メートル。頭上にあるのだが、それほど大きさを感じない。
東洋一の石筍 - 飛騨大鍾乳洞の大きな写真大きな写真
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月の世界 - 飛騨大鍾乳洞
月の世界
第3洞にある月の世界

2億5千万年前、このあたりは海底にあり、サンゴなどによって石灰石が形成され、長い年月の間に雨水に溶け、少しずつ堆積してこの鍾乳洞が作られた。
月の世界 - 飛騨大鍾乳洞の大きな写真大きな写真
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子宝神社 - 飛騨大鍾乳洞
子宝神社
第3洞の終点に子宝神社がある。

鍾乳洞の石を子孫繁栄のシンボルとして信仰する風習が生まれ、子宝鍾乳洞とも呼ばれた。
そこで、重さ3トンの「日本一の男子宝物石器」を建立し、祀った。
飛騨大鍾乳洞
第3洞の出口付近の風景。
飛騨大鍾乳洞の大きな写真大きな写真
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飛騨大鍾乳洞
外廊下(階段)を通って入口へ向かうのだが、途中に七福神像があった。

交通アクセス

【鉄道+バス】
  • JR高山駅より平湯・新穂高線に乗車し、「鍾乳洞口」下車。バス停からは無料送迎車あり。
【自動車】
  • 中部縦貫自動車道「高山西IC」より約40分
  • 長野自動車道「松本IC」より約90分

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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