国立科学博物館の地下3階の霧箱で宇宙線を捕らえる

2005年5月2日 撮影

宇宙・物質・法則

南丹隕石 - 国立科学博物館
恐竜博2005を見たあと、国立科学博物館(東京都台東区上野公園7-20)新館(現・地球館)の常設展示を見学した(この日は入場無料)。
新館は、前回訪れたときには工事中だったが、2004年(平成16年)11月2日にグランド・オープンした。展示階は地下3階地上3階で、2005年(平成17年)現在、新館全体で約8900平方メートルの展示スペースがあり、国内の科学系博物館では最大規模である。なお、本館は改装のため閉鎖中であった。
地下3階には、博物館の活動と、宇宙・物質・法則のコーナーがある。
この隕石は、アジア最大の隕石「南丹 (なんたん) 隕石」。1990年(平成2年)に中国で発見され、重さは1710キロある。
国立科学博物館関連
国立科学博物館地球館の地下3階にある霧箱の映像。飛行機雲のような軌跡は、宇宙線が通過したことを示す。地下3階まで宇宙線が届くというのは、頭では知っていたが、実際に見てみると、あらためて驚かされる。
宇宙線を含めて、自然界にある放射線を総称して「自然放射線」という。この自然放射線は、平均して1年間に2.4ミリシーベルト(大地から46%、食物から24%、宇宙線38%、空気中のラドンから1.3%)だが、地域や緯度・高度によって異なる。
2011年(平成23年)3月11日に発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故では、3月12日に原発正門付近で0.385ミリシーベルトの放射線が観測された。
5月半ばには、福島第一原発から北西へ31キロ離れた福島県浪江町赤宇木で累積線量が30ミリシーベルトを超えた。

ちなみに、胸のX線写真は1回あたり0.05ミリシーベルトである。

生物の進化

コロンビアマンモス - 国立科学博物館
地下2階は生物の進化のコーナー。先カンブリア代から現代に至る生物の進化を見ることができる。ベンド紀という新しい時代区分があったり、二畳紀が無くなっていたり(最近では「ペルム紀」と呼ぶそうだ)と、勉強させられることが多い。

マンモスは、ゾウ科マンモス族に分類される。肩までの高さは4メートルに及ぶ。鮮新世前期にアフリカに出現したあと、鮮新世後期にユーラシア大陸に進出、更新世前期には北アメリカ大陸に渡った。写真は、北アメリカの中で進化したコロンビアマンモス、別名インペリアルマンモスである。
恐竜 - 国立科学博物館
地下2階は恐竜コーナーである。
ここにもティラノサウルス・レックスなど数多くの化石が展示されており、わざわざお金を出して「恐竜博2005」を見に行く必要はなかったのかもしれない(苦笑)。

地球上の多様な生物

ホアンホアン-国立科学博物館
国立科学博物館地球館の1階は、地球上の多様な生物の展示コーナーである。
ここには、ホアンホアン(歓歓)の剥製が展示されている。
ホアンホアンは、1979年(昭和54年)9月のランランの死亡を受け、3頭目として1980年(昭和55年)1月29日に来日したメスのパンダである。1982年(昭和57年)11月に来日したフェイフェイ(飛飛)との間に3児をもうける。
1985年(昭和60年)6月27日生まれのチュチュ(初初、オス)は、2日後に死亡。
1986年(昭和61年)6月1日に生まれたトントン(童童、メス)は、順調に成長。1992年(平成4年)11月に来日したリンリン(陵陵)とカップリングするが、子どもに恵まれないまま2000年(平成12年)7月に死亡した。
1988年(昭和63年)6月23日に生まれたユウユウ(悠悠、オス)は、ユウユウと交換で北京動物園へ。
ホアンホアン自身は、1997年(平成9年)9月21日に大往生を遂げた。
それから11年後の2008年(平成20年)4月30日、リンリンが死去し、上野動物園にはパンダがいなくなった。

2008年(平成20年)12月23日から2009年(平成21年)4月5日まで、リンリンを含む、上野動物園で飼育されたパンダ7頭の剥製が展示されている。場所は、日本館1階央ホールだ。
上野動物園のパンダ関連

情報端末

情報端末 - 国立科学博物館
館内のあちらこちらには、情報を閲覧できるモニタ端末が設置されている。
希望者には、入り口でICカードを貸してもらえる(無料)。このカードを端末に接触させると、館内のどこを見学したのかICカードに登録される。登録された情報は、ICカード返却時に渡されるIDカード(パスワード付き)を使って国立科学博物館のWebサイトにアクセスし、ID番号とパスワードを入力することにより、館内で得た情報を引き出すことができる。
なお、展示情報は、日本語、英語、中国語、韓国語、日本語子ども用の5つから選択表示することができる。
OSとしてWindowsを使っているらしく、ときどきエラーウィンドウが表示されていたのはご愛敬。

実験コーナー

科学実験 - 国立科学博物館
国立科学博物館地球館の2階には、音、光、力、運動、電気、磁気などの物理現象を体感し、実験できるコーナーがある。
高柳式テレビ - 国立科学博物館
浜松高等工業学校(現・静岡大学工学部)の高柳健次郎は、現在と同じ電子式ブラウン管を使った装置を開発し、1927年(昭和2年)に「イ」の字の映像伝送に成功した。走査線はわずか40本(ハイビジョンは1080本)だったが、日本初の快挙であった。
NHKに出向した高柳は、幻となった1940年(昭和15年)の東京オリンピックに備え、本格的なテレビシステムの開発に着手した。ところが戦争が激化し、レーダーの研究に転向させられる。
戦後、NHKに復帰するも、GHQによってテレビの研究開発は中止。しかし、日本ビクターに転職し、NHK、シャープ、東芝と共同でテレビ放送技術とテレビ受像機を完成させた。

ちなみに、カミオカンデの巨大な光電子倍増管を製造した浜松テレビ株式会社(現・浜松ホトニクス)は、高柳の門下生であった堀内平八郎が設立した。

ハーブガーデン(屋上)

ハーブガーデン - 国立科学博物館
国立科学博物館地球館のの屋上には、薬用、食用、染料・香味料用など、約150種類のハーブがある。休憩用スペースとなっており、飲食もできる。
ハーブガーデン - 国立科学博物館
屋上の別の一角はパラソルガーデンと呼ばれ、色とりどりのパラソルがある。近づくと赤外線センサーでパラソルが開く。ここも飲食可能。飲料の自動販売機がある。
館内はもちろん飲食禁止なので、見学の休息なら屋上に立ち寄るといいだろう。
ハーブガーデン - 国立科学博物館
屋上から本館を見ることができる。
上野動物園を見る絶好のロケーションなのだが、太陽発電パネルや空調設備などに邪魔されて見渡すことができない点が残念だ。

交通アクセス

【鉄道】
  • JR「上野」駅公園口から徒歩5分
  • 東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅から徒歩10分
  • 京成線「京成上野」駅から徒歩10分

近隣の情報

この付近でネットができる宿

(この項おわり)
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