くじらの博物館は捕鯨の歴史と技術を後世に伝える

2022年2月26日 撮影
くじらの博物館
太地町立くじらの博物館(和歌山県東牟婁郡太地町太地2934-2)は、400年以上にわたってクジラと深く関わってきた「くじらの町」太地町の捕鯨の歴史と技術を後世に伝えることを目的に1969年(昭和44年)に開館した。
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シロナガスクジラの全身骨格標本 - くじらの博物館
シロナガスクジラの全身骨格標本
恐竜時代も含め、既知の動物の中でもっとも大きなシロナガスクジラの国家機標本が屋外に設置されている。これは、1880年代初頭にノルウェー北部で捕獲されたシロナガスクジラの骨格を精密に複製したもので、推定体長26メートル、推定体重106トンという大きさに圧倒される。2005年(平成17年)に設置された。
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セミクジラの実物大模型 - くじらの博物館
セミクジラの実物大模型
博物館3階には、セミクジラの実物大模型が吊されている。実際に頭部と胸びれ、尾びれから型を取り、グラスファイバーで作られれている。
セミクジラは、体長13~20メートル、体重60~100トンで、北太平洋の温帯から亜寒帯の沿岸などに生息する。概して大人しくて好奇心が強いが、分布を含めた生態情報はほとんど解明されていない。
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シャチの胎児 - くじらの博物館
シャチの胎児
博物館2階ではクジラの政体を学ぶことができる。写真は、ハクジラ類の一種のシャチの胎児。体長は1メートルほどで、臍の緒があることがよく分かる。クジラ、シャチ、イルカは哺乳類だ。
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鯨ヒゲの配列 - くじらの博物館
鯨ヒゲの配列
ヒゲクジラ類は、大量の海水を摂取し、鯨ヒゲ使って濾過し、残ったプランクトンなどを餌として摂取する。口蓋の右側と左側それぞれに、数百枚の板が櫛の歯のように細い隙間を空けてぶら下がっている。鯨ヒゲは、爪や毛と同じケラチン質でできている。
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90㎜捕鯨砲 - くじらの博物館
90㎜捕鯨砲
3階には、古式捕鯨道具から捕鯨砲の変遷が展示されている。
写真は、ノルウェー製の90㎜捕鯨砲。2009年(平成21年)まで潮岬観光タワーに展示されていたものが寄贈された。砲身に(1936.No.240.TN15)という刻印がある。
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三連銃 - くじらの博物館
三連銃
火薬の爆発力によって銛を発射し、クジラを捕獲するもので、1860年代にノルウェーで発明された。

ミンククジラなど小型のクジラの捕獲に用いられた光景25mmの三連銃。
かつては、クジラを網で囲んで動きを止め、網が付いた銛をたくさん投げて捕獲していた。
火薬の力を使って銛を投射するのが、写真の捕鯨道具で、三連銃、四連銃、五連銃が展示されている。
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郵便ポスト - くじらの博物館
郵便ポスト
屋外には、イルカをあしらった青い郵便ポストがある。
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クジラショーエリア - くじらの博物館
クジラショーエリア
自然の入江を仕切って作られた自然プール(50×210メートル)の一角にクジラショーエリアがある。
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クジラショーエリア - くじらの博物館
クジラショーエリア
美しい自然を背景に、世界でも珍しいゴンドウクジラのショーを見ることができる。

ゴンドウクジラは、体長2~6メートルの最も小型のクジラで、遺伝的にはマイルカ科のイルカに近い。
クジラショーエリアには、コビレゴンドウ(体長6メートル、体重3.6トン)、オキゴンドウ(体長6メートル、体重2.0トン)、ハナゴンドウ(体長3.8メートル、体重0.5トン)が所属している。
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クジラショーエリア - くじらの博物館
クジラショーエリア
小型とはいえ、体長6メートル、体重3.6トンの巨体が海面からジャンプする様子は圧巻である。
カヤックによる観察、給餌体験も実施している。
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イルカショープール - くじらの博物館
イルカショープール
クジラショーエリアとは別に、イルカショープールがあり、バンドウイルカ(体長3.8メートル、体重650kg)、カマイルカ(体長2.5メートル、体重180kg)、スジイルカ(体長2.6メートル、体重160kg)のショーを見ることができる。
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イルカショープール - くじらの博物館
イルカショープール
各回のショーの後、イルカにタッチすることができる。
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イルカショープール - くじらの博物館
イルカショープール
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イルカショープール - くじらの博物館
イルカショープール
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イルカショープール - くじらの博物館
イルカショープール
2009年(平成21年)にイルカの追い込み漁を描いた米国の映画『ザ・コーヴ』が公開されたことをきっかけに、反捕鯨団体による抗議活動が活発化し、くじら博物館にも苦情が寄せられるようになった。
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イルカショープール - くじらの博物館
イルカショープール
他の来館者に勝手に取材をしたことを迷惑行為として、反捕鯨関係者の入館を断っていた時期もある。
太地町では、毎年、イルカなど小型鯨類の追い込み漁を行っているが、反捕鯨活動家などの過激な活動を監視するために、地元警察が巡回している。
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交通アクセス

【バス】
  • JR太地駅から太地町営じゅんかんバスに乗車、約10分。「道の駅たいじ」バス停下車。
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出発地の最寄駅:

目的地:太地町立くじらの博物館
くじらの博物館 関連

参考サイト

近隣の情報

(この項おわり)
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