メタボリックシンドローム 2013年版

2013年9月11日 更新

メタボ進める遺伝子発見

肥満や、内臓脂肪がたまるなどのメタボリック症候群の進行に関わる遺伝子を、京都府立医科大の池田宏二助教や赤壁佳樹医員らのグループが発見した。

血管新生を抑えるタンパク質ARIAが、脂肪組織の血管内皮で活性化していることから肥満との関係を調べたところ、ARIAを作る遺伝子を欠いたマウスは高脂肪食を与えても太りにくく、通常のマウスと比べ内臓脂肪が約半分の量だった。脂肪組織で血管新生が進み、脂肪の燃焼やインスリンの働きを助けるホルモンの分泌が促進されているらしい。通常食でも通常のマウスに比べ体内でインスリンがよく働いており、血糖値が上がり過ぎることがなかった。
ARIAの働きを抑える薬剤は、肥満やメタボリック症候群の予防薬として期待できるという。
京都新聞,2013年9月11日より

禁煙した人が太りやすい理由

禁煙
これまでの研究では、禁煙すると最初の1年間で体重が平均4~5キロ増加することが明らかになっているが、その原因が腸内細菌の変化にあるかもしれないとの研究論文が発表された。

禁煙すると腸内の細菌株の多様性が変化し、肥満症患者の腸内に多くみられるプロテオバクテリアとバクテロイデスという2種類の細菌が増えることが明らかになったという。

北大病院で「タニタ食堂」メニュー提供

北大病院で「タニタ食堂」メニュー提供
北海道大学病院(北海道札幌市北区北14条西5丁目)内に新規に出店したレストラン「ロイヤル」では、1食500キロカロリー前後の食事が評判の「タニタ食堂」のメニューを週替わりで提供する。

タニタ食堂は2012年(平成24年)1月、東京・丸之内にオープンしたヘルシー・メニューが人気のレストランだ。

禁煙太りでも心血管疾患のリスクが半減

米マサチューセッツ州で、禁煙することによって体重が増えても、心筋梗塞や脳卒中などの新血管疾患の発症リスクが半減するという研究結果が発表されました。

糖尿病患者を除くと、禁煙して4年以内の人は、4年平均で3キロ増え、喫煙者より1.8キロ体重が増えていました。一方、心血管疾患の発症リスクは喫煙者の0.47倍でした。同様に、禁煙して4年超の人は喫煙者の0.46倍、非喫煙者は喫煙者の0.30倍でした。
朝日新聞,2013年4月30日より

朝食を時々食べる人はメタボに注意

朝食を食べたり食べなかったりする人は、毎日食べる人よりメタボリックシンドロームになるリスクが女性で4倍以上、男性では2倍近く高くなるとの調査結果を、東京慈恵会医大総合健診・予防医学センターの和田高士教授がまとめた。

和田教授は「不規則に朝食をとると空腹時間の長さが乱れるため、体が内臓脂肪をためこんでエネルギー量を調整するのかもしれない。乱れがないとメタボ発症に影響を及ぼしていない」と分析。「ただ、特に子どもは成長に影響するので朝食を抜かないで欲しい」と話している。
朝日新聞,2013年4月8日より

メタボの人、医療費が平均で年9万円高に

厚生労働省は、メタボリックシンドロームと判定された人の医療費がその他の人に比べ、平均で年約9万円高くなっているとする調査結果をまとめた。

メタボと医療費の関係を調査した国レベルの大規模調査は初めて。
調査は、厚生労働省が2009年度の特定健診結果と、10年度の医療機関の治療実績を示したレセプトを突き合わせることができた約269万人について、男女別、年齢階級別に分析した。
政府は、国民の健康増進と医療費抑制のため、6月にまとめる「健康・医療戦略」で、メタボと判定される人を減らすための施策を盛り込む考えだ。

またBMIで30以上35未満のやや肥満にあたる「肥満度2」のグループでは死亡リスクが5%低かった。
しかしBMI35以上(肥満度3、4)の本格的な肥満となると、死亡率は「普通体重」に比べて29%も上昇した。
讀賣新聞,2013年4月7日より

少し太めのほうが健康

標準体重より2~3キロ太っている方が死亡リスクが6%ほど低いという研究結果が、米国医師会雑誌に発表された。

またBMIで30以上35未満のやや肥満にあたる「肥満度2」のグループでは死亡リスクが5%低かった。
しかしBMI35以上(肥満度3、4)の本格的な肥満となると、死亡率は「普通体重」に比べて29%も上昇した。
(この項おわり)
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