メタボリックシンドローム 2017年版

2017年2月6日 更新

寝不足は肥満のもと

寝不足は肥満のもと
寝不足だと太りやすくなるのは、レム睡眠の減少が関係している、と筑波大学などの研究チームが発表した。レム睡眠が少なくなると、砂糖や脂質を過剰に食べることがマウスの実験で確かめられた。
味や香りなどを判断する役割を担う脳の前頭前皮質と呼ばれる部分の働きを遺伝子改変技術で抑えたところ、高脂質の餌はたくさん食べたが、甘い餌を余計に食べようとはしなかった。寝不足で甘い物を食べたくなるのは、この前頭前皮質の働きが関わっている可能性があるという。

研究者は、原因は不明としながらも、「睡眠の総量が減ればレム睡眠も不足し、肥満の一因になりうると考えられる」と語っている。
また、早稲田大スポーツ科学学術院と花王の研究グループは、2017年(平成29年)1月、睡眠時間が短くなると肥満のリスクが高まる仕組みを解明した。エネルギー消費量は変わらないのに、食欲を抑えるホルモン PYY が減り、空腹感が増すという。
3時間半の睡眠を3日続けた直後は、7時間睡眠時と比べ、PYY の血中濃度が1割強減った。翌日、7時間の睡眠をとると、違いがほぼなくなった。血糖値などに差はなかった。

朝食を抜くと動脈硬化リスク倍増

朝食を抜くと動脈硬化リスク倍増
朝食を抜いたり、ほとんど食べなかったりする人は、動脈硬化を発症する確率がそうではない人に比べて2倍高くなるとの研究結果が、米国心臓病学会誌に発表された。

この研究は、スペインの中高年の会社員4000人を6年間にわたり追跡調査した結果に基づいている。
調査対象の3%が、朝食を完全に抜いているか、ほとんど食べないと答えた。このグループは、食生活が全般的に不健康で、心血管系のリスク因子を抱える割合が高い傾向がみられたという。
さらに、朝食抜きの人は胴回り、体格指数(BMI)、血圧、血中脂質、空腹時血糖値などの数値が最も大きかったという。

研究チームは、動脈内の脂肪性沈着物の割合を調べるため、調査参加者を超音波技術でスキャンしたところ、朝食でカロリー摂取量が1日の推奨摂取量の5%に満たない人は、高エネルギーの朝食を食べている人に比べて、動脈内の脂肪蓄積量が平均で2倍であることが分かった。

朝食を抜く人は、その後の時間帯に不健康な食事をたくさん取ることが多い。朝食を抜くことでホルモンのバランスが崩れ、概日リズムがおかしくなってしまう可能性があると解説している。

参考サイト

(この項おわり)
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