メタボリックシンドローム 2018年版

2018年11月1日 更新

朝食を抜くと太るメカニズム

朝食を抜くと太るメカニズム
2018年(平成30年)10月31日、名古屋大学の研究グループは、朝食を抜くと体重が増えるメカニズムを
米誌「PLOS ONE」に発表した

ラットを用いた実験の結果、朝食を抜いたグループは体脂肪と体重がより増えた。朝食を抜いたラットは、脂質代謝に関わる肝臓時計が乱れていたことや、1日のうちの体温上昇時間が短くなっていたことも分かった。これによりエネルギー消費が抑えられたことが、体重増加につながっていたという。

低炭水化物ダイエットで寿命が縮む

低炭水化物ダイエットで寿命が縮む
2018年(平成30年)8月16日、イギリスの公衆衛生誌「ザ・ランセット・パブリック・ヘルス」に、1日に摂取した全ての食べ物のうち炭水化物の割合が50~55%の人の平均予想寿命は82歳だが、炭水化物の率が40%より少なかい人は79歳という研究結果が掲載されました。これを受けて、英紙ガーディアンやデーリー・テレグラフ、英BBCなどが相次いで、低炭水化物ダイエットを続けることによって、寿命が最大4年も短くなる可能性があると報じました。
この研究では、炭水化物を極端に抑え、代わりに肉類やバター、チーズをたくさん食べていた人は、タンパク質や脂肪をこうした肉類からではなく、アボカドや豆科の植物、ナッツ類で補っていた人より死亡リスクが高かったといいます。つまり、炭水化物を抜くよりも、炭水化物を適度に摂取するか、抜いた炭水化物を植物性タンパク質や脂肪に切り替えるほうが、健康的に年を重ねることができると結論づけています。

また、イギリスの国民保険サービス(NHS)は、低炭水化物ダイエットをカルト的に支持する人々は今回の研究結果に間違いなく反発するだろうが、そうした姿勢は、世界保健機関(WHO)や英国政府の保健機関が推奨する、1日に必要とされるカロリー摂取量の半分は炭水化物で補いなさいというアドバイスにも反すると発表し、今回の研究結果を支持しています。

同じ頃、スイスのチューリヒ大学で実験が行われ、糖質制限と肉食で健康的に痩せるとされているケトジェニックダイエット(Ketogenic Diets)をマウスに行ったところ、2型糖尿病のリスクを高める可能性があることが判明しました。

甘い物を食べるなら日中に

甘い物を食べるなら日中に
2018年(平成30年)8月、名古屋大学の研究チームがラットを使った実験で、日中の活動時間帯に砂糖をとった方が、自由にとり続けるより肝臓や血中にたまる脂肪量を抑えられることを見つけましたた。摂取時間を調整することで、メタボリックシンドロームになるリスクを下げられる可能性があるといいます。
研究チームは、ラットを活動時間にあたる夜に限ったグループと、自由に食べることが出来るグループに分け、餌として砂糖や澱粉をラットに与え、4週間後の肝臓内や血中の脂肪量を調べました。その結果、砂糖を活動時間に限って与えたグループは、自由な時間に食べられたグループより約2割、肝臓内や血中の脂肪量が少ないことが明らかになりました。

参考サイト

(この項おわり)
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