小松崎茂展 in サンシャイン60

1999年5月4日 撮影
サンシャイン60
サンシャイン60(東京都豊島区東池袋三丁目1番1号)は高さ239.4メートルで、東京都庁第一本庁舎(243.4メートル)には負けるものの、1999年(平成11年)現在、展望台の高さ240メートルは都内随一である(都庁展望台は202メートル)。
展望台から - サンシャイン60
サンシャイン60を含むサンシャインシティは、巣鴨刑務所(東京拘置所)跡に建設され、1978年(昭和53年)4月6日に開業した。その名が示すように地上60階建ての超高層ビルであり、高さは239.4メートル。新宿西口の超高層ビル群を追い抜き、東洋一の1985年(昭和60年)に韓国の大韓生命ビル(249メートル・地上部60階)が建設されるまで東洋一のノッポビルであった。
2015年(平成27年)5月7日から改装工事が始まり、初めて展望台が休館する。2016年(平成28年)春に改装オープンの予定。
5月1日までに訪問客数は4千万人を超えた。
小松崎茂
この日は、展望台で小松崎茂展が催されていた。

小松崎茂は1915年(大正4年)2月14日に東京・南千住で生まれたイラストレータだ。日本画家の掘田秀叢、挿絵画家小林秀恒に師事。1938年(昭和13年)に小樽新聞の小説「白狐奇談」の挿絵でデビュー。1939年(昭和14年)には国防科学雑誌「機械化」や「少年倶楽部」などで活躍した。
小松崎茂
戦後、大衆向け雑誌の小説挿絵を始め、1948年(昭和23年)に少年誌「冒険活劇文庫」を皮切りに、月刊少年誌や学年誌の口絵で活躍した。未来画や最先端機械を描き、1957年(昭和32年)には東宝特撮映画「地球防衛軍」のメカデザインとして参加した。

パパぱふぅの脳裏には、1967年(昭和42年)からのプラモデル「サンダーバード」シリーズの箱絵が焼き付いている。テレビシリーズもよくできていたが、これらの箱絵は、それ以上の出来栄えである。戦争にかかわり、軍事イラストも多い小松崎茂であるが、彼が描くメカには武器としての恐ろしさが感じられない。人間にバラ色の未来を約束してくれるメカばかりである。

小松崎は言う。「ライバルは写真だね。若いころはライカに負けない絵を描きたいと思ったものだよ。写実性じゃ、どうしてもかなわない。でも、これから起こる未来、誰も知らない太古のことは、絵じゃないと描けない。画家には想像力という武器があるからね」。

1995年(平成7年)に自宅を焼失するが、なお現役として活動を続け、2001年(平成13年)12月7日に永眠した。86歳の大往生であった。

交通アクセス

【鉄道】
  • JR・東武東上線・西武池袋線 池袋駅から徒歩約8分。
  • 東京メトロ有楽町線 東池袋駅から徒歩約3分。
  • 都電荒川線 東池袋4丁目駅から徒歩約4分。
【自動車】
  • 首都高5号池袋線 東池袋インターより直結。駐車場はサンシャイン駐車場(30分/250円)。ただし、ナンジャタウン利用による駐車料金割引はない。
小松崎茂関連

近隣の情報

参考サイト

参考書籍

表紙 SF挿絵画家の時代
著者 大橋博之
出版社 本の雑誌社
サイズ 単行本
発売日 2012年09月
価格 1,980円(税込)
ISBN 9784860112332
小松崎茂から加藤直之まで。SF小説を彩ってきた挿絵画家たちの華麗で濃密な世界。
 
(この項おわり)
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